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第九百四十六話 脱獄犯

「とりあえず、そのサムライがうちの息子に斬りかかったということは、敵側に回ったということで間違いないだろう」



 ショーの親父さんがそういった。本当にその通りだ。なんやかんや魔神を封印したりしてアナズムにとっていいことをした人なのかもしれないけれど、神さまに復活させられて俺たちに牙を剥いたということは少なくとも俺たちにとっては敵になったということだよね。となると、なんらかの対策を立てなくちゃいけないよ。



「とりあえず所持してるスキルとかを知っておかなきゃダメだよね! スルトルとシヴァ、そのサムライの特徴とかを教えてよ」

「ああ、そうだな。しかしスルトルは一度敗北し、我に至っては完敗だからな参考になるかどうか……」

「それでも情報がないよりマシだからさ! 俺らにまともなダメージを与えるだけで脅威なんだから」

「わかった」

「その前に少しいいか?」


 

 さっそく二柱がサムライの話をしてくれるというところに、あのサムライに関しては全く関係ないサマイエイルが割って入ってきた。



「む、なぁに?」

「しばらく私は会話に参加しなくて良さそうなので、この屋敷の外を眺めていたんだが……やけに騒がしいの」

「なにか異変があったってこと?」

「おそらくそうだろうな」



 なんとかそれは俺以外に様子を見てきてほしいな。SSSランクの魔物が現れたなんて反応はないし、この国に元からいるSSSランカーの人たちに任せれば……いや、それは難しいんだっけ。ギルマーズさんは各所のSSランクの魔物討伐に追われてるし、ウルトさんとパラスナさんは戦うなって俺から言ったし。カルアちゃんやルインさん達はお城からなかなか出られないだろうし、国王様達は修行中。頼みはローズやラハンドさん達になるけど、あの人たちはまだ正式にSSSランカーじゃないからこの自体に動けるかわかんない。

 つまり俺が行くのがベストってるわけね。ミカの方を振り向くと、ニッコリと微笑んで頷いてくれた。



「私とお父さん達で必要そうなこと聞いて、後でまとめて教えてあげるからいっておいで」

「ありがとう! 途中でもし聞いて欲しいことできたら連絡するよ」

「わかった! いってらっしゃい」



 さすがミカはわかってるよ、俺のお嫁さんなだけあるね。へへん。ほんと、いつのまにか何重にも広がってしまったこのゴタゴタを早く済ませて、存分に心置きなくいちゃつきたいよ。

 俺は屋敷から外に出た。サマイエイルの言う通り、確かにそこかしがざわざわしてる。なんだかみんな怯えてる感じかな?とりあえずお城の門の前まで行って、門兵さんにお話を聞いてみることにした。



「あの、すいません!」

「なんだこんな時……あ、ああ! アリムちゃん!」

「よかった、アリムちゃんがきてくれたか……」

「なんだか騒がしいのでお話を聞きにきたのですが、なにがあったんですか?」

「実はですね……」



 兵士さんから語られたのは、おそらくこの国の住民にとってはとんでもないことだった。なんでもメフィラド王国で一番の牢獄で捉えていた元SSSランカーである犯罪者が絶対的に脱獄が不可能な状況で、いままでやれなかったにもかかわらず唐突に脱獄できてしまったのだとか。

 その元SSSランカーはこの国の裏社会を牛耳っていた男で、主に奴隷商をしていた。……つまり、あのウルトさんが英雄と呼ばれるきっかけになった人ってことだ。それってやばいじゃない、確実にウルトさんに復讐にきたりするでしょ?

 しかも、脱獄してすぐに暴れようとしたいたように見えたにもかかわらず、鎮圧しようとしにきた部隊の目の前で暴れる前に一瞬でどこかに消えてしまったのだとか。いま捜索中らしい。

 SSSランカーの犯罪者で裏社会を牛耳っていたなんてやばい人、厳重に管理しないはずがない。つまり誰かが脱獄できるように手引きしたかもしれない。そして、一瞬でどこかに行ってしまったなんてそんなさっきのサムライと同じようなこと……。こんなのわかりやすすぎじゃないか? 俺たちがいま追ってる対象が、何かに利用するためにそのポイズンマスターの非道な人を脱獄させたとしか思えない。



「わかりました、ボクは今ちょっと色々と手を離せない状況なのですが、アイテムで捜索に協力します」

「それはありがたい……!」

「ぜひよろしくお願いします。ところで今日はカルア姫様にお会いになりますか?」

「おいバカ、今忙しいって……」

「あ、そうだった……」

「ごめんなさい、もしカルアちゃんが寂しそうにしてたならSSSランクの魔物を討伐するのに忙しいんだって伝えといてください」

「承知しました」



 ふぅ、とりあえず人工衛星に一定以上の魔力を持つ人間の情報も掲示するように機能を追加しておくか。そうすればサムライが現れたり、その元SSSランカーが出現したりしてもその場所にすぐ迎えるだろうしね。

 しっかし、人間もSSSランクの魔物と同じように対処しなきゃいけなくなってきたなんて……ほんとに疲れるなぁ。




#####


書店などで配布するらしいのですが、おそらくお仕事の一環としてなんと私、サイン書くことになりました。

サインだなんて、本当にそれっぽいですね。どんなサインがいいですかね?

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