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第千九十九話 美花のレベル上げ

「アイテムマスター!」

「おおー!」

「これであとはダークマタークリエイトを手に入れられれば、もはやサバイバル生活じゃなくなるね!」



 正直、いまこのお洋服が足りない状況はなかなか大変だから、できれば今日中にダークマタークリエイトを作ってしまいたいところ。SSSランクの魔核が10個、スキルポイントも転生10回分あってやっと余裕で作れると言えるだろうか。まだまだSSSランクの魔物を倒さなきゃだね。……やっぱ今日中は無理そうだなぁ。



「うーん、美花に服を作ってあげたいのにまだまだ足りない……」

「別に有夢しか見る人がいないし、裸でもいいんだよ?」

「それは困るよ」



 とりあえず合成しても減らない基本タイプのスキルを全部育て上げてしまおう。この状況なら岩術・極とか鉄術・極とかでも生活の役に立ちそうだ。あとは剣神奥義とか、槍神奥義とかも作っていきたいな。でもそれも別の魔物倒してからだな。



「とりあえずまた魔物倒しに行こうか。結構スキルもいい感じになったし、つぎは美花のレベル上げできるかも」

「わかった!」

「で、どこに魔物居ると思う? 相手はSSSランクの魔物ばっかりだからさ、大探知だけじゃなかなか見つからなくって……」

「私の勘に頼るの? えーっとね……なんとなくだけど、こっちに居る気がする」



 美花が指差した方は、記憶が正しいなら一度俺が寝てる間に美花が殺されてしまった場所を示している。まあ、今はこの俺がついてるから美花が死んでしまうということは二度とあるまい。その勘を頼って進むことにした。

 素早さをフルでつかってだいたい三十分くらい走ったところで、大きな岩場を見つけた。その中からSSSランクの魔物がいるような気配を感じる。透視で中を覗くと……いた。美花が言っていた黒いサーベルタイガーのような魔物が。夜行性っていう予想も当たっていたようでこれだけ縄張りに近づいてるのにぐーっすり眠っている。

 俺はこの場所から、一度美花を殺してくれた相手に対するこめられるだけの恨みをこめて念術で攻撃した。眠ってるし簡単そうだったので、ついでに殺しきらないよう、HPが1だけのこるような調整も施した。簡単に言えば全部の骨を内側から粉々にしてやったんだ。ま、美花にひどいことしたんだからこのくらい。

 そしてその岩場からそいつを引きずりだす。狙った通り、息も絶え絶えになっておりあと一撃何かしてあげたら死んでしまいそうな様子になっている。……見た目だけならたしかにSSSランクだ。かなり強そう。まあでも、寝て不意打ちに気がつかないなら意味ないよね! てなわけで俺は美花に魔法の剣を手渡した。



「じゃあ、あの時みたいにやってね。難しいって思ってたけど、偶然うまくいったから、無駄にしないようしっかりね!」

「うん!」



 初めて魔物を倒したあの日よりもかなり慣れた手つきで美花は黒いサーベルタイガーの首を切り落とした。一気にレベルが上がって身体が熱くなり驚いたのか、軽い悲鳴をあげながら俺に抱きついてくる。



「レベル1から255になるのって、こんなに暑いんだ……」

「うん、痛みを感じるぐらいだよね」

「でもこれで私も一緒に戦えるようになったね!」



 とりあえず、美花はその場でスキルとステータスの調整を済ませてしまった。MP、魔力、素早さに三分の一ずつ割り振ったようだ。スキルポイントは今回で手に入ったSSSランクの魔核をたっぷり使い、「水の女神」っていう属性超強化スキルを作成。

 アナズムにいた頃は「氷の女神」を愛用してたけど、今回、水にした理由は、サバイバル生活で人間にとっての水の重要性を嫌という程味わったからだそうだ。たしかに、美花が水魔法を最初に取得してなかったらもっと大変だったよね。

 あとは水属性のSSランクスキルを一つ、大探知と大隠密も習得してたたかえる準備が整った。というわけで俺は安心して転生し、またレベル1に戻る。



「よし! じゃあこの調子でガンガンいこう!」

「有夢は私が守る!」

「頼りにしてるよー」



 この岩場からおよそ数キロメートル先にもう一つ反応がある。美花もそれを感知したみたい。俺と美花はその先へ向かう。

 ついた場所は拠点とはまた別の森の中。居た魔物は神々しい鹿。俺と美花に気がつくなり、距離を置いて遠方から強力な光魔法を連発してくるやばいやつ。

 雨のように降り注いできそうな光魔法は美花が全部水魔法で相殺した。一方で俺は超重力で動きを止める。そのまま透視と念術のコンボでフィニッシュ。二人なら負ける要素はないね!



「綺麗な毛並みの鹿だね」

「鹿はいいよー、毛皮もツノも使えるし、なにより……」

「なによりぃ……」

「久々のおにく!!」

「おにく!!」

「「イェーイ!」」



 俺と美花はハイタッチした。それほどに、タンパク質に飢えていたんだ。しかし喜ぶのもつかの間。猛スピードでこちらにやってくる存在を大探知が捉えた。

 それに気がついた時にはもう、その魔物は俺たちのすぐそば、目が見えるところにまでやってきている。その魔物は7メートルはあろうかという超巨体で、口に二つの牙、ひたいに一本のツノが生えてるコーカサスオオカブト虫みたいな……イノシシの魔物だった。

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