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第九百三十二話 アナズムの神さま

「つーか、アイツが生み出したのってステータスだけじゃネェーシ」

「え、他にもまだなんか作ってるの?」

「アア、オレ様達だ」

「……魔神もかぁ」



 なんとなく予想はついていたけれど、このアナズムの不可思議な存在は大体創造してるということになる。まさに創造神って感じだね。



「じゃあ魔神であるシヴァ達はその俺らがアナズムに来た時に案内してくれた存在の子供か何かってことか?」

「子供とはちょっと違うな。分身体か分裂体か、そんな感じだ」

「じゃあそのアナザレベルが今なにしたくて破茶滅茶してるかわかるの?」

「それが、わからないのだ」



 シヴァは首を振りながらサラッとそう答えた。わからないんじゃ意味ないじゃないか。半ばそれを聞きに集まったようなものなのに。



「……魔神達よ。とりあえず今起こっている現象の原因がアナザレベルという神の仕業であるということはわかった。それで、なぜ有夢君を始め、私達を呼び出したんだ?」

「親父のいうとおりだぜ。何か解決策があったりするから呼び出したんじゃねーのかよ。それがわからないって……」

「ああ、そうだ。わからないから呼び出した」


 

 ショーと親父さんの問いに今度はサマイエイルが答える。わからないから呼び出したってことは……どうやら思っていたより大変なことっぽいな。



「まずアナザレベルの名前を出した理由だな。SSSランクの魔物を一斉に呼び出すなんて所業、アレにしかできないのだ」

「だが、オレ様達はアイツがなにしてーのかわからネェ。スンゲェ強大な力を持っているやつがなにしてるかワカラネェんだぜ? 怖ェダロォよ」

「今のペースでSSSランクの魔物を蘇らせ続けたら、それこそアナズムは崩壊するだろう。私達三柱を封じ込めた勇者、そしてその力に近しい者達である汝らにどうにかしてもらおうと考えたわけだ」



 すんごい力を持った存在が目的もわからずに力を振るい続けてて、このままじゃアナズムが危ないから助けてほしいってことか。サマイエイルの言う通り、たしかに俺ならなんとかできそうな気もしなくはない。

 ……まてよ。なんか言ってることおかしくないか? どうして自分の能力でミカを含めたメフィラド王国の城下町の国民とお城の人たち全員を殺したサマイエイルがアナズムの危機だからなんとかしてほしいだなんて言ってるんだ?

 俺は意義を唱えようとした。でも、それより先にショーがおんなじような疑問を投げかけ始めた。



「バカ言ってんじゃねーよ。アナズムを救うために俺らを呼び出したってことだろそれ」

「………まあ、そうなるな」

「シヴァはともかく、一時はアナズムを滅ぼそうとしていたお前らがなんでそんなこと言ってんだ?」


 

 スルトルとサマイエイルは顔を見合わせ、首を横に振った。やれやれ、という態度をとってるって言うのが一番正しいかも。

 


「私は、私に仇をなしそうな存在すべてを消そうとしただけだ。このメフィラド王国を統治しているメフィラドの血筋さえいなくなれば、私は封印されずに済むからな」

「俺も同じ理由ダゼ? ま、俺は天敵の血筋を絶やすことには成功したケド、まさかサマイエイルの勇者がオレ様まで倒しに来るなんて思わないジャン?」



 ……なるほどね、滅ぼすつもりは本当はなかったってわけ。伝説とか伝承ではそんな感じのこと書かれてたような気もするけど。そのついででミカやリルちゃんは一度殺されたわけだ。へー…ほー……ふーん……。



「ま、まて、あゆちゃんもショーも身を乗り出すな。お、親御さんもそんな顔で睨まないで……ほんとすまないと思ってる、この通りだ、我に免じてこの場は一旦静まってくれ!」



 気がつけば大体の人が怒ってるようなそぶりを見せていた。当たり前だね。シヴァが今そう言わなかったら、俺ももしかしたら明日くらいにはスルトルとサマイエイルからもっともっと自由を奪ってたかもしれない。



「あんまり刺激するようなことを言うな……」

「すまねぇ、ツイ」

「我々はたしかに神だが、あの子達には敵わないんだぞ。それにこれから忠告とお願いをするんだ。立場をわきまえてくれよ」

「……わるかった」



 シヴァと戦ったことないから俺より強いかどうかはわからないけどね。前々から思ってたけど、「我」って一人称の割にはあの三人の中で一番苦労させられてる感じがするよ、シヴァって。



「すまない、本題を続ける」

「でも俺としてはどうしてもアナズムを救うためっていうのが本心だとは思えないよ。……なにか別にあるんじゃないの?」



 カナタがそう言った。カナタがそう言ったってことはそうなんだろう。シヴァはギョッとした顔を一瞬だけ浮かべたけれど、すぐに真顔に戻った。流石に俺らを生まれた時からずっと観察していただけあってカナタが突っ込み入れるのは想定していたのかもしれない。



「その通りだ。……デイスが消えたのだ」

「ま、それが一番の理由ダヨナァ」




#####


そういえば、書籍化することになって、単行本作業をする前まではレベルメーカーのストックは五十話ほどあったのですが、実はそれ、全部なくなって、今ではその日の分をその日に書いてます。

この文章も投稿してすぐに読んでいる方にとってはデキタテホヤホヤなわけです。

そんなわけで、最近投稿している時間が12時近くになってます。

2年以上前から言っていますが、投稿が止まることだけはあり得ないので安心してください。

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