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第千百五話 二つ目のマスタースキル

 一気に2体のSSSランクの魔物を倒し、『究極空間移動』まで運良く手に入れることができた俺たちは調子に乗ってそれから計十匹の魔物を狩った。衛星から教えてもらった座標に瞬時に移動するだけでそこに魔物がいるんだから手軽にも程がある。

 倒した魔物は割愛するとして、手に入れたスキルはこんな感じ。まずSSランクスキルは14個。属性を纏った物理攻撃スキルが6個、単純な属性攻撃魔法が4個、無属性の物理攻撃スキルが1個、特別なスキルが3個。特別なスキルっていうのは俺のザ・クリエイトとかえげつない効果を多く持つタイプのもの。

 亜種だからか全身金ピカの黄金になった最終形態のゴーレムから手に入れた『神の黄金錬金術』。この世界に来てから二匹目の色神犬から手に入れた魔法陣や魔法そのもの含め生物以外全てを透明化できる補助魔法『ザ・インビジブル』。茶色くてカサカサするやつの魔物から手に入れた自分をMPと魔力の限り一定時間だけいくらでも増やすことができる『ザ・インクリース』。補足しておくと、茶色くてカサカサの虫の魔物だけど見た目はSSSランクだけあって見れるものだったよ。

 そしてカテゴリ2のスキルは星5つのが12個と、星3が1個。なんか複雑そうなのも多かったため、星5つのスキルは内容を詳しく確認しきれてないけど、星三つのは……。そう、これは『男女変換』。カタツムリの魔物から手に入れた。カタツムリは雌雄同体だからね、仕方ないね。遭遇した瞬間に察したもん。



「それじゃあ……お願いできる?」

「仕方ないなぁ」

「えへへ、はやくぅ!」



 美花の顔が変態的な意味でこわい。今、俺たちは一旦家に戻ってきてお部屋にいる。そして俺はあの男女変換を自分の中に取り込んだばっかり。美花にアリムになってとお願いされてるんだ。美花のお願いなら聞かなきゃいけないからね。別に数十分前に蜂から手に入れたスキルを使われてるわけじゃないよ、本当だよ。

 そして俺は……アリムになっ……あれ?



「アリムじゃない……!?」

「うーん、まだ年齢だけならわかるんだけど。髪も目の色もアリムじゃない……顔も一緒だし、何が変わったか全くわかんないわねぇ」

「まさか髪の毛も目の色も黒のままだなんて。肌もアリムみたいに白すぎるってほどじゃないし。あ、でも美花、どうやらボク、ちゃんと男としてあるべきものがなくなって、女の子にとってあるべきものが出てきてるみたい」

「ボクっ子は継続なのね」

「癖になってるからね。仕方ない、とりあえず至らないところはアイテムで補強しよう……」



 アリムなりそこないの俺は、すぐさまクリエイトで薬を作った。肌を白く、髪を赤く、目を黄色に、年齢をマイナス4歳してくれるお薬。瓶に入ったそれを飲み干せば、一気に俺と美花が共通してイメージする「アリム」へと成った。



「はぁぁあ……可愛いっ」

「むふー」

「この赤ちゃんのようなほっぺた、フニフニの太もも、ムニムニのお胸、スベスベの肌……!」



 美花は俺に飛びついてきて抱きしめ、宣言したところを突いたり撫でたり舐めようとしたりした。流石に舐めるのは今の時間帯は許可しなかったけど。……そうだ、さっき手に入れたあのスキルで美花をちょっと喜ばせてみよう。



「はぁ、可愛いよ有夢っ」

「ありがとう美花」

「もちろん美花もかわいいよ」

「ん? もう一人声が……あっ!」



 そう、あのゴキ……から手に入れた自分が一時的に増殖する魔法、インクリース。そうして俺本人をもう一人増やしたのさ! 美花が喜ぶと思ってね。でも自分を増やして本当に喜ばれたりするんだろうか。



「ここは、天国!?」

「違うよー」

「大袈裟だよー」

「あ、あの魔法ね。と、とりあえず本物の有夢は右頬、もう一人の有夢は左頬で私の頬と合わせてくれる?」

「「うん」」



 美花は俺たちに挟まれサンドイッチになった。ふたアリム揃って抱きつきながら頬を擦り付けてるけど、側から見たらすごい絵面なんだろうなぁ。美花のほっぺたもスベスベだ。



「し・あ・わ・せ」

「それならよかったよ」

「ずっとこうしていたい……」

「いや、でもほら、ボク達にはやらなきゃなことがあるから」

「ね、マスタースキル増やすっていう」

「そういえばそうだった。有夢、アリムの姿のままだと今日は集中できなさそうだから一人になって有夢に戻って」

「「わかった」」



 俺は有夢に戻り、一人になった。その瞬間、ふんわりとした覚えのない記憶が現れる。どうやら分身を解いたらその記憶が本体である俺に統合されるみたいだ。便利だけど、自分の身や心を危険に晒す場合もありそうな効果だね。今後は注意しつつ使おうね。



「で、なにかマスタースキルを作れそうなアテってあるの?」

「んー、それがイマイチ」

「私思うんだけど、この世界ってアナズムとはまた別世界だからマスター系の制約が緩和されてると思うのよね。ほら、私達以外に人がいないし」

「ああ、たしかに。それならウルトさんのクリーチャーマスターとか、パラスナさんのマジックマスター、ラーマ国王のダンスマスターとかも『マイスター』に劣化せずに覚えられそうだね」



 どうやって覚えるかは知らないけど、とりあえず俺か美花のどっちかはあれらの強力なスキルをマスターのままで習得できる。実際、アイテムマスターは普通に再習得できたわけだし。でも俺たちってあの世界にいたSSSランク並みの人を全員把握してたわけじゃないし、そもそも各々のマスタースキルの作り方なんて教えてもらってないし……そこらへんは手探りでやらなきゃだね。

 


「そういえば有夢、あの錬金術ってSSランクのスキルあるじゃない。何個か」

「あるね」

「あれ全部合成したらそれっぽいのできないの?」

「いやいやー、まさかぁ。でもやるだけやってみるね」



 そんな簡単にできるはずないよね。でも美花の勘が言ってるんだからやれるだけやってみよう。錬金術ってついてるスキルは計五つ。『神の鋼鉄錬金術』『神の植物錬金術』『神の岩石錬金術』『神の大地錬金術』そしてさっき手に入れた『神の黄金錬金術』だね。それらを合成しようとしてみる。すると……なんだか見覚えのある画面が出てきた。

 


-------------------------------

・この合成は特殊です。

・強力なスキルのため条件を提示しています。

--------------------------------

--------------------------------


[SS:神の黄金錬金術]+

[SS:神の鋼鉄錬金術]+

[SS:神の植物錬金術]+

[SS:神の岩石錬金術]+

[SS:神の大地錬金術]+


→[?????????★★★★★]

コスト:Sランクの魔核2個

    Aランクの魔核5個

    Bランクの真核5個

合成条件:全ての素材のスキルMAX



この合成には以下のスキルが足りません。

既に他の合成で使用してしまったスキルは表示します。


[創作王★★★★]

[鑑定王★★★★]

[???師★★★]

[真・エンチャント★★★]

[真・料理★★★]


これらの内、最低1つを追加で合成して下さい。


※また所持済みの以下のスキルを代用できます。これらのスキルはこの合成に使用しても消費されません。


[アイテムマスター★★★★★]


---------------------------------



 ほええ、できちゃうよ。転生ボーナスのおかげで消費する魔核も少ないし、今すぐ完成させられちゃうよ。俺の二つ目のマスタースキル。



「どうだった有夢」

「できるみたい……」

「やっぱり! そんな気がしてたのよね!」

「じゃあちょっと作ってみるね……」



 俺はSSランクの錬金術群にアイテムマスターを加え、魔核を消費して合成を行った。出来上がったのは『アルケミーマスター』。錬金術系スキルの頂点らしい。

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[一言] 黄金錬成······· ???「ビタ一か 安いモノだな? 命の価値は···」
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