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第九百六十三話 転生という情報

「全員集まったようだな」


 

 騒がしくなってきた頃に国王様がそう言った。もちろん全員お口チャックするよ。



「特に忙しいであろうギルマーズとウルトはよく来てくれた」

「いいんですよ国王様、最近暇じゃいけないはずなのに暇だったんでね」

「やはりギルマーズではなかったか……」



 うん、なにがどういう経緯で『やはり』なんだろうか。それから国王様は俺とミカの方をまっすぐ見てきた。



「では大量に出現していたSSSランクの魔物を討伐していたのはアリム達だな?」

「は、はい! そうです」



 そう答えると国王様は満足そうに微笑んだ。しかしすぐに真面目な表情に戻る。



「予想通りだな。……アリム、また苦労をかけてしまった」

「……どういうことですか?」

「あのね、アリムちゃん」



 ルインさんがやってきて詳しく話してくれた。みんなSSSランクの魔物の出現にはどうやってか気がついていて、それが倒されているのも知っていたそうな。それぞれ感知スキルは持ってたんだろうね。それで誰が倒してるのか気になってたんだって。数や普通より手強いのが出現したことは知らなかったみたいだけど。ま、誰にも言ってなかったからね、仕方ないね。



「なるほどー」

「大変じゃなかった?」

「正直とっても大変でした」

「……そうだろうなアリムよ。それともういくうか聞きたいことがあるのだが」

「はい、なんでしょうか!」



 今度は国王様が語り始めた。まずは転生について。本当にびっくりしたって話だ。最初にダンジョンの魔物を全滅させてからわざと外に出ることと、転生しようとした時はビクビクしてたそうな。そして見事に20回も転生した。

 また、転生を俺のいった通り、国の重要機密にしてくれるそうだ。それに対して聞きたかったこととは、ガバイナさんとラハンドさん達が転生しているであろうほどの強さを持っているかということと、転生についてはこのお城の中にいるメンバーだけが知っているかというものだった。



「はい、カルアちゃんやルインさん以外に教えたのはラハンドさん達だけですよ!」

「それなら良かった。ラハンド達は広めたりはしていないな?」

「それは安心してくだせぇ。やばいなってことはわかってたんで。ダンジョンの活用法も転生についても」



 正直言いふらしまくってる俺の立場からしてもアナズムの均衡を崩す情報っていうのはわかるんだけど、元から住んでた本人達にとってもやっぱり相当やばいことなんだね。冷静に考えてみた感想を聞くのは初めて。いままで教えた直後のリアクションしか見てなかったからわからなかったよ。



「なんですかい、それは?」

「転生……初めて聞くな」

「国王様は既にお強いのに、なぜ修行に出かけるのかと思えば……その転生というものを行なっていたのか……」



 そう言ったのはギルマーズさんとウルトさん、そしてヘレルさんだった。そういえばこの三人には一切教えてなかったね。カルアちゃん達も転生とダンジョンについて教えたのは国王様達だけっぽいし。



「アリム、この場にいる全員に説明してくれ。それと、くれぐれも、決して他の者に口外しないように。これはメフィラド王国の最重要機密として取り扱うことにしたからな」

「じゃあ説明しますね!」



 俺はカルアちゃんやラハンドさん達に説明したのとほぼ同じ内容で話した。話し終わる頃には三人とこの内容を知らなかったエルさんやカルナさんが目から鱗が落ちてきたみたいな顔をしていた。



「た、たしかにダンジョンはそういう風にできてるけど……」

「いままで考えたこともなかったよ……!」

「だよなウルト。一回入っちまったらすぐにクリアして出ちまってたぜ。転生は手をつけてなかったが……そうか、ダンジョンのそれと併用したら……」



 なんでもギルマーズさんは自力でレベルをカンストさせてたらしい。俺が現れるまでアナズムで最強だって言われてたのがこの人だったみたいだし、すごいよね。ただ1レベルに戻るのが怖かったみたい。まあ、気持ちはわかる。



「正直、ここにいる方全員……アリムちゃん以外みんな驚きましたからね」

「話の流れからしてアリムちゃんが発見者なのか。そりゃ通りで魔神も難なく倒せるわけだ」



 ギルマーズさんはそう言ってるけど、俺の斜め後ろでヘレルさんが「じゃああの人はなんなんだ」って言ったのが聞こえた。たぶんギルマーズさんを指して言ってるんだろう。元勇者でSSSランカーでもあるヘレルさん、悪魔状態でギルマーズさんと戦って負けたからね、思うところはあるんだろうね。



「俺も子供が生まれて生活も安定したらダンジョンに行ってみようかな」

「パラスナにだったら教えても問題ないかもしれん、ウルトよ。彼女は信用できるからな……この国内の、現存している正規のSSSランクカーたちには知っておいてほしい」

「わかりました国王様」


 

 そうだね、パラスナさんも知っておいた方がいいかもね。まあ広められるのはここまでかな! 国王様やその次の世代であるティールさん、ルインさん達は悪用しないだろうけれど、その次以降はわからないからしっかり管理してほしいね!



「ところでアリムちゃんは何回転生してるの?」



 ゴッグさんがそう言った。



「500回以上ですかね?」



 みんな黙ってしまった。




#####


書籍版の発売開始からおよそ三日が経ちましたね。皆さん、ご購入ありがとうございます! 本当にありがとうございます! 感謝してもしきれないほどですよ!

もし見つけられなかった、あるいは売れきれてしまっていて買えていないという方はごめんなさい。 書店で注文するか発注するか、電子書籍版をご購入ください。

これからもどうぞ、よろしくお願いします!


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