スキン星の刺客
スキン星を目指している最中、チブサ姫が旅立ちの用意として持ってきていたカバンの中身を広げはじめた。中からは、食器や鍋といった調理器具等がでてきた。そして両手に調理鍋をもちながら、得意気にチブサ姫が口を開く。
チブサ姫:「腹が減っては戦は出来ぬといいますからね。アーサー王様、お腹がすいたらいつでもおっしゃって下さい。こう見えても料理は得意なんです。」と、ドヤーと言わんばかりに自慢気な顔をする。
アーサー王:「おっ、頼もしいぢゃねぇか。ならスキン星で食料の調達もしねぇとな。しかし、話しで聞いた事があるくらいだから、スキン星がどんな星なのかもわかんねぇ。もうすぐ、つくはずなんだが....。」
そうして、宇宙船を走らせていると一つの惑星が見えてきた。
アーサー王:「チブサ、見えてきたぞあれが、スキン星ぢゃねぇか?」
チブサ姫:「なんだか....想像した星とは少し....というかかけ離れていますね」チブサ姫がそう言うのも無理はない。
アーサー王:「さぁ降りるぞ。」
チブサ姫:「....ハイ」
宇宙船から降り立った2人の目に飛び込んできたのは、パイオツ星のように栄える町が広がる景色ではなく、荒れ狂い、人の生活など想像もできない場所であった。
チブサ姫:「アーサー王様、ここに、包皮仙人という方が本当にいるのでしょうか?建物や植物すらありませんよ?」
アーサー王:「とりあえず人を探そう。少しでも包皮仙人の手掛かりが掴めるかもしれねぇ。」
チブサ姫:「そうですね」こうしてスキン星を歩き出した2人。すると何やら声が近づいてくる。
「.......バンザーイ」「......様バンザーイ」「......ブ様バンザーイ」と人の声が聞こえてきたのだ。近くに来てその光景に思わずチブサ姫は「キャーッ」と声をあげ目を両手で覆うのであった。そこには、「双頭バイブ様バンザーイ」「双頭バイブ様バンザーイ」と大声を張り上げ、ゴボウのように痩せ細った人々が、真ん中に立つ魔物にムチを打たれながらせっせと汗水をながして過酷労働させられているのであった。
チブサ姫の声に気付いたのか、ムチをもった魔物が2人に近づいてくる。
魔物:「なんだ?貴様らーっ?そうか、お前達も双頭バイブ様の奴隷として働きたいのだなーっ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ」と大声で笑う。それをみて周りの奴隷達は、気の毒にと思いながらも、ムチがいつ自分に飛んで来て自分の命がなくなるかわからないせいで、見て見ぬ振りをする。
アーサー王:「誰だその双頭バイブって奴は、そんなことより、お前今すぐこの人達を解放しやがれ。そして今すぐ俺に、包皮仙人の居場所を教えろ」
魔物:「貴様ーっ。誰に口をきいているんだーっ?死にたくなかったら大人しく、このSM大魔神様に従うんだなーっ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。ん?包皮仙人?そんな奴も確かいたっけなー。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。だけど残念無念このSM大魔神様が殺してやったわ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。」
アーサー王:「包皮仙人を殺しただとぉ?」
SM大魔神:「あんな、邪魔者は双頭バイブ様の役には立たんからなーっ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。奴隷にもならん屑に生きる資格はないんだよ。分かるかーっ?ヒャーッヒャッヒャッヒャ。横の可愛い姉ちゃんなら、特別にこのSM大魔神様の女にしてやってもいいがなーっ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。」
チブサ姫:「誰が貴方のような方の女になるもんですか。今すぐにこの人々を自由にしなさい。さもないと、このチブサ姫とアーサー王様が許しませんよ」
SM大魔神:「アーサー王に、チブサ姫だとー?そうかー、貴様達が秘宝を持つ者だなーっ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。貴様達など、双頭バイブ様のでるまでもないわっ。ヒャーッヒャッヒャッヒャ。このSM大魔神様がこの場を貴様達の墓場にしてくれるはーっ。」
そう言うとSM大魔神はチブサ姫目掛けてムチを振り下ろしたのだった。
チブサ姫:「キャーッ」
................その瞬間だった。
ーーーーーピカーーーンーーーーー
と目が眩むほどの閃光が走った。......と共にチブサ姫目掛けて振り下ろしたはずのSM大魔神の右腕が吹っ飛んでいった。
SM大魔神:「痛ぇ痛ぇよおーっ。」
アーサー王:「でけぇ事言うわりにチブサから狙うとは、随分卑怯ぢゃねぇか。相手が悪かったようだなぁ。ここは、貴様の墓場にお似合いぢゃねぇか。」アーサー王が、そう言うと再び閃光がはしり、SM大魔神の体が真っ二つに切り裂かれたのだ。その、光景に一瞬理解できないように、あっけに取られていた奴隷達から一呼吸置いて歓喜の声が広がった。そして、奴隷達から、2人に感謝の言葉が飛び交ったのだった。
そして、奴隷達の中でも最高齢であろう老人が2人に、近づき声をかけた。
老人:「貴方達に何とお礼を言っていいのやら。本当にありがとうございます。SM大魔神がいなくなり、久しぶりに自由の身になれました。しかし、ここにいては必ず双頭バイブの手下がまたきます。
村人全員をあげて、お礼がしたい。どうか私達の村へ来ては下さいませんか。お礼といっても、見ての通り何もないこのスキン星です。対したお礼は出来ませんが。」その言葉を受け、アーサー王とチブサ姫は奴隷達の村へと案内されるのであった。