第十六話 宝箱
一直線に進んでいたら、割とすぐ行き止まりに達した。
そこには、予想どうりの宝箱っぽい何か。
そして………ドラゴンが居た。
ドラゴンと言っても、二足で立ってるし、背丈は、12歳の身長である俺よりも、ほんの少し小さいくらいと見て取れる。
そして皮膚、というより鱗は濃いめの黄色。背中には飛べそうにもないサイズの小さな羽が生えている。目もウルウルだし、可愛い。
それでも一応、見てくれはドラゴンなのだ。警戒しなければ。
小ドラゴンはこちらに突進してきた。大犬程ではないけど、それなりにスピードがある。また、爪も牙も鋭い。
噛みつかれたり、引っからかれたりしたらそこそこダメージがありそう。
小ドラゴンをかわすと、壁に小ドラゴンがぶつかる。可愛い。しかし、小ドラゴンはすぐに体制を立て直すと、口から火をふいてきた。
否、あれはフレイムボールだ。レベル3くらいの。
なーんか、この小ドラゴン、大犬と毛玉の強さを中途半端に持っている感じ。だから、大犬と毛玉と強さは同じくらいかな。
俺は小ドラゴンのフレイムボールLv3をワザと当たる寸前で回避し、ウォーターエミッションを撃つ、撃つ。仕上げにウォーターボール。
これで倒せた。
……。
良くさ、ファンタジー系の小説とかさゲームとかでさ、ドラゴンの肉って、美味しいって言うじゃん?
これも美味しいのかな? 試す価値はあると思うんだよね。だって、見た目からして美味しそう。
試す価値はあるよ……ね?
俺はドラゴンから爪と鱗と皮と肉を頂くことにした。今はさっきの大犬の皮に包んでるけど、それでも荷物は一杯一杯。
……とりあえず、宝箱を開けてみる。
まぁ、トラップではなかった。そして中身は一枚のディスクのような物。
良く見るために、手で持って顔の前に近づけると、メッセージが頭の中に表示された。
【SK1 「E:シャボン」を習得しますか?】
これがお地蔵さんの言ってたスキル習得アイテムか。習得してみよう。
頭のなかのメッセージに、肯定の意を伝えると、そのディスクみたいなのが光の粒となって空中に分散し、消えてしまった。
【SK1 「E:シャボン」を習得しました。】
さてと、宝箱をとったことですしもう戻りますか。
そこでステータスを確認すると、レベルが18になっていた。
なんかここのところ、ステータスを確認しないとレベルが上がった実感がわかない。もしかしたら、ステータスを確認した瞬間にレベルが上がるのかも。
そして、レベルアップしたことにより、MPが50増えている。
もう1匹いけるよね。それでしまいにしよう。
俺は宝箱を後に分かれ道まだ戻る。そして行かなかった方の道に入っていく。すぐに魔物と遭遇。さっきの小ドラゴンだ。
サクッと倒し、この時は爪と鱗だけ持ってった。
レベルが19になった。調子がいいぞ。
今回はここまでにしよう。本当はまだ1匹いけるけどね。
俺は一旦外に出る。まだ、朝のようだった。二時間位しか潜ってないもんね。
外に出たはいいんだけど、何しよう?
あ、一応確認で、もう一回もぐってみて時間式か出たらすぐに復活するのか見とかないと。
嬉しいのは後者だなー。ダンジョンにもう一度入る。
………一番最初の場所にもう大犬が居た。どうやら後者のようだ。やったね。
残り1匹分MPで大犬をサクッと倒す。
_______ついにレベルが20になった。
様子見だけだったからもう外に出よう。




