表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1048/1307

閑話 腕と技量 (翔)

大きな騒動が一つ始まったあとのひと段落の閑話です。もう内容はどうなるかお分かりですね? (ΦωΦ)フフフ…

定期的にこういうの書かないとやる気にブーストがかからないのです。ちなみに次回も閑話です。



#####



「本当に大丈夫なのかい?」

「ああ、なんも問題はねーよ」



 別に大したことはなかったんだがな、親父もリルも有夢も心配しすぎなんじゃねーか、俺の腕が斬られちまうくらいでな。少なくとも魔神達との会話から席を外すほどじゃなかった気がするが。

 いや、もしかしたら叶君のついでに休まされたのかもしれねー。どっちにせよ俺はもう万全だ。



「わふぅ……」

「おいこら、あんまり切断された場所を舐めるなよ。控えめにな」

「だって……」

「アムリタだって使っただろ? まあ、ショッキングなシーンだったことは認めるけどよ」



 リルは前に俺より酷い目に合ってるんだがな。目の前で恋人が灰になるくらい精神にくるものはねー。だから俺はあのスルトルを絶対に許さねーんだよ。

 なんだか今は三柱の魔神揃って味方面しやがるが、シヴァはともかくサマイエイルとスルトルは絶対に信用しちゃならねーと思うぜ。……有夢は完全に封印した気になってるが、まだ余力を残してる可能性だって捨てきれない。

 そういや、今回の叶君がやられた理由は不意打ちだったからだという。ぶっちゃけ俺ら全員して……アナズムにいる間の大半が平和に過ごしてる分、不意打ちには滅法弱いからな。またひゃんなことでスルトル達が牙を向いてきてもう一度リルを灰にされたりするんじゃねーかと思うと……。



「わ、わふー! どうしたのショー。だ、抱きしめてくれるのはいいけど、ちょっと苦しいよ」

「おお、悪い悪い。ちょっと思うことがあってな」

「わふん。やっぱり武人として斬られっぱなしじゃ悔しいんだね?」

「いま……まあ、そういうことでいいぜ」

「でもあのサムライも言ってたけど、やっぱりショーだからあの斬撃を急所から外せたんだと思うよ。例えばね、あゆちゃんは強いけど、あの強さは全ぶスキルによるものだから、もし斬られてたら……」



 リルの言う通り、その件に関しては俺も俺でよかったと思っている。あのサムライは本物だ。本物のサムライなんて見たことねーけど、多分本物だ。ステータスなしでもめちゃくちゃ強え。有夢には悪いが、もし俺と同じ状況になっていたらあいつは真っ二つになってただろう、そんな気がするぜ。

 


「わーふ、とりあえず、あながち私たちアナズムの人間の主張も間違いじゃなかったわけだよ! スキルだけじゃダメなのさ!」



 たしかにアナズムの住人はスキル重視じゃなくて人としての練度、つまり俺の柔道やあのサムライの剣術のようなスキル外で身についたものを重視している傾向にある。例外は結構いるがな。俺とダンジョンを巡るまでリルもそっち派だった。

 もしかしたらスキルと練度は別物だって理解してたのかも知んねーな、アナズムの人たちは。まあそれでもやっぱりスキルを高めた方が圧倒的に早く強くなれるんだがな。



「だが実体験はしてるはずだ。それはスキルとステータスが強いこと前提の話だぜ?」

「わふぇ、そうなんだよね。結局はどっちも強くならなきゃ」



 有夢と、叶君と、俺……そうだな、この中で俺が一番弱いと今まで思い込んでいたが、どうやら相手次第では俺の方が強かったりするみてーなんだよな。

 考え方を変えた方がいいかもしれねー。いままで炎魔法が強すぎて、炎魔法でとりあえず攻撃し、手を抜きたい時から至近距離まで迫られたら投げ飛ばすって戦い方をしてたわけだが、この俺の強み二つを掛け合わせたような戦法をあみ出せば相当な強さになるんじゃねーか? 明日から筋トレを休めて、そっちの考え方を進めてみるか。



「リル、明日からちーっと試したいことがある。状況次第で筋トレの代わりにそれを続けたいと思うんだが、付き合ってくれるか?」

「わふわふ、もちろんだよ! どこでもなんでもついてくよ」

「ありがとな」



 もっとみんなを守れるような力を手に入れないと。誰一人欠けるわけにはいかねーからな。リルだってもっと安全に守れるようにならなきゃ。



「わふぅ、でもやっぱり腕は心配だよ。その試したいことって腕に負担かけるのかい?」

「だからもう腕は心配ねーって。ほれ」

「わふんっ」



 もう心配させないために、斬られてくっついた方の腕でリルの胸を揉んでやる。これが一応俺たちの間でやってるいつものことだからな、ちゃんと動くことを証明するにはこれが一番なんだ。

 エッチなことをしてやろうって気持ちはない……わけがない。



「わふふ、いつもと同じだね。力の入れ方や揉み方も寸分の狂いもないよ」

「だろ? てかそんな細かくわかるのか」

「ほぼ毎日だからね。揉まれ慣れてるさ。わふん、これなら確かに心配はいらないかもね」

「やっと納得してくれたか。あと揉まれてるんじゃなくて、いつもはリルが揉ませてるんだぞ?」

「わーふー、私からかショーからか、だいたい5割ずつくらいじゃないか」

「……ま、まあな。そういやそうだな」

「わふわふ、もう大丈夫だって認めるから続きをしようよ。ね?」

「ああ……」




#####


そういえばタイトルデザインも見せていただきましたよ!

いやぁ、よかったですよ。きっと私が書いた方で慣れてる方も納得していただけるはずです!

もうほんと、ここまで色んな方に尽くしてもらって私は涙が出そうです。感謝するしかありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ