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第千六十七話 解決?

「着いたねー」

「叶くんの瞬間移動ばっかりに頼らなくても良かったんじゃねーか?」

「でもあったのが楽だからね」



 メッセージでのやり取りは自粛した方がいいとのことで、俺たちは即興で作った乗り物型のアイテムに乗って帰ってきた。

 ふと、メフィラド城上空を見ると、空中に浮いてたゾンビたちがいなくなっている。幻転丸のいう通りヒュドルが倒されたからあの人たちもゾンビから元に戻ったようだ。……本人たちはどこ行ったんだろう。まさかアナザレベルに回収されちゃったとかはないよね?

 とりあえずメフィラド城の中に入る。なにやら騒がしい。



「帰ってきたよ!」

「あっ、有夢! 翔! おかえり!」

「わふっ、ショーっ!!」

「お、おおお」

「わふぇー、心配だったよう!」



 リルちゃんがものすごいスピードでショーに抱きついた。ショーはリルちゃんをしっかりと受け止め、その抱擁も人前だからと困った顔をしながら受け入れている。

 それにしてもなんだか城内に人が増えた気がする。もしかして。



「ねぇ、ミカ。もしかしてゾンビにされてた人たち戻ってきたの?」

「うん、空から落ちてきたから魔法使える人みんなの念術でキャッチしたの」

「なるほどねー」



 良かった、アナザレベルに回収されちゃったりはしなかったか。寝かされてる人たちがそれなんだろう。ミカの話だと、すでにミカたちがアムリタをかけて治療はし終えてるらしい。それじゃあ大丈夫だね。



「ねぇ、にいちゃん」

「あ、カナタ。ごめんね帰ってくるのに連絡しなくて」

「どうかしたの?」

「いやー、あとで話す……話せたら話すけど、色々事情があってね。ねぇショー」

「……ああ、ちょっとな」

「……そうなんだ。ところでその翔さんが脇に抱えてる幻転地蔵ににてるお地蔵様はなんなの?」



 そういえばショーったらお地蔵様を脇に抱えたままだから、リルちゃんがちょっと抱きつきにくそうにしてるんだよね。ショー自身もまだ持ったままだったことに今気がついて、やっと下ろした。そしてリルちゃんがショーにだきつきなおした。



「それで、なにこれ」

「カナタ、これ幻転地蔵って言ったでしょ? 本人だよ」

「……ああ、あの侍の人を封印してきたんだ」

「うん」

「封印アイテムって人も封印できたんだね」

「まあね!」



 さて、じゃあまずは幻転丸が言ってたことをしようかな。ヘレルさんと光夫さんは洗脳が解けてるはずだからアムリタをかければちゃんと治るっていうアドバイス。やってみなきゃいけないよね。



「あとはあの固まってる二人だけね……」

「あと二人もゾンビと同じように操られていたらしいから、アムリタをかければなんとかならしいよ!」

【その通りでござる!】

「……魔神と一緒で、喋れるようにしてあげたんだ」

「なんか有力な情報もってるらしいからね、仕方ないね」

「でもあの二人を生き返らせる前に、みんなに戦いがひと段落したこと言った方がいいんじゃない?」

「そだね!」



 みんなに向かって終わったと知らせるなら国王様に頼んだ方が浸透力はあるだろう。今までの経緯をすべてはなし、国王様にいったんは終わったとみんなに伝えてもらった。

 みんな、安堵してその場にへたり込んだり、誰かと抱き合って喜び始める。ミカも便乗して抱きつこうとしてきたけど、先に光夫さん達を助けるのが先だと言って遠慮してもらった。

 俺は生気なく立っているだけの二人の前に立ち、アムリタをかけてあげる。これで本当に回復してくれるといいのだけど。



「う……あ……」

「あ、ヘレルさん……ヘレルさん?」

「……あ?」

「大丈夫ですか?」

「……えっと……今は、えっと、どうなっている? アリム」

「おお、やった! 大丈夫そうだ!」



 光夫さんはまだ呆然としているままだけど、ヘレルさんはすぐに気がついてくれた。でもやっぱり姿は悪魔の時のままだ。えっと、これは本当に大丈夫だと判断してもいいのだろうか。



「……俺がやったことは覚えている。申し訳ない」

「まあ、操られてたなら仕方ないですよ。ところでその、羽根とかまだ生えたままなんですけど……」

「今引っ込める」



 そう言ってヘレルさんは悪魔から人間に戻った。……自由自在だったのかそれ。国王様達は知っていたようで特に驚いた様子はない。どこからどう察知したのか、たぶんヘレルさんの魔力を覚えていたんだと思うけど、エルさんがすっ飛んできた。お姫様のはずなのにさっきのリルちゃんより勢いが強いかもしれない。



「おっと。心配させたねエル」

「ぐすっ……うわああああ」

「あとは光夫さんが戻ればいいんだけどな」

「……なぁ、アリム」

「なんですか国王様」

「……念のために聞くが、本当にその、メフィストファレスの元の姿であるミツオという人物は、常識的な人間なんだよな?」

「はい、メフィストファレスからは考えられないくらいです」

「……そうか」



 メフィラド王国はメフィストファレス一人から散々やられてしまっている。俺自身、内心は国王様達と光夫さんを出会わせたくなかったんだけど、この状況だから仕方ない。

 噂をすれば、光夫さんの目が開いた。




####


前回はお休みをしてしまい申し訳ありませんでした。

不調の原因が判明しました。あの頃、五日間連続で朝の3〜5時以降に寝るという悪しき習慣を繰り返していたのです。そりゃまともに書けなくなって当然ですよね……。五日目、まじめに死ぬかと思いました。人は寝ないと死にそうになりますね。

あ、あと今回で合計1200話ですよ! 多すぎですね。

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