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第九百三十五話 不定形

「今日も来るのか」



 カナタがそう言った。大事な話をしてる最中だったから迷惑極まりない。今日くらいは来なくても良かったんじゃないの。それに、今日、ミカの予感していたことが魔神達による黒幕らしき神さまの紹介だけじゃない気がするんだ。このSSSランクの魔物との戦いで何かありそう。



「毎日大変だな」

「うん、そろそろ一週間。日課になっちゃいそうだよ」

「マァ、話は後にしてソッチ優先させろヨ」

「言われなくても」



 ここで作戦を立てたりするのは場所が狭すぎるので、いつも集まっている食堂へと移動した。早速モニターでどんな魔物が現れたかを確認する。

 ……スライム以上に不定形のやつ、なんか全身炎のやつ、フード被ってる人型のやつとかがいる。現れた数は五体。数自体は昨日となんら変わりはない。こういうのって大抵、不定形のやつが一番強かったりするんだよ。俺はそいつにしようね。



「俺はこのなんかよくわかんないやつを倒すとしよう。カナタはどうする?」

「じゃあ炎の塊みたいなのにしようかな」

「なら俺はフードをやるぜ。あとの二体はどうするんだ?」



 残り二体は多分、普通のSSSランクの魔物だろう。お父さんが名乗り出たのでゴーレムの進化系のような魔物を任せることにして、もう一体のとても大きな鳥はお留守番してもらうつもりの女子組の新しい武器をロボットモードにして向かわせることにした。



「もう倒すことばかり優先で、素材集めは考えなくていいからね」

「おう」

「わかった」



 よし、じゃあ被害が出ないうちに出発しちゃおう。その前にもう一つみんなに忠告しておかないと。



「そうだ。なにか危険が迫ってきたら、みんな全力で逃げてね?」

「あ、ああ、そうさせてもらうが……急にどうした?」

「いや、ちょっとね」



 ミカが嫌な予感を発動させているなんて聞いたら、当たる確率が高いことを知ってるみんなは必ず慌てちゃうはずだからあまり詳しく言わないほうがいい。不安がって逆にいつもの実力出せなくなったら困るし。それにカナタがいるから万が一のことがあっても大丈夫だとは思う。



「じゃあ行ってくるね!」

「全員無事で帰ってきてね」

「もちろん」



 カナタの瞬間移動で俺たち四人とロボット複数体はそれぞれ持ち場へと飛ばされた。

 俺が降り立ったのは地上。目の前には不定形のグネグネした魔物。ただ、前に戦ったガタノトーアみたいにものすごいオーラを放っている。やっぱり強いタイプのやつなんだろうな。

 グネグネは俺のことに気がつくとこちらに向かってきた。大きさは大体、7メートルくらいかな。SSSランクの魔物としての反応がなかったら本当にただの大きな金属スライムなんだけど。



「グボアアアア」

「ん?」



 なんだかいま、一瞬だけ怪しげに笑ったような気がしたぞ。正体不明の魔物だからそういうこともあるのかもしれないけど。



「アナタ、可愛いですね」

「……喋れるの?」

「モチのロンです。ああ、羨ましいですね。まさに、お世辞なしで絶世の美少女ではないですか」



 喋れることには驚いたし、しかもなんか口説いてきた。グネグネはさらに俺に近づこうとしてきている。用心したほうがいいよね。



「あ、ありがと! よく言われるよ」

「いいですね、アナタの姿、ほしいです」

「……どゆこと?」



 なんと、グネグネの姿が俺に近づくにつれてどんどん縮まって行く。さらにはなんだかちゃんとした形が形成されていってるみたいだ。7メートル前後だった大きさは、今では3メートルくらいしかない。

 そして俺の目の前までやってきた時、それは俺の身長と同じになっていた。しかも、見た目は白黒写真から俺をそのまま取り出したみたいな感じ。どうやら姿を真似るタイプの敵だったみたいだ。

 ゲームではよくこういうのはいて、強い味方に変身されて全滅したなんてことはたまに聞く。しかしそういう敵って大抵は雑魚モンスターとして出現するもの。普通に倒す分には苦戦しない。

 でも、今目の前にいるのは並のSSSランクの魔物よりさらにつよいと思われるSSSランクの魔物。



「ふふん、ほうほう。これは中々ですね」

「……む、真似するのやめてよ」

「どれ……」

「う、うわぁ!」



 白黒のアリムは自分の服をまくって体を確認し始めた。そして自分の胸やらお尻やらをペタペタ触ってる。……モニター以外には見られてないよね? 思いっきり恥ずかしいところ外にさらけ出してるんだけど……。



「やめてよ!」

「発育が楽しみですねこれは」

「うるさい! そもそもボクは君を倒しにきたんだ。そんな痴女みたいなこと続けるんだったら今すぐ叩っ斬るよ!」

「なるほど、そうでしたか。……いいですよ、始めましょうか。私……ううん、ボクは一人でいいんだよ」



 なんと、俺の魔力とかを感知してるだろうに、そのまま立ち向かってくるのか!



#####


 今日は閑話を書こうと思ったのですが、今の話的に閑話がすごく書きにくくて難儀しています。今までは息抜きに閑話を書いていたのですが、本編を書いた方が楽な状況なのです。まあ、そのほうがいいっちゃいいんですが。

 

 書籍化作業して二作品連載するのも大変なんじゃないかとよく聞かれますが、大丈夫です、やれてますᕙ( ˙-˙ )ᕗムキッ

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