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第百十一話 二人での帰宅

 ミカと俺はこの宝箱に駆け寄った。



「ミカ、開けてみていいよ」

「え、いいの? 有…アリム?」

「うん」


 ミカは綺麗な薔薇の絵が彫ってある金の宝箱を開けた。

 そこから、いろいろな物が飛び出してきた。

 まずはSランク~SSランクの大量の魔核とスキルカード3枚。そして沢山の金の薔薇。さらに金の薔薇がちりばめられた輝かしい"杖"。

 杖とかいらない……。一応、それら全てを鑑定してみた。



【「金の薔薇」


・状態→ 最良

・出来→ 最高

・価値→ 宝

・材料→ -

・種類→ 薔薇

・説明

:金の薔薇。不思議な魔量をもち、この花を口にした者は5年程若返る。枯れることはない。武器、道具や薬の素材としても使える】



【「金薔薇の杖・ゴールディローズ」


・状態→ 最良

・出来→ 最高

・価値→ 伝説

・材料→ ゴールドローズクィーンドラゴンの骨

     ゴールドローズクィーンドラゴンの薔薇鱗

     フォレストタートルの甲羅大木

     金の薔薇

     エンチャント

・種類→魔杖

・説明

:魔法力+268

:回復魔法・能力上昇魔法・木属魔法の効果を伝説的に高める

:所有者の魔法による消費MPを超物的に減少させる

:壊れにくい

:常に最良の状態を保つ 】



 なるほど、ギルマーズさんが俺の作った武器を喜んでたのが今、なんとなくわかった。

 大したことなくね? 伝説の武器。 いや、確かに俺がアイテムマスターなんて持ってなかったら、これは凄いと感じたかもしれないけどさ。



「ね…これが本当の伝説級なの? なんか…アリムが作った武器のほうが凄いよね?」

「だよね」


 ミカもこう言ってる。俺もそう思う。

 二つともあまり大したことなかった。スキルカードに期待。

 俺は二つをおでこにかざして、内容をみた。ミカにも見えるように、トズマホにも表示する。



【「S-16: 光爆咆の薔薇園」

指定した範囲にいくつもの薔薇を咲かせる。その薔薇は術者の好きなタイミングで好きな規模に爆発させられる。また、魔法陣から薔薇の花弁を指定した量を出せる。その花弁全て爆発させることができる。この魔法による爆発は、火属・風属・土属・木属・光属である】


【「S-15:傀儡木翼竜召喚術 」

指定された通りに動く、木竜を召喚する。召喚に消費したMPと術者のWの値により木竜の強さは決まる 】


【「魔物の博皇★★★★ 」

全ての魔物の弱点、名前や生存地、その他ありとあらゆる情報がわかる。

知りたい魔物を、知りたいと意識すれば、頭の中にその情報が入り込んでくる。】



 どうやら、スキルカードは当たりだったみたい。どっちもSランクだし、魔物の博皇なんて大当たりだ。

 まぁ、でも魔法の内容はイマイチかな。



「ミカ、好きなのいいよ。どれがいい?」

「うーん、薔薇のほうもらってもいい?」

「いいよ。むしろ全部持っていて欲しいくらいだよ。まだスキル少ないもんね。魔物の博皇はいいの?」

「これはどう考えてもアリムが適任かな。木竜は私、別にいらないから」

「そうかな……そうだね。わかった。じゃあこの二つはボクで、薔薇はミカだね」

「ありがとっ!」



 俺らはそれぞれスキルを読み込んだ。そして金の薔薇と宝箱と杖と魔核。全てを回収した。



「じゃ、そろそろでようか。あそこの光ってる場所から出れるよ」

「あれ? ドラゴンは復活させなくていいの?」

「ドラゴンを入れれるだけのマジックルーム作ってそこで復活させるよ」

「そっか。じゃあ出ましょう」



_____

___

_



 俺らはワープホールに飛び込む。頭の中にメッセージが表示された。



【ヘルの森の「怒り」のダンジョンをクリアしました。

称号「「怒り」のダンジョン攻略者」「ドラゴンスレイヤー」「SSランク魔物討伐者」「亜種キラー」を入手しました。

印「金の薔薇の女王の森」を入手しました。

ダンジョンエクストラクリア報酬として、STP・SKPを3000入手しました。】



 ダンジョンから出て、しばらく後、ミカが少し興奮気味に話してくる。


 

「すごい! この印、すごいよ!」

「え? どんな効果?」

「自動回復速度が10倍になる上に、植物の育成が上手くなるオマケつきだよ!」

「ほう……」


 

 なるほど、これは良い印を手に入れたな。

こんど、品種改良して、お米作って栽培しようとおもってたんだよ。

 丁度いい印だ。自動回復速度10倍も魅力的。



「じゃあ、ミカ、帰ろうか」

「そうだね。あ、デートいつにする?」

「うーん、しばらくはステータスの管理でお互い忙しくなるだろうから……4~5日後かな」

「うん、わかった。たのしみにしてるよ!」



 こうして、俺らは宿屋に帰った。


 今日はドラゴンの肉のソテーを、俺が料理して食べた。

 肉は相当上物で、ほんのり薔薇の香りがする。この世界で食べた肉の中で1番美味しいかもしれない。


 そして、ミカと一緒にお風呂に入って、この日は寝た。

 明日から、おそらくステータスの管理が大変になるだろうけど、頑張ろう。

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