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第九百三十七話 大スキル合成会 3

「わーふー、それじゃあ私のスキルが試せないよ!」



 なんだ、リルちゃんの完成したスキルが攻撃されることで発動するタイプだっただけか。ちょっと驚いちゃったよ。それならショーも軽く攻撃してあげればいいのに。



「嫌なもんは嫌だぞ……! 大丈夫だとわかってても俺はリルに手を上げたくねー……それに」

「わふ、それに?」

「お前それ、攻撃した側に確か何倍かになって跳ね返ってくるんだぞ? おもいきり殴ったらどうなるんだよ……」

「ショーの筋肉なら余裕で耐えられるよ!」

「筋肉を過信するな!」



 なんてものを試そうとしてるんだリルちゃんは。筋肉主義も困ったものだね。まあ二人とも楽しそうだし問題はないんだろうけど、お話が進まないからイチャイチャしながらでもお話はしてもらおう。



「リルちゃんのスキルできたの?」

「あ、ああ。いい感じのができたぜ。まあ美花と桜ちゃんのみたいに日常生活では使えねーだろうけどな」

「わーふ、でもまだ試せてないよ。スキル自体の説明はね……」



 スキルの名前は『ヘイトペイン』。効果は、発動してる間はどんなものであれ攻撃として向けられたもののダメージやそれによって起こされる異常を完全無効化しつつ、それらを跳ね返すというもの。これを発動するには魔力を消費し、また魔力によって発動時間と跳ね返す威力の調整できるらしい。……ちなみにこれ、他人やモノにもつけることができるそうだ。普通に強いね。

 だから仮にミカが時間を止めて、その最中にこのスキルを発動してるリルちゃんに攻撃したとしてもその攻撃は全部跳ね返ってくるわけだ。異常も跳ね返せるってことは石化とか毒も意味ないのかな、すごいね。



「どうやってそんなスキル作ったの?」

「一応合成手順は覚えてるけど、テキトーだよ。ショーと私で良さそうなのをスキル入れから選んできて交互に合成したらこうなったんだ」

「そうなんだ」



 リルちゃんがそういったと同時に目の前にいるのにショーからメッセージが送られてきた。なんでも、リルちゃんにはもう怪我をさせたくないからそういうのを無効化したり即時回復したりするようなスキルを選んで渡してたらしい。ショーはテキトーじゃなかったってことだ。リルちゃんが少しでもトラウマを復活させないようにしたんだね、さすがはショーだね。



「わふー、でもまだちゃんと試せてないんだよ……実はさっきショーにはすごく軽くデコピンしてもらったんだけど、その程度だとスキルにじゃれあいとしか認識されなかったみたいで無効化も反射もできなかったんだ」

「だから本気で殴れと」

「そうだよ。ショーが紳士なのはわかってるけど、今は殴ってもらわないと」

「だからそれ俺にも帰ってくるだろーが……」



 むむむ、こまったな。つまり攻撃されてるとスキルが判断しないと働かないわけだ。本人が判断じゃなくてスキルが判断するっぽいから不意打ちとかにも対応はできそうだけど、実験するとなると難儀だよね。

 ……んー、不道徳的ですごく引け目を感じるけど、今思いついたことちょっとやってみようかな。



「じゃあリルちゃん、魔物からワザと攻撃くらったら?」

「わふー、今日は外出るつもりじゃなかったけど、それしかないかな。この会議が終わったら、私、ショーと……んぐっ」

「……な、なんでもねーよ、ただ二人で部屋にいるだけだ……」

「何するかはわかってるから隠さなくていいよ」

「……くっ」

「だからね、俺が今からEランクの弱い魔物を生き返らせるから、リルちゃんは攻撃されてみればってこと」

「ぷはー、なるほどね!」



 俺は体当たりしてくるだけのウサギの魔物、ヨクナウサギの前歯を取り出してアムリタをふりかけた。ヨクナウサギは見事に蘇る。あとは幻術を使って攻撃する相手の幻覚を見せてやり、リルちゃんに体当たりさせた。

 リルちゃんに体当たりしたヨクナウサギはリルちゃんの太ももに触れた瞬間、反対の方向に吹っ飛び、壁にぶち当たって動かなくなってしまった。生体反応もなくなっている。



「おい、やっぱり俺がリルのこと殴ってたら骨折れてたんじゃねーか?」

「反射できる威力を調節できるからね、ショーがやってきたら0.1倍程度に抑えるつもりだったよ。今のは10倍くらいだね」

「そうだったか……」

「わふー、私もショーにひどいことするわけないじゃないかっ」

「ああ、そうだな」


 

 いちゃつき始めたよ。まったく、うちに来てからどんどん俺もミカに感化されてラブラブになっていくんだから。

 とりあえずコレで全員、まあまあ戦えそうな強いスキルを手に入れられたわけだね。……結局はお父さんのスキルの組み合わせが強すぎてあんまり意味ないと思うんだけどな。前みたいにしばらくは何かあってもお父さんから遠距離で攻撃してもらうのが一番だね。

 でも何があるかわかんないし、作ったことは間違いではないね。



「それじゃあみんなスキル作れたし、今日は解散しよっか。実戦に向けて練習しておいてね!」

「わふ、今度あのサムライが襲ってきたらショーは私が守るよ!」

「わ、私はかにゃたの復讐する!」



 それぞれ強くなった理由はちゃんとあるんだ、次は、ちゃんと使いこなせるようになろうのがいいよね。

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