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第千百七話 合成のルール

 まず、俺が昨日、美花が『チャームマスター』を手に入れるまで考えていたマスタースキルを作るための法則は、単純に、共通点があってランクが高いスキルを組み合わせるというもの。いくつか当てはまれば勝手に向こうからマスタースキルが作れるよっていう案内が来るからね。

 たとえば美花のウェザーマスターなら、天気に関係しそうな自然物の属性の強化系星5スキルとSSランクスキルを合成したらできた。まあ、このくらい二つ以上作った時点で簡単に理解できることだね。

 だからたぶん、今からでも作ろうと本気を出せばマスタースキルも量産できてしまうと思う。例えばウルトさんの天敵のヒュドルって人のポイズンマスターとか、ダンスを頑張ってダンス系スキル集めてラーマ国王のダンスマスターとか。まあ、それでもいまだにウルトさんのクリーチャーマスター、ギルマーズさんのバトルマスターは作り方がてんでわからないんだけどね!

 

 そしてこの説を覆したのがチャームマスター。

 一昨日、美花が外で体を動かしたいと言って俺の分身とは別に魔物を4体ほど狩ってきたんだけど、その中に『蠱惑のワルツ』っていうSランクスキルをもった妖精の女性のような魔物がいたの。そして美花はそれをスキルカードにした。

 そのスキルの効果はMPを消費しながらダンスをすることで、そのダンスを見た相手を心酔させてしまうというもの。美花は俺に使ってみたかったらしく、自分に取り込んで実践。……その結果、まあ、いつもよりねっとりとした熱い夜遊びをしてしまうことになった。

 そして昨日、美花はあまりに効果が強くて疲れてしまったらしく、蠱惑のワルツを合成して無くしてしまうことに。とりあえず相性が良さそうな幻術やら弱体化やらと合成していくうちに、星五つの『美貌の女神』というスキルを獲得したんだ。

 それと同時に、なんと、あの『魅惑の女神』の称号を取り戻したんだ。あの時のゴブリンと同じように、時々美花の美貌にメロメロになる亜人の魔物がいるんだけど、それは関係ない……よね?


 それから俺はからかって……っていうか照れる美花がみたかったから、綺麗だとか、可愛いとか、世界一美しいだとかって言いまくってたんどけど、ふと、この美貌系・誘惑系スキルでマスター、一個作れないかなと思って勧めてみたの。

 んで、スキルカードの在庫からめぼしいものを合成し、一個にまとめようとしてみたら……出たらしいんだ、あのマスター系スキルを作る前の特別レシピ画面が。

 ただ、その画面が今までとあからさまに違った。だって必要合成素材のなかに、『魅惑の女神』が入っていたんだから。しかもちゃんと『称号枠』とかいう新しい項目が用意されてて。


 こうして、わかりかけてたマスタースキルについての疑問が増えちゃったってわけ。だって称号が合成できるなんて知らなかったもん。

 でも美花は俺を膝枕してくれてる間に閃いちゃったみたいだから、さっそく聞いちゃおうね。



「それで、新しい法則って?」

「新しい法則ってわけじゃないんだけど、今まで勘違いしてたのかなって」

「勘違い……?」

「そう、勝手にスキルしか合成できないっていう勘違い。本当は合成できたのよ、スキル以外も」

「えっとつまり、美花のチャームマスターが特別なんじゃなくて、今まで俺たちが気がつかなかっただけってこと?」

「うん」



 でも、そんなの今までできなかった。合成画面では、同じく合成するつもりのものはスキル一覧からしか選べなかったし。

 あ、でも合成元、つまり合成をする際の一番最初の素材としてだったらどうだろう。合成って「合成するよー」って考えながらスキルの項目を選択してるからその時に実は選択できてたって可能性はある。

 美花にそう言うと、微笑んで可愛く「そういうこと!」といった。



「なるほどねぇ」

「だからマスタースキルの法則自体は、有夢や私が前々から考えていたもので変わらなくって、違うのは合成の仕組み自体ってこと!」

「でも、もしそんなことができるならなんでアナザレベルは教えてくれなかったんだろ。かなり有用なのに」

「さぁ……大規模にストーカーしてくるきも……悪い人だし、悪い人の考えてることなんてわかんないよ」

「たしかにねー」

「ねー」



 となると、称号から何かを合成して『○○(称号の名前)の剣技』とか作っていけばその称号の強化系のようなスキルや、そのうちそれらのマスタースキルまで作れるってことかな? 

 うーん、やっぱりもっと教えて欲しかったや。まあ、ゲームでもこういう新しい合体技の方法とか後々わかったりするし……あくまでゲームで考えたら理不尽ってわけでも……。



「てなわけでさ、有夢、さっそく称号から合成できるか試してみてよ! 私より直接魔物たくさん倒してるし、称号揃ってそう」

「うん、かなり揃ってるよ。似たような奴同士も何個もあるね。こういうのをスキルに変えてまとめてみよっか!」

「うんうん!」

「……その前に」

「その前に?」

「俺もチャームマスター、いや、チャームマイスター覚えるよ」



 実は一昨日の妖精の魔物と同じのやつを探して『蠱惑のワルツ』ってスキルを手に入れておいたんだよね。

 ということでさっそく美花と同じ手順で合成してみると、そのレシピ画面で本当に長い時を連れそった、俺がかわいいという証の称号、『魅惑の女神』が必要素材に入っていた。合成してもなくならないみたい。

 そして実際合成し、チャームマイスターを手に入れた。

 さて、じゃあ新しい合成……名付けて称号合成、してみますかな!

 

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