第十四話 毛玉
また、少し進むとあの大犬がいる。
なんてことはない。さっきと同じ要領で倒すだけ。水で抑え付けるってすごいね。
レベル11に上がった。解体は今はしていない。魔核だけを回収している。まぁ、しまう場所がないからね。
この先を見れるとこまで見て、帰りに持ち帰ろう。
現状だけど、今はたしかMPが残り56あるし、大犬程度だったらあと一匹は倒せるだろう。そう考え、俺は先に進む。
最初の大犬が居た場所から次の大犬がいた場所までの距離と同じくらいだろうか?
そこには……毛玉がいた。
どう見ても毛玉以外の何者でもない。
THE毛玉。
毛玉の権化。
モフモフしたい。いや、させろ。
毛玉の大きさはあの大犬より1~2回り小さいぐらい。結構大きさがある。
ここにいるってことは多分、魔物だよね?どんな攻撃してくるのだろう?
そう思っていると、何やらのそのそと動きだし、あ…アレ、くちかな? 口っぽいな。
多分口であろうものを開き、そこから風の塊が放たれた。風の術の「ウインドボール」だ。しかも大きさから言ってLv4か5。
魔法使うのか……ヤベェ。
俺はすぐさま同じレベルのウォーターボールを"2つ"撃ち、ウインドボールを弾いた。
何故2つ必要だったのか。それは相手が口を開けたままもう一個撃とうとしていたから。
なんとか、もうひとつの方をキャンセルさせることができた。
そしてすかさずウォーターエミッション。前のウォーターエミッションが消える寸前にウォーターエミッション。
同じように、さらにウォーターエミッション。もひとつおまけにウォーターエミッション。
てか、相手が全く動こうとしない。口開けるのも鈍かったし、素早さが低いのだろう。この、ウォーターエミッションの連打で難なく倒せた。
ただ、大犬よりは体力が高めなんだろうね。ウォーターエミッション一回多かったし。
ウォーターエミッション強し。
……ていうか、毛がびしょびしょでモフモフできないじゃん。
モフモフしたかったなー。モフモフ。
まぁ、いいや。こいつは初めての敵だし、ある程度の毛を持って行こう。この毛と大犬の皮で袋を作って収納すればいいんだ。
そうすれば、ポケットに入りきらずに穴の外に置いてきている魔核も纏めれるはず。
ちなみに、毛玉からでてきた魔核は大犬と同じ、薄緑色だった。薄緑だけど黄緑とはまた違う。薄緑だよ?
同じランクと見て間違いないよね。
レベルが11→13になったけど、MPが残り全然ないから今回はここまで。
寝てMPを回復しよう。一時間もすれば回復できる。
俺はそう考えながら来た道を戻っていく。
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毛玉の経験値
天然物は400
ダンジョンは600。




