表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1032/1307

第九百三十四話 呼び出す条件

「でもどうにかするったって、どうすればいいのさ」



 神様と接触するなんて方法、教えてもらわなきゃできるはずもない。実際、魔神達でも封印を解かなきゃいけなかったり、別世界である地球に行ったりしなきゃならなくて、故意に会うつもりなら相当な手順を踏まなきゃいけなかったもの。



「魔神達の特権で気軽に会えたりしないの?」

「神様同士なのよね?」

「人間同士だってそう簡単に会えない人物はいるだろう。すまないが神だって同じだ」



 ふーん、そんなものなのか。でもなだめたい対象がどこにいるかわからないのに助けてって言われても困るよ。



「じゃあ俺は何をすればいいのさ」

「アイテムマスターだろ、なんとかできないのか?」

「人を生き返らせたり、まあたしかに色々やってきたけど、できないことだって結構あるよ。時間巻き戻したりとか」

「……でも、にいちゃんのいう通りこんな分からないことだらけじゃ、本当に対策のしようもないよね……」



 それがわかるまで俺達は防戦一方になることを強いられる。今はまだなんとかできてるかもしれないけど、今日もまたSSSランクの魔物が現れるかもしれないし、もっと酷くなって強い部類のSSSランクの割合が増えたりしちゃうかもしれない。

 早い事どうにかしてアナザレベルを止める方法を考えなくっちゃ。



「……実は、本来なら出会う方法が、我らが知る限り一つだけあるのだ」

「なんだ、あるなら早く言ってよ」

「我々三柱が同じ場所にとどまることだ」

「オレ様らが三柱集まったら復活する手筈なんダゼ」



 ん、魔神三柱が一つの場所にいること? ……現状、魔神達は一部屋に留まってる。それって一つの場所に三柱が集まっていることと同じ。ならアナザレベルの召喚条件的なものはすでに完成しているということになる。

 同じ部屋に魔神達を置いたのは誰だ? そう、俺だ。もしかしてこれって俺のせい? ……俺のせいなのかな。



「じ、じゃあまさか、俺が三柱をこの部屋で一緒にしちゃってるから……っ」

「そんな泣きそうな顔をしなくても大丈夫だあゆちゃん。一つの場所というのは、人に憑依あるいは本来の姿で三柱が揃うか、封印媒体を同じにするかのどちらかだ」

「ナンツー嗜虐心を煽る小動物のような顔をしてヤガル……。ともかく、別々のものに封印されているからアイツを呼び出すことにはなってネェヨ、安心しろ」

「だからこそ私達も困惑しているのだ。なにせ、私達はこうして封印されているのだから」



 嗜虐心を煽る小動物ってなにさ、普通に可愛いって言ってくれればいいのに。それより、呼び出す条件を満たしてないのにアナザレベルが出現してるから魔神達も困惑してるし会う方法もどこにいるかもわからないってことなんだね。それなら仕方ないよね。

 俺も昔、あるRPGをプレイしていた時に召喚条件を満たしてないのに裏ボスの一匹が突然出現するバグに遭遇したことあったっけ。そういう感覚なんだろうなぁ。あの時は序盤でレベル99にしてたおかげでその裏ボスは撃破できたんだけど、案の定フリーズした。バグの発動条件を俺個人で徹底的に調べてそれをまとめた動画ごとゲーム会社に報告したら限定グッズがもらえたのはなかなかにいい思い出だ。



「つまりほんとうに不測の事態だってことなんだね」

「ああ、理解してくれて助かる」

「でもそれじゃあ尚更どうしたらいいのかわからないよ」

「……なあ有夢、この世界にも過去の文献などはあるんでしょ? それこそアナズム中の魔神とその神に関することを調べ上げるしかないんじゃないかな」



 お父さんがそう言ってきた。たしかにそれは一理あるし、理由を話せば俺が今まで魔神を封印して得た信頼も相まってそれぞれの国の王様達は協力してくれるだろう。国王様にちょっと前、国立図書館の本すべてを調べさせてもらったように。同時にパニックにはなるだろうけどね。となると今まであまり調べてこなかったアナズムの宗教のことを考えなきゃいけなくなる。

 幸い、宗教に深入りしてそうな知り合いはそこそこいるんだ。人脈が広くて助かったよ。その点ならなんとかなりそうだ。



「わかった、お父さんの言う通り調べ尽くしてみるよ」

「それはいいんだが、私からしたら人間が記している私達の記録などたかが知れているぞ。真実が三割、嘘や誇張や虚偽は七割程度だ」

「それにオレ様達が知らないことを人間がわかるはずがネェ。もし知りたいことがあればできる限り協力してやるから、あんまり時間の無駄はしネェことったな」



 むむ、そういうものなのかな。分身体である当の本人達が言ってるしそうなのかもしれない。でも何か手がかりがないわけじゃないはずだから調べるだけ調べたほうがよさそうかなぁ。



「わふん、なんかなってない?」

「あっ!?」



 リルちゃんがそう言ったことで気がついた。やっぱり今日もSSSランクの魔物は出現するみたいだ。昨日までと同じように、アラームが鳴り始めてる。



####


昨日の「元小石」に続き今日も翌日投稿になってしまいました。

あまり作り慣れてない手羽先を作ってたら時間かかったのです……。

そういえばもう10月ですね。そろそろ半ばでもありますか。

発売まであと2ヶ月……私自信ものすごく楽しみなのです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ