お正月! 2023
「あれ、もうこんな時間!?」
そう、美花がくりっとした目を見開きながら声を出して驚いた。
確かに、専用の時間計を見てみれば、俺達がこの切り離された空間に篭ってから一年は経っていた。
こう……一時期アナズムでのお仕事が舞い込んで忙しかったから、お休みがてらアイテムで作り出した空間に美花と一緒に入ったんだけどね。
ちょっとのつもりだったんだけど……まさかこんなになんて思ってなかった。側から見ればダメ人間じゃないかしらん。
俺達は強くなりすぎて、時間だって操作できるようになったからって、これは流石にやりすぎたかも知れない。戻ったって俺たち二人以外皆んな、元通りだろうけれど。少し気になる。
でもこうしてゆーーーっくり二人きりで密な空間で過ごすのも最高だった。
「でさ。どうしよっか、出る?」
「んー……もうちょっと。いいよね」
美花が俺のほっぺたに頬擦りをしながらそう言った。
この様子だとあと数年はここに居ることになりそうだ。……まぁ、それもまた悪くはないのかもしれない。
「じゃあさじゃあさ、一年経ったことだしいちおー、お蕎麦くらいは食べとく?」
「食べとく!」
「じゃあ、あけおめだねー」
「あけおめだねー」
そんな、よく分からない会話を交えながら俺は台所へ向かう立ち上がる。
二人きりの、二人だけの、特別で、のんびりしすぎてるお正月。
……うん、こういうのも良いよね!
あけましておめでとうございます、Ss侍でございます。
良い方面ではあるのですが、今年は色々ありまして、宣言通り行かず更新が長いこと途絶えてしまい大変申し訳ありませんでした。
とはいえ、来年も同じよう忙しくなると思われます。またこの作品でお会いできるのは遥か先になると思いますが、どうぞ、アリムやミカ達のことをよろしくお願いします。