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第千九十七話 有夢、考える

「はぁ……あっつぅ……」

「こ、これで有夢は……?」

「レベルマックス、255だよ。SSSランクの魔物は一匹で920万の経験値があるからね」



 ステータスを久しぶりに開いてみた。すると、実際に255レベルの数値になっており、その分のステータスポイント、スキルポイントも得られている。称号も「ジャイアントキリング」とか「神速成長」「SSSランクキラー」などといったものが表示されてる。



「ふっふっふ、ゲーム脳も捨てたもんじゃないね。システムの穴をついて強敵を低レベルで倒す……ゲームじゃよくあることだよ。現実でやるとこんなきついとは思わなかったけど」

「私的には、ゲームの経験云々っていうより、有夢の発想力と忍耐力がズバ抜けてるんだと思うな。有夢自身がすごいんだよ」

「えへへ、そう? えっへん! 美花も俺にまだスキルポイント振らないでいた方がいいってアドバイスし続けてくれたよね。それが今に繋がってるんだよ」

「えへへ、私もすごい?」

「すごい!」

「えっへん!」



 さて、美花も放心状態からだいぶ回復してくれた。まあ、それもかなりすごいことだけどね、愛の力だよ。とにかくそろそろやるべきことをやってしまおうか。

 とりあえず、美花はめちゃ強ゴブリンに制服をボロボロにされてしまったせいで、真っ裸だ。死んでも服の再生がされなくなってるし。目のやり場に困るから俺の服を半分あげようね。

 そんな提案を美花にしたところ、俺の学ラン、中シャツ、パンツ、靴下を要求してきた。確かに衣類はちょうど半分ずつだけど……。



「俺のパンツ、そのまま履くの?」

「もちろん、有夢のものなら私は進んでパンツを履くよ! むしろ履かせてほしい!」

「そ、そっか……」



 美花は中シャツを裂いてサラシがわりに胸に巻きつけ、あとはふつうに着込んだ。これでしばらく大丈夫かしらん。ちょっとお股がスースーするけど……まあ、ズボンあるしセーフ。早く服を作れるようにしなきゃね。



「ところで有夢。……拠点、吹き飛んじゃったね。今まで苦労が……」

「まあ、それ以上のもの得られたし! 別にオッケーだよ」

「たしかにそだね!」

 

 

 拠点というか、森の一部がまるごとえぐられてる感じがするけどね。ゴブリンが暴れすぎなんだよ。どっかのドーム複数個分の土地がクレーターや更地になってるんじゃないかしらん。派手にやってくれたよ。殺して遊ぶたってここまでしなくていいのにね。



「それで、ステータスはどう割り振るの?」

「もう考えてあるよ。しばらくは念術主体で戦いたいからステータスポイントはMPと魔力に1たい2の割合で振るの」



 一方、スキルは、まず基本四属性の火術、水術、風術、土術、あとたった今活躍してくれた念術を最高の「○○術・極」まで進化させ、限界まで育てる。進化に必要な魔核などはSSSランク一匹分があるから余裕で間に合うよ。

 次に生活する上で刃物が欲しいから剣術を「剣の豪」の最大値まで育て上げ、「水術・極」「念術・極」とスキル合成。出来上がったAランクの「逆流の滝剣」っていうスキルを最大まで育てた。

 あとは現在、二週間もこの世界で生活したことで、「伐採」「採掘」「石加工」「木材加工」「植物知識」「魔物知識」「料理」「建築」「探知」「隠密」「覗き見」という11個のスキルを獲得していた。特にこの中の伐採から建築までは、俺にとって大事なスキルが作れる材料となる。探知や隠密もどういったものか知識はある。で、覗き見って何だろう。



「美花、覗き見ってスキル知ってる?」

「あ、知ってる! 本で読んだことあるよ。なんかね、人の服の中や女子風呂を覗きたい男の人に発症する不名誉なスキルだとか。目に見えないものの先に何があるかわかっちゃう効果だったかな? 多分そうだったと思う。進化したら『透視』ってスキルになるみたいよ」

「ええ!?」

「もー、有夢ったら。一言くれればいつでも脱ぐのに。我慢してたんだね」

「いや、これ獲得したのついさっきなんだけど……」

「あ、じゃあ、脳みその血管を在るものとして狙い続けたから獲得したのね。なんだー」



 美花のことを覗き見るかどうかはともかく、透視というスキルなら桜ちゃんやリルちゃんが宝箱で入手したらしいから知ってる。俺がこれから念術でSSSランクの魔物たちにやろうとしていることのいい補助になってくれるだろうね。すぐに進化させて最大まで育てたよ。加えて探知と隠密も同様に「大探知」と「大隠密」に。

 残りのあのスキルを作るのに必要なもの達は、あれこれやりくりした結果、それぞれ「採取王」「観察王」「創作王」「真・料理」「真・建築」となった。真・建築を獲得するのは初めてだけど、それ以外は本当に懐かしい。この時点でもサバイバル生活において役に立ってくれるだろうね。

 残りはお絵かきするか、鍛冶屋さんするか、エンチャント作るか……お薬作るのでもいいんだっけ。このうち二つで十分。なら、お絵かきとポーションづくりで済ませちゃえば……。

 とりあえず俺は一旦、美花に今行ったステータスの調整結果を教えることにした。このあと、どんなスキルを作っていくかを一緒に決めるためにね。

 一通り聴いてくれた美花はうんうん、と頷くと、こう言った。



「透視……やっぱり有夢も好きね!」

「ふえー、違うよ……そんなことしないよ!」

「……しないと言い切れる? あ、するなら私だけ対象にしてね」

「どっちみちエッチなことに使うなら美花しか相手にできないし、しないって」

「それもそうね! 有夢だもん!」



 ……美花だけが対象にしろ、そんなことしないなんて本当に言い切れるのが、自分でも不安になってくる。いけない気持ちになったら頑張って理性でおさえつけようね。

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