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第九百十二話 アムリタ製作と魔物

「今日はたくさんアムリタを作るよ」

「なるほど、それは悪くないわね」



 朝起きて朝食を食べてから今日の予定を告げる。アムリタはいくつあっても足りないくらい必要なもの。

 ミカが嫌な予感がするというから約1週間設けた準備期間だという割には、客人を招いたりミカとイチャイチャしてばっかりで準備らしいことは何もしてなかった。

 そもそも的中度がすごく高いとはいえ、予感で1週間も仕事を休むって相当だと思うけど、地球であった出来事と、アナズムで今起こってる現象と、俺の考えたことがあるから従わざるを得ないんだよ。



「アムリタ製作って神組級アイテムだし手作業じゃなきゃダメだよね? どのくらい集中するの?」

「昔は学校の授業を聞くのと同じ程度には集中しないとダメだったけど今は片手で半分寝ながらでもできるよ。ステータスカンストしてるし」

「じゃあ私が有夢にべったりくっつきながらでもつけれるわけだ!」

「そうなるね」

「やった! 邪魔にならないように甘えるね」



 ミカは俺の背中に抱きついた。これはむしろ邪魔になるだころかやる気が出てくる。片手でダークマターで作り出した薬草を握り、ちょっと暇な日につくった神具級のポーション製造機と自分の器用さで精錬して行く。素早さも相乗して1秒間に3本できる。

 この1時間で8000本はできるものが、たった1滴で生き物の命を時間に限らず自由自在にすることができるのだから恐ろしい。



「相変わらず鬼気迫る速さで作るわね」

「3時間も作り続ければ十分な本数はできるでしょ」

「さらっと3時間もやるっていうあたりが流石よね。普通の人は飽きそうなものだけど」

「まあ、集中力と持続力と……発想力はたくさんあるからね」

「んふふー知ってるぅー」



 俺はずっとアムリタを作り続けるだけだったけど、ミカは俺といちゃつくにも同じ姿勢ばっかりだと飽きるのか、最初の1時間は姿勢を変えたり俺の服と自分の服をまくって密着したりしていた。

 しかし残り2時間は何か悟り開いたのか俺と口をつけたまま固まった。というかキスしたまま寝ちゃったみたいだった。



「ふぅ……できた。ミカ、起きて」

「んぷ……ありぇ? 寝ちゃってた?」

「2時間キスしたまま寝てたよ」

「えっ……えーと、逆に有夢は私と2時間キスしたままアムリタ作ってたの!?」

「うん、そうなるね」

「てことは私の口の中の唾液は九割近く有夢のものだ! えへへ」



 うーん、なんか違う気がするけどお互い幸せだしそれでいっか!



「よし、そんな熱烈にキスを受け入れてくれたんだから、今日は身体の方も長時間受け入れてくれるでしょう! ねっ、ねっ?」

「いいけど、今日はこのあいだの二の舞にならないようにしなきゃだし、夜だけね」

「むぅ……まあ、それでもいいけど」

「そのかわり寝る前に一緒にお風呂入ろう」

「うんっ!」



 さて、夜から夜中にかけての予定が埋まった。次はこのお昼から夜にかけてやることを決めなければならない。なにもSSSランクの魔物が毎日毎日現れるってわけでもないし……。



「有夢! トズマホがあの音で鳴ってる!」

「えぇ!?」



 マジだった。トズマホは音を鳴らしている。これで嫌な予感がするからって仕事休み始めてから3日連続だぞ!? 本当に何かあるんじゃ……。ともかく敵の出現位置を見なきゃ。

 トズマホの画面を開き、地図を展開する。しかしそれにはちょっと有り得ない光景が。



「うーわ」

「どしたの?」

「これ見て」

「うっわー」



 SSSランクの魔物の反応が三匹分。

 SSランクの魔物が三匹とかはこの衛星装置を作ってからそれなりにあったものの、SSSランクが3体は初めてだ。2体はあったかな。その二体の時はギルマーズさんが一匹出向いて倒してしまい、もう一体は別の場所でカナタとサクラちゃんがやっつけた。

 ちなみに今のところSSランクの魔物は俺ら以外の冒険者に任せることにしている。



「どうすんのよこれ……」

「よく見たらエグドラシル神樹国のSSSランクの魔物には、トールって人とヘイムダルって人がどちらも向かってるみたいだ」

「じゃあ残り2匹ね。どうするの?」

「この小国の近くに出現したのはカナタに頼もう。瞬間移動できるし手っ取り早い」

「じゃあ私たちはこの森の中にある村の近くのやつね?」

「そうそう………ん?」



 村の名前、どこかで見たことあると思ったらピピー村じゃないか。俺がアナズム生で初めて人と接触するきっかけになった村だ。出てから一度も訪れてなかったけど……。

 Bランクの魔物で壊滅しかけたりするあの村にSSSランクのなんて現れたら一瞬で全滅するに決まっている。



「どしたの?」

「いや、俺にとって大事な村だったこれ……」

「いつか話してくれた、有夢を滞在させてくれた村だっけ」

「そうそう」

「それじゃあ尚更急がなきゃ。はやく叶君に相談しよ!」



 俺はカナタに連絡してから部屋に向かった。サクラちゃんといちゃついてたようではあるけど、部屋についてから内容をお願いしたら、快く引き受けてくれた。さすがはカナタ!

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