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第千三話 メフィラド王国民とシヴァ

「これが、滅魔神シヴァ……」



 立体映像を投影してるので、シヴァ本来の姿をみんなに見せてあげられている。一応神様の一柱として、犬型ロボットのままでは嫌だったみたい。連れてくる前に姿はちゃんと出させてくれってお願いされたの。



「そうだ、メフィストラド国王、そしてメフィラド王国の民達よ! 世界一可愛くて世界一優しいアリムちゃんの御紹介に預かった。我はシヴァ、滅魔神シヴァなり」

「ち、ちょ、やめてよシヴァ……」

「本当のことなのだ、構わぬだろう」



 俺のことを孫みたいな目線で見てるらしいから、つまりジジバカってことになるね。こんな大衆の面前でいつも俺に言ってるようなこと言うのやめてほしいよ。空気を読んで「あゆちゃん」じゃなくて「アリムちゃん」って呼んでくれてるのは有り難いけどさ。



「はぁ……姿はしっかりと魔神のような厳かさはあるが……その、振る舞いの方はとても……」

「疑問に思うか、そこの貴族よ。我は何百年も封印されたまま地球にいたのだからな。サマイエイルやスルトルのように多少威厳とやらがなくなっていても仕方あるまい」



 地球にいたら丸くなるってのはどういうことだろうね、江戸時代から居たっぽいからその間に戦争とかあったはずだからむしろ荒んでもいいと思うんだけど。



「しかし、魔神のうちの一柱を別世界に送り込んで対処するとはその導者はかなりできるな」

「その通りだメフィラド国王。ちなみにその男は賢者でもあった」

「賢者にして導者!? ならば相当な力をもっていたはず。我々には導者ということしか把握できていないが……」

「それはそうだ、おそらく導者を定めるブフーラ王国の者達も知らないはずだ」

「ブフーラ王国と我々は古くから魔神や勇者等の情報を交換してきましたが、エグドルシル神樹国は全くもってそのような情報を公開しようとはしませんでしたからな……仕方ありませんな」



 今は王家の血筋が途絶えてエグドルシル神樹国もいい方向に進もうとしてるけど、王家が健在だった間は酷かったって本当によく聞く。メフィラド王国とブフーラ王国は仲が良いのに、エグドルシル神樹国だけ仲間はずれなのもそのためだね。



「少々話をずらしたまま進めるが、アリムちゃんが先程述べた神……まあ偽物ということにしておこう。その方が都合がいいのだろう? とにかく偽の神の一味にはその導者にして賢者が所属している」



 いつも通りロボットの中から話を聞いていたんだろう、みんなの前で今俺を目の敵にしてるアナザレベルを偽物って仮定してくれたのはナイス。でもそのあとの情報でみんなザワザワ騒ぎ出しちゃった。



「名は幻転丸というが……正直、我自身もアリムちゃんには敵わないと思っていた。だがアリムちゃんと近いし力を持つ、地球から来た賢者の一人がこの間、ほぼ奇襲に近かったとはいえ大怪我を負わせられているのだ」

「なんと!? いや、相当な脅威なのは把握した。それよりなぜ何百年も前の人物が偽の神に仕えているんだ?」

「偽物でも神を名乗っているのだぞ? 人間一人蘇らせるくらい軽くできるのだろうな。あともう一つ、メフィストファレス居るだろ?」

「ああ、我々の宿敵だが、アリムちゃんから話を聞いた。今は操られているとな」

「実はそいつも賢者だ」



 あ、シヴァったら味方してくれてるっていうより情報公開してみんなが騒ぎ立てるの楽しんでるな? まあ魔神の言うことだろうから確かな上に賢者や導者が敵にいるって事はみんな警戒しておいた方がいい事だけどさ。



「な、なぜ賢者が悪魔に……?」

「それは我が地球にいる間の話なのでわからん」

「あの国は一体何をしてくれているんだ……」



 何人かが口々にあの国を攻め立ててるけどそれは思うね、うん。面倒ごとのほとんどにエグドルシル神樹国が関連しているような気がするよ。いっそ、あの国の過去の王様達みんな生き返らせて問い詰めてもいいかも。



「まあ、どんな存在より凄いのはアリムちゃんだがな!」

「そういえばアリムちゃんもチキューから来ているのですよね? 賢者ではないのですか?」

「よくぞきいてくれたカルア姫。では話そう、アリムちゃんの何が凄いか! ……いいか、今告白した通りアリムちゃんは勇者じゃない。勇者の称号はない。そして賢者じゃない、地球からアナズムに送られてきたというのに賢者の称号もない。何故かは知らんがな。そして導者でもない。ブフーラ国王から誘われたらしいが、断ったと聞く」



 あ、これ情報公開して慌てふためくのを見て楽しんでいたんじゃなくて、今までの話からこの話につなぐつもりだったんだな? みんなの前で俺をべた褒めするつもりだったんだ。

 シヴァの電子でできた顔を覗くと、ウインクしてきた。うわ、やられた。



「わかるか? それなのにアリムちゃんはそれぞれを凌ぐほどの強さを持っている。我々魔神三柱全員を二度と外に出れないほど強く封印したのも、勇者でも賢者でも導者でもなくアリムちゃんだ。我々魔神はアリムちゃん一人に完敗したのだ。……要するに」



 まって、シヴァは自分から封印されに来たんじゃない。もうめちゃくちゃだよ……。



「要するに、アリムちゃんは超かわいい。わかるな?」

「うんうん」



 話になってないし。ミカもそんな思いっきり頷かなくていいから……! 




#####


アンケートはまだまだ続いてるでござるよ!!

どんどんアンケートに答えてほしいでござる!!


今日はLevelmaker第2巻のサイン本を作成したでござる!

是非見つけ次第、購入の検討を……! でも拙者もどこにあるかわからないのでござるよ。

ところてこれを読んでる方に前回の拙者のサイン本手に入れたよーって人いるでござるかね? 居たら嬉しいでござるな!

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