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第千四十四話 VS. 3

申し訳ありません、テストが忙しいので今週中(23〜27、計2話分)は投稿をお休みします。次回は28日となります。

#####




 よし、じゃあ早速試してみよう。まずはアムリタをたった今作った爆発する容器に瓶五十本分くらいいれる。要するに水風船の、風船が爆弾に水がアムリタに互換されたものと考えていいかもしれない。そしてサクラちゃんとミカを呼ぶ。



「どうしたの? 何をすればいい?」

「これね、アムリタが詰まった爆弾なんだけど、これを直接光夫さんたちにぶつけたいんだ。まず今からこれを爆発する寸前の状態にするから、サクラちゃんはこれの時間を止めて。そのあとすぐにミカは時間自体を止めて欲しい。それからカナタの瞬間移動で光夫さんとヘレルさんの間にこれを移して、そのあとミカとサクラちゃんで同時に時間停止を解除するんだ」

「なるほど、スキルとかステータスとかによる回避でも間に合わないくらいのタイミングで、あの二人の間近でそれを爆発させたいのね」

「そそ」

「じゃあ早速やっちゃおう」



 二人に悟られないように、起爆させてすぐサクラちゃんが爆弾の時間を止める。なんかこう、一触即発って感じで危ない。時間止めてるから大丈夫なんだけど。

 


「とりあえず、はい」

「じゃあ次私ね」



 そう言ってミカは何の漫画かアニメの真似をしてるのか知らないけど、指パッチンをした。次の瞬間、俺の肩が触られる。というか口元がヒリヒリする。



「一応有夢も解除しておくね」

「ね、唇あたりが湿ってるしなんか痛いんだけど」

「そんな大したイタズラしてないよ。キスしただけ」

「そっか」

「ミカ姉、すっごい勢いでキスしてたよ」

「……そっか」



 カナタの目の前で動けない俺にすごい勢いでキスしたんだ。……いやぁ、それならカナタを解除する前にしてほしかったな。わざとなんだろうけど。……まぁいいか。



「まあまあ、それはともかく。これをあの二人の元に送ればいいのよね?」

「うん、カナタお願いね。いい感じの位置に」

「もう計算済みだから大丈夫」



 そう言ってカナタは瞬間移動で光夫さんとヘレルさんの間にアムリタ爆弾を送った。それと同時にミカはサクラちゃんの時間も解除する。



「……お姉ちゃん、すごく胸がムズムズするんだけど」

「ちょっと揉んだだけよ、気にしないで。時間止めてる間にしたことは一気に感覚が来るみたい」

「普段そのスキル使うの禁止ね」

「えー」



 スキルを悪用しないようにウチの中でルール決めなきゃダメかな? ともかく、これであとはミカとサクラちゃんが同時に時間を解除すれば光夫さんとヘレルさんにアムリタが振りかかる。

 ……あ、他の敵にはアムリタはかかっちゃダメだよね。カオスブラックドラゴンはガバイナさんと隔離されたマジックルームで、侍はショーとヘルの森で戦ってるけど、ヒュドルって人と殺人鬼の人とイルメはここで戦闘してる。



「カナタ、光夫さんとヘレルさんの周りにバリア貼れないかな? よく考えたらアムリタが他の敵に降り注いだらまずいもん」

「もうやってるよ」

「さすがカナタ!」

「……というか、この時間止めてる間に敵全員倒しちゃえばいいんじゃないの?」

「下手に攻撃してそれで倒せなかったらそれぞれ対峙してる人の邪魔になりそうだし、特にヒュドルって人とウルトさんはなんか因縁があるみたいだから一旦様子見したほうがいいんじゃない? 負けそうになってたら助ける方向で」

「有夢がそう言うならそうしよっか。とにかく桜、時間停止解除しましょ」

「うん」



 ミカとサクラちゃんは時間停止を解除した。その瞬間、アムリタ爆弾が爆発する。あの二人の周囲にだけアムリタが撒き散らされた。



「うわ、なんだ!」

「なんだ今の爆発音!」

「敵の攻撃か!?」



 さて、どうなっただろうか。

 ……うーん、普通だったら即座に元の身体に戻るはずなんだけど、二人とも悪魔の状態のままだ。確かあれって実は自由自在にオンオフできるんだっけ。アムリタにとっては異常な状態って認識じゃなかったんだね。そして少しも動こうとしない。普通いきなり水をかけられたらなんらかのリアクションとっても良いものだと思うんだけど。



「どう……なったんだろ? 特に何か変わったようには見えないけど」

「もしかして死んだ?」

「アムリタかけて死んじゃうなんてことないでしょ」

「ぎ、ぎぐぇああああああああああああッッッッ!!」

「「「へ?」」」



 あまりにも悲痛な叫び声が聞こえた。尋常ではない。その声が聞こえた方向を見てみると、ラハンドさんが対峙していたあの殺人鬼の人の体の半分か破裂したようになっていた。あの時ほどじゃないけどかなりグロいことになっている。



「な、なんだァ!? いきなり爆発したぞコイツ!?」



 どうやらラハンドさんがやったんじゃないらしい。あの殺人鬼の人は確か攻撃を回復に、デバフをバフに変える力で、さらにその力で得た自身にかかるバフは際限がない……みたいな感じだったと思うけど。……まさか。



「にいちゃん、アムリタで死にそうになる人もいるみたいだね」

「か、カナタ……何したの?」

「何したって、あの爆弾の中に入ってアムリタのうち1リットルだけを試しにあの人にかけてみただけだよ。反転する能力っぽいし、不意打ちで回復させたらどうなるのか気になって。あそこまでグロいことになるとは思ってなかったけど」

「な、なるほど……回復効果を反転して、ね」



 カナタってたまに結構エグいことするよ……。

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