表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1117/1307

第千六話 シヴァとラーマ国王

 俺とミカはラーマ国王に指定された場所まで来ていた。メフィラド国内で一番大きな宿だ。国王様は彼にお城に泊まっても良いって言ったらしいんだけど、こんなゴタゴタしてる最中に他人が泊まるのは重荷になるだろうって断ったんだって。

 ラーマ国王は相変わらず涼しそうな格好で、宿で一番高い部屋の前に立っている。お付きの人が二人一緒だ。



「アリムちゃんとミカちゃんじゃないかぁ……!」

「お久しぶりです!」

「少し大きくなった?」



 俺とミカの頭上を交互に見てラーマ国王はそう言った。うん、どちらの世界の俺とミカもまだ成長盛りだしね、数ヶ月間で身長が伸びててもおかしくない。あんまり気にしてなかったけど。



「そうかもしれないです」

「事情は昨日知ったが、それでもここ最近活動していないようで寂しかったぞ。だがこうして元気そうで良かった……むしろよく元気だな? さすが魔神を三柱とも封印してしまうだけある」



 たしかにね、ここ一ヶ月か二ヶ月くらいアイドル活動が疎かになってるね。忙しすぎてそのことを考える余裕もなかったけど。こうして熱狂的なファンもいるんだからゴタゴタが済んだら再開したほうがいいかな。



「では、そろそろ滅魔神シヴァと対面したいところだが……その前に少しお願いが」

「なんでしょう?」

「アリムちゃんとミカちゃんの本当の年齢は十六から十七歳だと聞いた。その本当の姿に非常に興味があってな……」

「あー……でもシヴァとお話し終わってからの方がいいんじゃないでしょうか。メインはそっちですし」

「まあ頼むのは余であるからして、そこを決めるのはアリムちゃん達であるべきだな。では先に魔神と対面と行こう」



 あ、本当の姿見せるの断るのを忘れてた。でもミカも特に何も言ってないしいいか。俺にとっても別に減るもんじゃないし、女の子としてやれば。

 俺はマジックバックからシヴァを取り出した。そういえば生きているモノをそのままマジックバックに入れたことないな、今度シヴァに中がどんな感じになってるか聞こう。



「この……これはなんだ?」

「ボク達の世界で犬型ロボットと呼ばれてるものです」

「犬型ってことはネコ型や人型もあるのか?」

「そうです、魔法や魔力を一切使わずに作った人工ゴーレムみたいなものですよ。それを媒体にシヴァを封印してます」

「他の二柱は木彫りの民芸品だと聞いたが、違いはなんだ?」

「ボク達に敵対したことがあるかどうかです。シヴァは大人しかったし、好意的に接してくれるので」

「ほほう……」



 ラーマ国王はシヴァ入りロボットを珍しそうにペタペタ触ってる。起動スイッチに手を触れたりもしたけど、それは俺が起動しないと意味ないから大丈夫。



「では、話してみるか」

「はい」



 シヴァの起動スイッチを押す。この間国王様達に見せたように、立体映像が犬型ロボットの顔から写し出された。ラーマ国王達は驚き、お付きの人の一人なんて尻餅ついちゃってる。



「じ、実際に現れたわけじゃないのか?」

「はい、これは立体映像と言いまして……簡単にいえば空中に描いた動く絵画です」

「とんでもないな……あー、お前が滅魔神シヴァなんだな」



 ラーマ国王がそういうと、シヴァは彼を見ながらゆっくりと頷いた。どうやら無駄にカッコつけてるみたいだ。久しぶりの自分の居た国の王様と対面したからだろう。



「いかにも、我がシヴァだ。現ブフーラ王国国王にして導者を選びし者よ」

「すごいな……文献の通りの姿をしている」

「これはアリムちゃんがわざわざ我らの望んでる姿になるように調整してくれたものだ」

「なに、アリムちゃんの手が加えられているのか。それだけで羨ましい」

「だろう?」



 ん、まてよ。シヴァって確か、いやシヴァだけじゃなく魔神達ってみんな自分の意識だかなんだかよくわかんないものを飛ばして遠くの事柄を見聞きできるんだよね。

 となるとラーマ国王のアリム、ミカ好きは知っている可能性がある。そしてシヴァ自身もすごく俺たちのことを好いてくれている。まさか……。



「ではまずアリムちゃんの可愛さから話すとしようか、ラーマ国王よ」

「なに、余の名を知っているのか」

「魔神は広く情報を集めることができるからな」

「そうか、それでは是非。まずどれほど美しいか……」

「あの、真面目な話をしにきたんじゃなかったんだすか?」



 ちょっと怒った感じでそう言うと、二人は同時にジッと俺の顔を見てきた。そしてなぜか満足そうな表情を浮かべる。



「見たか、あの呆れたような顔」

「あ、あまり見たことないものだ……! 心の内からゾクゾクするような」

「ふっ……ああいう顔もクセになるのだ。我は話す機会が多い故、わざとふざけてあのような目線を送ってもらうことがある」

「なんと、それも羨ましい……ああ、まだゾクゾクが止まらない……!」



 俺のむすっとしてる時の目線はそんなに虜になるものなのかと、メッセージでミカに聞いてみた。するとミカも「ちょっと興奮する」とか言ってきた。もう訳がわからないね。いいよ、そんな呆れ顔にすら興奮するんだったらほんと勝手にしてよ……。ここにはまともな人はいないのか。




#####


アンケートじつは六件から進んでません。

締め切りは九日。あと三日……。

これは残り四件をどぎついイチャラブいれてもいいと言うことでござるな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ