4.僕と生徒会長役員
やっとついた…
まさか生徒会室に行くのに10人以上の男子(主に裕太)に追いかけられるとは思わなかった
とりあえず入るか
「…失礼しまー…ぶっ?!」
見計らったかのように、生徒会室の扉を開いたと同時に僕の顔面にクッションが飛んできた
「君、大丈夫?」
クッションをどけると、目の前に綺麗な女の人がいた
モデル…いや、女優にでもなれそうな人だ
「は、はい!大丈夫ですっ」
なんだか、美人な人と話すと緊張する
(工藤先輩は美人だけど性格がアレだから平気)
「おっ!来たな、日野君!」
工藤先輩の声がした
両手にはクッションが握られている
多分、僕の顔面にクッションを当てたのは先輩だろう
「わりぃ、わりぃ」
「?」
工藤先輩でも、二階堂先輩でもない声がした
そこには、またまたイケメンがいた
けど、ちょっと不良っぽいかんじがする
「会長とクッション合戦してたんだ、わりぃな!」
「あ、いえ…」
あ、工藤先輩じゃなかったんだ
「…うるさい…眠い」
ソファーに寝っころがっている人がいる
その人もイケメンだ。ふんわりしているというか、猫みたいな人だ
言葉は少ないが、とても眠そうにしているのがよくわかる
「この子誰?桃香の彼氏?」
「「?!」」
その一言に不良っぽい人と眠そうにしていた人が反応した
「ち、違いますっ!僕、日野恭也です。昨日転入してきたばかりで、工藤先輩に学園内を案内してもらっただけです」
その瞬間、2人共安心したような表情になった
「なぁんだ…私、早乙女由良。書記、2年生よ。よろしくね♪」
この人はまともな人だ…よかった
「よ、よろしくおねがいします」
「俺は、宮澤龍だ!庶務の1年生!転入生ってお前のことだったのか、よろしくな!…本当に会長とは何もないんだよな」
「う、うん」
裕太よりはマシな人かもしれないけど、この人も工藤先輩ファンなのかな
「…」
「あそこで寝てるのは、猫村奏。会計で、いつも寝てるな。興味があること以外にはあまり反応しないから、話しかけて無視されても落ち込むなよ!」
いや、落ち込みませんし。そもそも、話しませんから
「は、はぁ…」
変わった人たちだなぁ…
二階堂先輩と早乙女先輩がちゃんとした人なのかな
「改めて…私たちが、生徒会執行委員だ!よろしくな!」
…なんか、すごい威圧感だな
全員美男美女だし。なんなの、この学園の生徒会…