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Levelmaker ーレベル上げしながら異世界生活ー  作者: Ss侍
第十章 それぞれの生活
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第二百五十八話 槍投げ (叶・桜)

「で、移動したわけだけど」

「うわぁっ…なにこれ、さっきよりうじゃうじゃ居るっ…」

「街の周りだとそんなに居なかったのにね、魔物。こういう場所で潜んでるんだ。…桜、攻撃と素早さにあと2回ずつ、補助できる? それと器用に5回」

「うん! あれ、でも器用? 器用はそんなに重要じゃないって叶、言ってなかったっけ?」

「まあ、普段はね。でも今からやる事には必要なんだよ」

「ん、わかったわ」



 サクラはカナタに言われた通りに補助魔法をかけた。



「それで今からするのは槍投げなんだけど」

「えっ? 投げちゃうの?」

「うん、投げ当てて瞬間移動で槍と死体を回収。それを繰り返せばこの場から動かずにたくさん狩れる」

「でも、周りに木とかたくさんあるじゃない」

「それはどうにかなるはずなんだよ。器用が高ければね……ソォイッ」



 カナタは変な掛け声と共に、離れた場所にいる魔物に向かって槍を投げた。 

 何故か周りの障害物に阻まれることなく槍は当たり、カナタはそれを瞬間移動で自分のもとに取り寄せた。



「はい、いっちょあがり」

「え…本当にできた…」

「ふふふ、多分だけど、器用が高いと投げる技術とかにも不思議な力が働くっぽい。軌道修正を自動でするみたいなんだ」



 牛っぽい魔物からカナタは槍を抜き、再び投げ始めた。

 また、問題なく槍は魔物に突き刺さる。無論、一撃で倒せている。



「よし、2匹…通算6匹目のDランクだ」

「わあ…凄い!」

「ふふ、効率重視の我にかかれば、この程度、朝飯前なのだよ…! とりあえず半径200メートル以内にいるヤツは全部倒す」



 カナタはひたすらに槍を投げた。

 大探知にはCランクの魔物も引っかかっていたが、それをうまく避け、Dランクの魔物のみを狩り続けた。

 3分後、宣言通りに半径200メートル以内にいたDランクの魔物を全て倒したカナタ。

 その数、14匹。



「大漁、大漁!」

「はぁ…流石というかなんというか」

「さて、そろそろCランクの魔物に着手しよう。攻撃の補助、まだできる?」

「うんとね……大丈夫みたい。少なくともあと2回かけても問題ないみたいね」

「なら、2回かけて」

「はいはい」

 


 サクラに攻撃の補助魔法を2回追加でかけてもらったカナタは、Cランクの魔物に向かって槍を投げた。



「……あれ? 一撃で倒せちゃった…」

「うっそー!?」



 カナタはすぐさま自分の槍を瞬間移動で呼び出すと、その槍には一つの魔核と大きなイノシシのような魔物がついてきた。

 そのイノシシは彼方の身長とほぼ同等の大きさであった。



「うわ…でか…」

「順調ね、本当に」

「さてのこり3匹も狩るか」



 カナタは3回槍を投げ、大探知に引っかかっている残り3匹のCランクの魔物…イノシシ2匹、巨大な鳥1匹を倒し尽くしてしまう。

 どんどんと、最高級のマジックバックに溜まっていく魔物の死体は、すでにその容量の5分の1を埋めてしまっていた。

 


「こう簡単にいくと、後が怖くなるというか…いきなり後ろからSランクの魔物なんかが襲ってきたり…」

「その心配はないよ。仮にそんな事が起こったら瞬間移動で逃げれば良いんだし」

「そうよね…。こういうのなんて言うんだっけ? チート…だっけ?」

「まあ…そうかもね。桜、Cランクの魔核とSKPを使って大探知を習得しといて」

「うん」



_____

____

___




「今日はもう、そろそろ帰ろうか」



 森に来て30分、Dランクの魔物を計31匹、Cランクの魔物を計8匹狩ったカナタは満足気な顔でそう言った。



「良いけど…まだこの森に来て30分しか経ってないわよ?」

「そうなんだけど、解体作業とか、素材を売りに行くとかしなきゃいけないし。多分、そっちの方が時間かかるんだよね」

「そっかなら、帰ろ、叶」



 瞬間移動を使い、カナタとサクラはローキスが手配した宿へと帰るも、カナタはすぐに出かける準備を始めた。



「あれ、またどこか行くの?」

「解体はほら、外でしないと」

「そうね。そうだった。私も手伝おうか?」

「いや…いい。ただ、素早さと器用を最大まで補助してね。そうすれば作業も早く終わるはずだから…。あ、あと、今日の晩御飯は猪肉のステーキになると思う」

「うん、うん。わかった」

「じゃあ行ってくるから」



 そう言ってカナタは何処かへ行ってしまった。

 帰ってきたのはその3時間後であり、ホクホクした、いかにも嬉しそうな顔で戻ってきた。

 サクラには見えないが、ただいま、のその声のトーンでカナタがご機嫌であることを察した。

 


「なんか良いことあった?」

「はは、いやね、魔物の素材が思ったより高く売れたってだけの話」

「へぇ、いくら?」

「242,000ストン……ローキスさんが提示した額のだいたい5分の1だよ」

「あれ…? えーっと日本円になおすと242万円…!?」

「そう! すごいよね! 桜、絶対に目を良くするからね」



 そう言いながらカナタはサクラの手をギュッと掴んだ。

 サクラは一瞬戸惑いながらもそれを握り返し、彼方の問いに返答する。



「べ…別に目を良くしたいなんて言ってないんだからね! でも…本当にありがと、叶!」

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