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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
第十章 それぞれの生活
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第二百五十九話 カルアちゃんの訪問 5日目 前編

 俺達は今、今日は何をして遊ぶか話し合っていた。



「で、どうする?」

「今日もアリムちゃんを着せ替えしましょう!」

「カルアちゃん、それは昨日やったでしょ…」



 そんなに良かったのかあれが。

 俺にとっては良くなかったけど…カルアちゃん含むその他みんなにとってはそんなに楽しかったのか。



「うむ! ならば今日は菓子を食いまくろう、それで良いと我は思うがな」

「それも悪く無いですね、ローズちゃん」



 いつの間にか、この二人は仲良くなってやがる。

 カルアちゃんったら、初めて会った時は友達いないとか言ってたけど、割と友達作りは得意な方なんじゃ無いだろうか。

 …あ、そうか。一回、一緒に寝なきゃダメなのか。


 そろそろ俺からも提案してみよう。



「じゃあ海に魔物を釣りにいくのは?」

「えーっ?」

「いえ、それはちょっと…」

「釣りですか…」

「せっかくアリムちゃんの家に居るんだから、アリムちゃんの家で遊びたいな」

「釣ったものを食うんだけだったら良いぞ」



 うわぁ…釣り不評だなぁ…。

 まあ別にやりたくて言った訳じゃなし、いいかな。



「結局何をするの?」

「昨日みたいにアリムちゃん、何か遊べるようなアイテムを作れない?」

「作れますけど…良い案が思いつきません」

「食物で昨日と同じことすればいいと思うぞ!」



 ローズのその一言に、みんなはハッとなる。

 とてもいい案だ。

 まさかローズの食い意地が張ったその思考が、良いものを生み出すとは…。


 という訳で、皆さん賛成のようなので、俺は昨日の着せ替え機械の食べ物バージョンを作り出した。

 そしてさらに昨日使ったくじ引きを再び使用する。


 今回のルールは、クジを引いた人がその装置を押す。

 すると、机に人数分のその人がイメージした料理が出てくるという代物。

 わざと不味いものを注文しない限り、美味しくできるようにしてるし、また、この装置からでてきた食べ物は次のを食べると味や胃の中の物がリセットされるという機能もつけた。これで太らない。



「じゃあクジを引くぞ!」



 ローズの掛け声とともにみんな、クジを引く。

 まずはいつも通りカルアちゃんからだ。知ってた。



「あ、あれ。私ですか? アリムちゃん、これって、明確に想像しないとダメなんですか?」

「ううん。例えば…スープとだけ思い浮かべたら、その人の他の思考とかも読み取って、それに合わせた何かのスープがでてくる…そんな感じだよ」

「そうなんですね!」



 カルアちゃんはスイッチを押した。

 机の上に瞬時に料理が並べられる。魚の魔物の白身のムニエルだった。



「釣りと言う言葉を聞いて、白身魚が食べたくなったんです」



 と、カルアちゃんは説明した。

 

 味は言うまでもない。伝説級…はさすがに無理だったか、国宝級の味だった。

 国宝級の味ってなんだう…?

 でも、そうとしか形容出来ないんだよね。


 続いてクジを引く。

 今度はローズだった。

 どうやらローズ、カルアちゃんの次あたりに運が強いみたいだ。

 ローズは迷うことなくスイッチを押す。

 出てきたのはステーキだった。



「私の大好物だぞ!」



 そのステーキを口にしてみた。

 ……ゴールドローズクィーンドラゴンの肉だった。

 大好物って、ローズは言った。そう、ローズは自分の肉を大好物って言ったんだ。

 案の定、ローズは可愛い顔してニッコニッコ笑いながらステーキを食べている。

 …美味しけりゃなんでもいいのか。


 またまたクジを引く。

 今度は珍しく、俺になった。

 昨日は俺に一回も回ってこなかったんだよね…。回ってきてたらミカを着せ替えしたのに。

 ……まあまさか、夜に、ミカの方から着せ替えさせて欲しいというとは思わなかったけれど。


 ところで俺はさっき自分でスープと言ってしまった手前、スープが頭から離れない。

 スープが飲みたい、意味もなく玉ねぎが入った温かいスープが…。


 俺がスイッチを押すと、玉ねぎが主なスープが出てきた。これで良いんだよ、これで、こういうので。



「…美味しいですけど、普通のスープですね?」

「そうだね、玉ねぎのスープだね。スープが飲みたかったの? アリム」

「ステーキの後にスープか…迫力が足りないな」



 くそっ。

 どうやら皆んなの感性と俺の感性は中々合わないらしい。美味しいと思うんだけどな…このスープ。


 また、クジが引かれる。

 今度は2度目のカルアちゃんだ。


 カルアちゃんがスイッチを押すと……出てきたのはお寿司だった。



「ふえっ!?」

「えっ…!」



 俺とミカは思わず驚きの声を上げてしまった。

 どうしてカルアちゃんの注文からお寿司が出てくるんだ。



「なんですかね、これは…? この下の白い物は見たことないですし…。『カルパッチョ以外の生のお魚料理』と考えたらこれが出てきたんですよ? アリムちゃん知ってますか?」



 俺は冷や汗を垂らしながらカルアちゃんのその質問に応える。



「あー、えっと、鑑定したところ、お寿司という料理で、そこの黒いソースをつけて食べるんだそうだよ」

「へえ…そうなんですか? もしかしてアリムちゃんとミカちゃん、これのこと知ってますか?」



 おう…どうしてそうなってしまったのか。

 とりあえずはぐらかせておこう。



「知らないよー、ね、ミカ」

「うんうん、知らないよ」

「そうなんですか…。面白いですね、誰も知らない料理が出てくるなんて」




 ……ふぅ。

 お米がついにこの世界の人に知れ渡ったか…。

 まあ、栽培方法まではまだわかんないだろうけどさ。

この日の内容が割と本当に思いつかなくて、その思いつかないまま書いてるうちに、ローズちゃんの食い意地発言が出てきて、それが思ったより良い案だったので、そのまま『これだ』となりました。…救われました。

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