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閑話 カルア姫の挨拶 (アンケート)

 本日から1000話記念リクエストでいただいた内容を書いていくでござるよ! その第一回は『有夢父×カルア姫』でござる! 以降ランダムというか、思いついた順から書いていくでござる。

今回の時系列は有夢が国王達に初めて親を紹介する辺りでござるよ!

#####




 メフィラド城にはその日、特別な客が来ていた。普段からよくこの城の姫と遊びに来ているアリムとミカや、その二人と関係があると思われる三人の賢者。その正体は別の世界から来た人間であった。そんな五人の両親がアリムの手によって別世界から召喚され、挨拶に来ているのであった。

 カルア姫はワクワクしていた。今まで出生がわからなかった一番の友人の家族が自分の家に来ているのだから。彼らはアリムから正式な挨拶がある前に城の中を探検していると伝えられたので、カルア姫はだれかと会って話してみる目的で一人城の中を歩き回っていた。

 途中、ひとりの黒髪黒目のアリムと顔がよく似た女性とすれ違う。その女性の方からカルア姫に話しかけてきた。



「どうも、初めまして。もしかしてカルア姫様ですか?」

「は、はいそうです! 貴方は……」



 黒髪黒目、髪は少し長めでアリムとよく似た顔立ちをしていた。身長は少し高めだがかなりの美人であった。カルア姫はアリムの姉であると判断し、その程で話を進めることにした。



「アリムちゃんのお姉様……ですか?」

「ははは、いえ、違いますよ。あゆ……アリムには姉妹はいませんので」

「そうですか。申し訳ありません、アリムちゃんのお母様。アリムちゃんは本来なら十六歳とお聞きしました。……とてもお若いのですね!」

「よく言われますが、私は母親でもないんですよ」



 カルア姫は思わず首を傾げた。姉でも母親でもない、となるとどの立場なのだろうかと。アリムから事前に聞いた話では、それぞれの両親と兄弟が来るとのことだったので、叔母や従姉妹でもない。

 流石にありえないだろうと思いながら、残り一つに絞られた選択肢をカルア姫は選んだ。



「あ、あの……まさかお父様……」

「そうです、アリムの父です。いつもあの子がお世話になっています」

「えっ、ほ、本当に……。あ、し、失礼しました。私思わず……」

「間違われなかったことなんてないので、気にしないで下さいよ」



 実際全く気にしていないようにアリムの父親だと名乗る彼は笑った。カルア姫はもう一度彼をまじまじと観察する。やはりどこからどう見てもリロやミュリと同い年か少し上程度の、それもとびきり美しい女性であった。



「そ、そうなのですね」

「ええ」


  

 彼はにっこりと優しく微笑んだ。カルア姫はハッとした。そしていつもアリムにお世話になっているということを伝え始める。



「……あ、あの! 私いつもアリムちゃんに助けられていて、アリムちゃんは私の命の恩人で、私にとっての一番の友達なんです。その、本当にアリムちゃんにお世話してもらってばっかりで……一生かかっても返しきれないような恩が……」

「そうでしたか。とにかく底抜けに優しいのがあの子の一番良いところですから」

「ええ、そう思います! でもアリムちゃんはそれ以外にもとにかくすごくて、えっと……なんて言ったらいいか……」

「恩とか、命を救ってもらったとかあまり気にせずに、あの子とこれからも仲良くしてあげてくださいね」

「は、はいっ!」



 アリムの親、に対して言いたかったことを伝えきれなかったが一番聞きたい言葉を聞けてカルア姫は満足した。すこし緊張が解けたカルア姫は続けていろいろ質問しようと考える。



「あの、いくつかアリムちゃんやお父様についてご質問させてもらってもよろしいですか?」

「いいですよ、なんでも聞いてください」

「じ、じゃあお父様はどういったお仕事を? アリムちゃんはあれだけ立派な冒険者ですから、お父様もなにかそういうお仕事を……」

「地球には魔物が居ませんから、アナズムでいう魔物を退治したりする冒険者はいないのですよ」

「そ、そうでしたか!」

「そして私の職業は研究者ですよ」



 カルア姫は地球の研究者がどのような職業がわからなかったので、そのまま訪ねた。アリムの父親はアナズムと地球の相違点から説明し、その上で自分の行なっていることを詳しくかつ簡潔に話した。



「なんと素晴らしいお仕事なのでしょう!」

「そう言っていただけると嬉しいです。他にもご質問は。私がわかることならなんでも話しますよ。アリムの秘密とかもね」

「じ、じゃあアリムちゃんってそちらでは普段どのようにお過ごしになられているのですか?」

「女の……あー……」


 

 カルア姫の問いにアリムの父は言葉を一瞬詰まらせた。アリムもとい有夢本人がこの世界でどのように振舞っているかを考えた故のことである。一度咳払いをしてから話を続けた。

 普段は学生をしていること、異性や同性関わらずモテていること、一つのことに異常なほどの集中力を見せること、ミカとの関係はこちらと全く同じこと、本来の年齢よりは子供っぽいことなどを大まかに。



「じゃあ……その、向こうのアリムちゃんもこちらのアリムちゃんも根本的には変わらないということですね?」

「そうなりますね」

「なんだかとてもいい話を聞けました! ありがとうございました!」

「いいですよ。これからもあの子達と仲良くしてあげてください」

「はいっ! では後でお父様とお会いしてくださいね」

「ええ」

「ではまたいつか機会があったらアリムちゃんのお話たーっくさん聞かせてください!」

「もちろん、いいですよ」



 二人は会釈をしてから会話を切り上げた。

 カルア姫は大好きなアリムのことを知れて、かなり上機嫌となった。……それ以上に、父親の見た目に驚いたままであったが。




#####

(リクエスト一覧)

・アリム×翔

・アリム×父親

・アリム×リル

・アナズム女子メンバーによる女子会(アリム有)

・有夢×翔 (出会った当初)

・翔×リル(新婚生活)

・侍(幻転丸)×翔 (武人談義)

・有夢家父×カルア 【済】

・ウルト×シヴァ

・ローズ×ラハンドやガバイナ

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