表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1147/1307

閑話 お父さんとお出かけ! (リクエスト)

「えへへー、お父さんと二人きりって久しぶりだね!」

「うん、そうだね」



 地球にて、日曜日。叶とお母さんがそれぞれ別の用事で今日は夜まで家にいない。叶は株主総会へ、お母さんは友達に会いに。美花も今日は桜ちゃんの相手をするらしく翔はいつも通りリルちゃんとデートらしいので、必然的に家には俺とお父さんの二人だけになった。お父さんはよく家に仕事を持ち込んでくるけど、今日は普通に本読んでる。

 せっかくだしお話しようね。



「お父さん、アナズム満喫してる?」

「まあね、結構楽しいよ。こっちにはいない生物も観察できるし」

「何か新しい発明品思いついた?」

「たくさんね。有夢のアイテムマスターの劣化版、アイテムマイスターは便利だね。……超高級培養液とかも普通に自作できる」

「他の研究者さんにバレないようにしなきゃダメだよ?」

「そこらは抜かりないよ」



 お父さんの言う通り、最近は続々と新企画を編み出してるみたいだ。実験スピードも上がったって。

 お父さんは世界で一番大きな研究組織の日本支部の支部長兼管理人兼施設長……とにかく色々で、本部で換算しても相当偉い人。スペックは俺と有夢を足して1.5で割ったくらい。

 それにしても、アナズムのスキルがお仕事に役立ってくれるのは嬉しいんだけど……ぶっちゃけどう思ってるんだろ。



「お父さんさ、その、求めていたものの結果を簡単にアイテムとして作れちゃうの、虚しくなったりしないの? ほら、昔桜ちゃんが使ってたメガネ、あれから普通のメガネと遜色ないくらい軽量化に成功したらしいけど、本当ならあと四十年はかかる内容だったんでしょ?」

「ああ、求めていたものの完成品を作ってそれを私個人で分析しただけだからね。虚しくなったりはしないよ、私の目指すところは研究成果じゃなくてどれほど多くの人を救える物を作り出すか、だから」

「そっか!」



 まあ世間的に見たらセコイことしてるわけじゃないしね。お父さんだったらこの先、アナズムのことも隠し通せるだろうし。精神面で問題ないなら今後も活用してくれればいいよ。

 さて、そろそろお昼か。どこかご飯連れてってもらおうかな。どうせだし。味目当てじゃなくて、お出かけ目当てで。



「お父さん、お昼、お外にご飯行きたい」

「え、有夢が作った方が早いんじゃないの」

「お出かけしたいの!」

「そうか、じゃあどこ行っても有夢のに味は劣るけど、定食屋さんでも行くか」

「うん!」



 と言うわけで部屋着から着替えてくる。俺の今日のコーディネートはフード付きシャツに短パン程度の長さのジーンズ。シャツにはワンポイントで可愛いハートマークがついてる。それとニーソ。

 


「またそんな格好して……」

「いいじゃん、似合うんだし!」

「まあ息子だと思う人はまずいないだろうね、いつも通り」

「お父さんも人のこと言えないでしょ? その格好、まず四十路の子持ち男性とは思わないよ誰も」

「似合うからいいだろ?」

「もちろん!」



 お父さんの格好も俺と同じで女の子っぽい。どうして俺ら二人がこうなったかっていうと、お母さんが元凶なのだ。可愛い者には可愛いものを着させよって主義だからね。叶は幼少期に女物着させられそうになっても超全力で否定したから服装は男性としての感覚を保ててるけど。

 俺とお父さんは外に出た。この際だから甘えちゃえ。ちなみに俺は高校生状態でも見た目がこんなんだから、外で親に甘えても世間的に許される。顔立ちが幼いっていいよね。だって俺らって見た目的には完全に姉妹だからね。女装した叶と、俺とお父さんの成上家男性三人で歩くと、三姉妹に見えるの。



「こら有夢、もう17で彼女だっているのに、なんで私と腕を組みたがるの」

「いいじゃん、甘えられる時間なんて少ないし。世間の方から姉妹だって勘違いしてくれるんだから」

「もう……いつまでも甘えん坊だなぁ」



 お父さんだって自分の子供に甘えられるの好きだから本当は嬉しいくせに、一応父親のプライドとして建前でそんなこと言うんだ。こう言うとこは叶が似たのかもしれない。俺はそう言う躊躇がないからね。完全にお母さん譲りよ。

 そのまま徒歩でレストランを求めて街を歩いてて、途中でなんかアンケートを取ってる人に捕まった。



「すいません、お二人はご家族ですか?」

「はい、そうです!」

「○○TVなんですけど、家族のことをどう思ってるかっていうアンケートを行っていて……」



 話の内容を聞くに、姉妹か母娘が対象のものらしい。説明の途中でお父さんが断った。



「すいません、私たち姉妹ではないので」

「え? まさかお母さんですか!? なんとお若い……」

「いえ、それも違うんです。一応これ見ていただけます?」



 お父さんはアナウンサーの人に身分証明書を見せた。アナウンサーさんは口をあんぐりと開けている。



「え、そういう……えっと、女装趣味の……や、でも化粧厚いわけじゃないし、どういった……だからって四十路の男性……?」

「早い話、うちの血筋の者はほとんど皆、このように女の子みたいな容姿になるんです。特別何もしなくてもね。この子も息子ですし」

「えぇ……」

「服装は似合うからですよ。女装って言われたら否定しにくいですが」



 結局俺たちのアンケートは使われないそうだ。そもそも対象外だから仕方ないね。

 俺とお父さんは引き続きレストランを探して歩き回った。まあ本当はすぐ着く行きつけの店がないわけじゃないんだけど、ゆっくりお散歩するのも悪くないかなって……ね。お互いにそう思ってるんだ。なにせ俺一回死んでるからね、しみじみと感じるらしいよ、家族の時間は大事だって。




#####


あと3つでござるな!


・アリム×翔 【済】

・アリム×父親【済】

・アリム×リル【済】

・アナズム女子メンバーによる女子会(アリム有)

・有夢×翔 (出会った当初) 【済】

・翔×リル(新婚生活)

・侍(幻転丸)×翔 (武人談義)【済】

・有夢家父×カルア 【済】

・ウルト×シヴァ

・ローズ×ラハンドやガバイナ 【済】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ