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第九百二十一話 多すぎSSSランク

 今日は何をしようか。

 ミカが悪い予感がすると言った日まであと2日になったわけだけど……。どうにもその予感が当たりそうな予兆ばかりだ。

 SSSランクの魔物はもちろんのこと、各地でなんとかできているようなので俺らはあまり対処はしてないけど、SSランクの魔物も確実に?増えてるんだ。というか数だけならこっちの方が増えてる。

 村や町に近づいていれば監視衛星が足止めしてくれてるから、今のところ冒険者以外の負傷者はいないようだし、死者なら一人も出していないのはいいんだけど、もしこのペースが1年続くなら本当にアナズムは滅びちゃう可能性すらある。


 それに、SSSランクの魔物の強さも問題だ。とうとう、俺の殺す気で撃った一撃を受けて耐えてしまう奴が現れてしまった。さらにこちらに攻撃できる手立ても持っていた。あんな魔神より一歩劣るくらいの強さを持つ奴が今後も出てくるのなら、新たな対策を考えなければならない。


 なんだか準備すべきことが見えてきた気がする。そうだな……その最悪の事態が仮にガタノゾーアレベルの魔物が一気に50匹くらい出てくることを想定して何かすればいいんじゃないだろうか。

 ともすれば必要なのはステータスが不要で、それを持ちさえすれば一般人さえ戦うことのできる武器とか……? 一撃でSSランクの魔物を倒すことができるレーザーを放つ新たな衛星とか?

 どちらも現実的じゃないけど、SSSランクの魔物が山ほどある今、できなくはないんじゃないかしらん。

 ……つい4日くらい前の暇だとか言ってた時間がもはや懐かしい。



「そんな思いつめた顔しないの」

「ああ、うん。でもこうなるとね」

「頑張る理由はわかってるから、でも、もうちょっと余裕を持とう? アップアップになっちゃうよ」

「それもそうだね」



 隣に座ってきたミカを抱きしめる。昨日裸エプロンをしてたのは俺を癒す目的が主だったらしいけど、まあ、なんであれミカにだいぶ救われているのは本当だ。



「ね、胸でも揉む?」

「昨晩たくさん揉んだよ」

「でも落ち着けるかもよ?」

「今は抱きしめてる方がいいかな」

「そっか」



 辛そうに見えるかもしれないけれど、案外、ゲームに置き換えて考えるとごく当然なイベントのような気がしてくる。この感覚はどう考えてもゲームをやりすぎた俺だからこそなんだろうけれど。

 もし強大ななにかの現象が起きるとして、世間で勇者として崇められてる俺がなんとかするのは……真っ当な気がするんだ。

 あーあ、こう、SSSランクの魔物が大量発生するなんて現象的なものじゃなくて、いっそのことラスボス1匹現れて暴れまわってくれた方が楽かもしんないなー。俺より強かったら困るけどね。



「キスしてもいい?」

「いいよ、しよう」



 俺とミカは口を合わせ、舌を絡ませる。やっぱりイチャイチャするのが一番落ち着くね。

 そういえば今はみんながいるからいいかもしれないけど、もし、地球人がアナズムに俺一人で、今みたいなキッツイ状況になってたらどうだったんだろう、今頃。 ……それこそお手上げ状態だったろうなぁ。 

 やっぱ、ドラグナーストーリーの1の主人公みたいに、たった一人で世界を救うってのは至難の業だと思う。こうして甘えさせてくれる人もいないしさ。



「ぷは! そうだ、今夜はどうするの?」

「今夜も昨日や一昨日と同じ夜を過ごそうね」

「えへへ、そうこなくっちゃ」



 ミカがとびきりの笑顔を浮かべた。もう何日連続かも忘れたけど、疲れる気配はなさそうだ。相当疲れた時はアムリタで無理やり回復してるし別にいいけど。

 


「あ、もっかいキスして!」

「うん」



 唇を近づけたその時、トズマホがなった。またSSSランクが来たお知らせだ。正直このお知らせが来るたびに面倒くさいと思うと同時に、アナズム全体に衛星を置いといて大正解だったと思うんだ。

 ミカやショーやカナタがこの世界に来てくれたことと同様に、もしこれをしてなかったと思うと、寒気がする。一体何人、いや、何十万人が被害にあったことが。



「はぁ……」

「本当に多いわね」

「うん。で、今日は何匹なんだろ……」



 トズマホの画面を確認すると、赤い反応が5つあった。これはつまり、SSSランクの魔物が同時に5匹現れたということ。

 まるでゲームのラスボスみたいな存在が一気に5匹。世界が終末するんじゃないかってレベルだよ、たぶん、普通の人から見たら。そんなのって有りなんだろうか。幾ら何でもめちゃくちゃだよね……。



「うわっ……!」

「このお屋敷に住んでる人全員呼ぼう。これは流石に大人数でなんとかしなきゃ」

「そうね」



 俺は全員に向かってメッセージを送った。この部屋に全員入れはするけど、流石に不便だと思うのでいつも集会場所にしたりしてる食堂に集まってもらうことになった。

 緊急事態だからということもあって、おもいおもいに過ごしていたはずのみんなはすぐに食堂に集結した。もちろんSSSランカーじゃないリルちゃんの両親もいる。

 さて、今日は多すぎるSSSランクの魔物をどう対処しようか。

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