第二十三話 勝利後の喜び
勝った、強かったぁ……。
これ、レベル117じゃなかったらどうなってたんだよ……。
「うっ……」
頭も腹も痛てぇ。ヒールかけなきゃ……。
それにしても、この犬ら。すごくいい皮してるよな……。絶対持って帰る。
あと魔核だ。銀色の犬からは黄色の魔核、金色の犬からは橙色の魔核、虹色の犬からは赤い魔核が出ている。
さて、あと虹色の犬を倒したあとからなんか宝箱がこのフィールドの中央に出現した。
いや、『出てきた』だね。地面底から。
とても綺麗な装飾が施されている。この開ける前のワクワク感。RPG好きにはたまらない。
俺はふらつく足でその宝箱に近づき、開けてみた。
中身の内容は、カード(?)1枚、スキルのディスク2枚、そしてこの箱いっぱいに入ってる橙の魔核と5個程ある黄色の魔核。
とりあえず、スキル2枚を見てみよう。チート級の何かとかだったらいいな。
【「鑑定王★★★★ 」
全ての物の価値や使用方法、名前や材質など、ありとあらゆる情報がわかる。
その場にある鑑定したい物を、鑑定したいと意識すれば、頭の中にその情報が入り込んでくる。】
すげぇ、すげぇぞこれ……!
ダンジョンクリアするだけで、こんなもん貰えるのか!
もう一方は?
【「性別変換★★★」
男は女に、女は男に"なる"ことができる。
自由自在に性別は変えられる。
見た目だけでなく、身体の仕様、本能的性別思考、全てにおいて完全に異性となる。
また、顔立ちや体格などもその性別に合わせて変わる。 また、本能的性別思考とは、基本的な性格や記憶が変わるわけでなく、例えば女が男に"なった"場合、その人物が他の男と接触する際に、異性としてでなく、同性として振る舞うようになることである。】
え、これなんかに使えるの 潜入捜査とか?
だって、効果見る限りさ、性別を女にして女風呂覗くにしても、結局は思考が、女が女風呂覗くのと同じになるってことだろ?
いや、俺はそんなことしないけどさ。ほんとだよ?
これは取得はしておくけど、保留だな。別にいらんし。大体、なんでこんなものあるんだよ。考えた奴誰だよ。
とりあえず、2つとも習得する。
【SK2 「鑑定王★★★★ 」「性別変換★★★」を取得しました。】
鑑定王のスキル見てみるか。
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鑑定王
★★★★ SKP:0/300
Lv0: SKP-0
Lv1: SKP-100
Lv2: SKP-200
Lv MAX: SKP-300
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ん、レベル0だと? これ、なんかの進化後のスキルなのか?
詳しく見てみよう。
【鑑定名人、石鑑定、解体物鑑定、武器鑑定、道具鑑定、植物鑑定のレベルMAXの基本効果を受け継ぐ。】
はぁ、やっぱりこういうのがあるのか。鑑定系の物全てと鑑定名人っての合成したらこれになるんだな。てか、解体あんじゃん。
解体も何かの素材になるかもしんないのかな。もしかしたら[採取王]とか。ありうるな。
ちなみにレベル1~3の効果は見れる範囲が広がるとか、種類が増えるという、ないようだった。
そうだ、すぐさまこれに300振ってこのカードみたいなの鑑定しよう。俺はこの鑑定王に300割り振った。
そして、このカードを見てみる。なんか、ふくざつそうな魔法陣が書いてあるんだけど……?
【「無限収納のマジックカード」
・状態→ 良
・出来→ 至高
・価値→ 国宝
・材料→ 紙
・種類→ マジックカード
・説明
このカードは収納機能を持つ道具に貼り付けて使う。
貼り付けた対象物に貼り付けた際に、このカードは消えてしまうため、一度しか使えない。
このカードを貼り付けた対象物は、物が無限に入るようになる。
また、貼り付けた対象物の性能も上がる。
収納する際はどんなに大きい物でも強制的に吸い込む。
取り出す際はその取り出す物を思えば、一度に何個でもとり出せる。
また、この中に入っている物の時間は止まる。】
すげいものを手に入れてしまった。
マジで、なんだこれは!?
俺の持ち物問題、全部解決すんじゃん。問題は、何に収納するかだなー。せっかくだし良いものがいい。
例えば、この金の犬の皮とさ、銀の犬の毛でさ、ポーチ作ったらなんか凄いものできそうじゃん。
虹色の犬はもったいなくて使えないけどね。
これら担いで外に出て、さっさと作るか。
「革加工」「解体」「裁縫」全てレベルMAXにしてるし、Cが1000超えてるからな。
かなり良いのができるはず。
てか、どっから外に出るの?
俺はキョロキョロと周りを見渡した。なにやら光が満ちている場所がある。ワープホールか何かだろう。
俺は宝箱と、3匹の犬と、その他諸々を運び、光の中に入っていった。