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第九百十七話 イチャつきとお父さんの趣味

「おはよっ」

「ミカおは……あははは」

「むぅ、なんで笑うの!」



 そりゃ朝っぱらから裸エプロンしてたら笑っちゃうよ。なんて反応したらいいか迷って、笑うという選択肢を選ぶんだ。

 どうやら昨日も盛り上がりすぎてしまったみたいだね。うーん、忙しくなきゃいけないはずなのに、性が乱れてる……ま、俺達だし仕方ないさ。



「ごめんごめん」

「もうちょっとで朝ごはんできるからね! それとも私にする?」

「どっちも同時に食べよう」

「やんっ」



 たぶん、ミカがこのような行動に及んだ経緯は昨晩の余熱と気まぐれだと思うんだ。思いつきで1か月に1回くらいこういうことするの。朝から目のやり場に困る。見ないんじゃなくて、どこ見てもいいから迷うっていう意味。



「えへへ、口移しで食べさせてあげるねっ……」

「今日はべったりだねぇ」

「昨日、夜伽の前に思ったのよ。嫌な予感がする日までもう半分だから、今のうちにやりたいことやるべきなんじゃないかって」

「なるほど」



 実際、SSSランクの魔物が現れる数が増えたりして、予想通り今日から3日後に何か起こってももはやなにも不思議じゃない感じがしているし、それもありだ。

 しかしミカのやりたいことが裸エプロンとは。昔は清楚の塊のような女の子だったのに……こんな風に変えたのは誰だ! 俺だ! いや、俺だけでも限度があるから本人の潜在意識が付き合ってから出て来てるだけだと思うけど。



「ぷはっ……」

「んふふ……ど、目玉焼き美味しい?」

「うんうん」

「それじゃあ今度は私にも食べさせて? それとも私を食べ___」



 ミカがそう言ったその時だ。俺の頭の中にメッセージが送られてきた。たぶん、ミカにも送られてきたんだと思う。お父さんからだった。



【おはよう、10時になるから連絡させてもらうよ】

【お、おはようお父さん!】

【いきなり本題に入らせてもらおうね。なんでも巷じゃ、SSSランクのモンスターで溢れているんだってね?】

【う、うん、そうだよ】



 俺が受け答えしてるからミカは黙ってる。というより黙って俺に抱きついている。お父さんは送ったメールだけで今の俺の状況を把握できるような人だからこのままで居られると結構まずい。ちなみにカナタも似たようなことができる。



「ミカ、もしかしたらお父さんこっち来るかも知れないし、ちゃんと服着てほしいな」

「むぅ、わかった」



 ミカは渋々俺から離れ、着替えを始めた。これでなんとか大丈夫だろう。たぶん。



【あれ、もしかして美花ちゃんと何かしてた?】

【キスをしてたんだよ】

【そっかそっか。仲良いみたいで何よりだ。ところで話の続きは直接言ったほうが早いことばかりなんだけど、二人の部屋に母さん連れて行ってもいいかな?】

【うん、いいよ】

【じゃあ行くよ】



 俺は起きた時点でまさか美花が朝から構えてるのは思わなかったから、起きてすぐから普段着を着てるし大丈夫。ミカも着替え終わったみたいで、普段通りのセンスのいい服を着ている。



「そんな不満そうな顔しないの。むしろ突然すぎて俺の方がミカに驚いてるくらいなんだから」

「そういう気分の日だったの……」

「わかるよ、わかる。また午後、こういうことしようね。まずは父さんが来る前に朝ごはん食べちゃおうか」

「うん」



 3分後にお父さんとお母さんがやってきた。その3分の間に朝ごはんを食べ終えてお皿も洗う。もう午前10時なのに朝ごはんが机に乗ってたらちょっぴり怒られそうだからね。



「やあ、邪魔するよ」

「いらっしゃい、お義母さん、お義父さん!」

「もーやだー、そんなこと言われたら照れちゃうじゃないミカちゃん」



 俺はやってきた二人を部屋の中に入れた。

 相変わらずお母さんとお父さんも仲が良さそうだ。やっぱりこっちでは高校生程度の年齢にしてあげたはずなのに地球と見た目が変わらない。



「まず本題から入ろうか。そのSSSランクの討伐、お父さんもやりたいなーってことなんだけど。SSSランクとはまだ戦ったことないから、どんなものなのか知りたいんだ」

「いいよ! 変に危ないことしなきゃ反対はしないよ」

「ありがとう、じゃあもしSSSランクの魔物を発見したら教えてね。……どうせ有夢のことだから今の事態のために、アナズム中でSSSランクを発見したら知らせる機械とか作ってるんだろう?」

「うっ」



 教えてないのにわかられてる。さすがはお父さん。下手したらさっきのメッセージ中に裸の付き合いをしてたこともばれてるんじゃないだろうか、やっぱり。……言わないのは優しさかもしれない。



「雷をあれだけ制御する機械をこっそり作るぐらいだからねー」

「一人で、いや二人でかな? とにかく頑張りすぎよ。危ないことしちゃいけないって言葉、母親としてそのまま返すからね」

「う、うん」

「ところで、スマホ鳴ってるけど」



 お父さんに指摘された通りだった。もちろん、鳴っている内容はSSSランクの魔物の出現……。




#####


イチャイチャしすぎてるやべーカップル



 

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