表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1199/1307

第千六十六話 二人をお迎え

 と、いうわけでカナタにお願いしてショーがいる場所まで飛ばしてもらった。ショーとお侍が座り込んでいるのが目に入る。幻転丸って人、なんでアナザレベルに従ってるかわからなかったけど、それを教えてくれるってことだよね。……もし不意打ちされて殺されたりしたら困るから、アムリタをキャンディみたいにして口に含んでおこっと。



「ショー! 来たよ」

「おう、悪いな呼び出して」

「偽の勇者でござるな」

「本当にこの人との戦い終わったの? 襲ってこない?」

「心配無用でござるよ、それに……」



 幻転丸は動こうとした。そしたらショーの身体がものすごい速さで反応をする。なるほど、ショーが俺を守ってくれるだろうと、そう言いたいわけだね。



「むふー、ありがとショー」

「へ? なにが」

「あ、無意識で動いたんだね今の。さすが。それでお侍さん、色々教えてくれるって話だけど」

「うむ、教えるでござるよ。ただ、彼奴がどこでこの話を聞いているか分からぬゆえ、こっそりと話すでござる。……その前に、そちらの現状を教えるでござるよ。拙者の仲間達はどうなった?」

「えっとね、今はね」



 ショーとお侍さんに、カオスブラックドラゴンのクロ、ニャルラトホテプのイルメ、奴隷商のヒュドル、殺人鬼の……名前なんだっけ、まあいいや。四人それぞれ倒し……というか死んじゃって、元勇者のヘレルさんと、メフィストファレスの光夫さんが治療を施そうとしたら放心状態になってしまったってことを話した。



「ほほう! つまり全滅でござるか。まあ、なんとなくこうなることはわかってたでござる。さて……ヘレル殿とメフィスト殿は二人とも生き残ってはいるでござるな?」

「うん、ヘレルさんも光夫さんも殺すわけにはいかないからね。でも、どうやったら洗脳が解けた状態で元に戻ってくれるのかわかんないんだ」

「それなら大丈夫でござるよ。双方、洗脳の源はヒュドル殿のスキル。故にヒュドル殿が滅した今、もう一度その治療とやらを施せば大丈夫でござる」

「そーなんだ!」



 ウルトさんが頑張ってくれたおかげで二人とも助けられるね、やったね。じゃあカナタにメッセージで二人にもっかいアムリタぶっかけるように言っておこう。

 そう考えていたら、お侍さんがなんか止めてきた。



「む、アリム殿。待つでござる」

「ふえ?」

「いま、メッセージを使おうとしたでござるな?」

「う、うん……ダメなの?」

「ダメではないでござるが、今後は極力控えるでござる」

「有夢、なんでもな、メッセージは今のアナザレベルによって監視されてる可能性があるらしいんだ」

「え、いつから!?」

「きっと最初からでござるよ」



 えーーーっ!? もしこの人が言ってること本当なら、俺はなんか狙われてるし、この世界でのメッセージの使用を全部見られてた可能性あるね。となると、ミカとたまにやってた目と耳を隠してメッセージを頼りに互いの体を弄るプレイとか聞かれてたかもしれないんだ……。あれ? そもそも俺って他の魔神から受けてるのと同様に日常生活すら監視されてるんじゃなかったっけ? ……俺とミカの夜の営みってどれくらいの人に監視されてるんだろ。相手にしないとミカが暴走しちゃうから控えることなんて難しいしなぁ……。



「おい、お前いま、この事件と関係ないこと心配してないか?」

「そ、そんなことないよショー! 至って健全……ではけど……」

「とりあえず普通にトズマホ使っときゃいいんじゃねーのか?」

「ダメだよ、トズマホの通話機能はメッセージのシステムを流用して作ってるから、全部筒抜けになる可能性あるよ」

「そうだったのか」

「とりあえずこんな外で話すのもなんでござるし、城まで戻らぬでござるか?」

「そうだね……って、まって、自分の立場わかってる?」

「……おっと」



 お話をするためにショーは俺を呼び出したわけだけど、たしかに内容的にみんなの前で話してもらったほうがいい。となるとこの人も連れて帰った方が良さそうだけど、さすがに厳しいんじゃないかしらん。他の敵と比べて暴れなさそうではあるけど。

 ……力を無効化したり封印したりすれば大丈夫かな? おじさんを縛る趣味は俺にはないし、ここは魔神と同じような喋れる封印でいいかな。



「封印って形でいいならお城に連れ帰ってあげるよ」

「……後々解放されるでござるか?」

「それはどうだろ?」

「まあ、致し方なし。拙者は敗者、そちらは勝者。煮るなり焼くなり好きにすれば良いでござるよ」

「じゃあさっそく」


 

 でも俺、人って封印したことないんだよね。できるかな? とりあえずそれっぽいのをイメージして……幻転丸が対象だからだろうか、またお地蔵様の形になってしまった。テキトーに作ったから変なことになってる。これでぶん殴った対象を強制的に封印できるみたいだ。とりあえずこの人の頭にお地蔵様を思い切りぶつけてみようとした。



「え、危ないでござるよ?」

「でもこれで頭ぶつけないと封印できないみたいなの」

「えー……」



 ちょっと我慢してもらってお地蔵様をぶつけた。目の前から幻転丸が消えた。



「よし、帰ろっか」

「お、おう……」



 これで味方は全員戻ってきて、敵は全員制圧できたことになるね? ヒュドルって人がいなくなったからそのうちゾンビたちも元に戻るだろうし。よかったぁ、ひとまず息をついて良さそうだね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ