瑠璃様のティータイム
ちょっと騒ぎはおいといて瑠璃と雷久のお話です!
「瑠璃様!休み時間です!何かお飲みになりますか?」
雷久の元気な声が教室に響き渡る
そしてクラスメイト達は聞いてないふりでちゃんと聞いている
「そうね、イタリアから買い取った紅茶を飲みましょうか」
(イラリアかよ...!!!)
クラスメイトはもうつっこみ役だ
瑠璃の冷静な声が雷久の興奮を抑える
雷久が動いたかと思うとしゅぴぴぴぴっと紅茶と美しいグラスとお菓子を置いた
お菓子は一個二千円と言われる高級なものだった
このお菓子は『宝石』と呼ばれるチョコレート、キャラメルといちご混ぜた菓子だった
(どっからとってくるんだろう......)
生徒達の頭は疑問でいっぱいだ
そして瑠璃はまた3年前のフランスの新聞を読んでいる
読んでいる目はまるで.....『狼』だった
「瑠璃様ぁぁぁぁ〜少しは僕と遊んで下さいよ〜」
雷久が猫なで声で言った
瑠璃は気にしない
「そうね....じゃあ何か遊んであげる」
瑠璃は雷久を追っ払いたいらしい
「本当ですか!?何をして遊びましょう?トランプ?それともUNO?あ、人生ゲームなどモノポリーと....」
「ストップ!」
雷久のエンドレスな言葉を瑠璃は手で制した
濃い茶色の目は冷静に雷久を見つめている
「算数のゲームよ受けて立つ?」
雷久は『算数』と聞いただけで震え上がった
どうやら算数じゃない他の教科が好きなようだ
「さっき算数したばかりじゃないですかーそれよりトランプや.....」
「ストップぅぅぅー!!!」
今度は全生徒が制した
そのすごさに思わず瑠璃はふふっと笑ってしまった
「それとも簡単な算数しか出来ないバカな訳?」
その言葉に雷久はむっときた
絶対やってやるという意志が感じられる
「やりますよ!僕は馬鹿じゃありません!勝負受けて立ちまっさぁあああ!」
最後、雷久は舌を噛んだ
あまりの痛さに雷久が転げ落ちたほどだ
「問題。校庭にいる生徒の数+教師、雑用も含めて全部÷0.3×イタリアの人口の数の合計を求めよ」
(無理だろ....!!)
回答しようとした者は気絶しかけている
一見普通に聞こえるが実はとても時間のかかる問題だった
「分かりました!僕も男です!まずは校庭にいる人数を数えます!」
そう言って若干ゆっくり雷久は教室を出て行った
それを見て瑠璃はゆっくりずず...と紅茶をすすった
(男殺し....!!!)
全ての女子がそう思った
(本当に迷惑なんだ....)
がらっ
教室のドアが開いた
......そこには血だらけの実羅がいた
「実羅!?」
誰もが驚愕した
実羅はいろんな所に傷をおい、息が切れていた
「瑠璃.......」
実羅はそっと口を開いた
「逃げて...あいつらが...」
そして実羅はばたっと床に倒れてしまった
気絶したのだ
「あらあ~自分の安全より友情ですかぁ〜ごたいそうなこった」
どすぐろい声がドアが開いた瞬間聞こえてきた
そこには五人の明らかに不良と見られる3年生がいた
服はだらだらの真っ黒で傷がついている
髪型は染めたような茶色だった
「この可愛いねーちゃんが瑠璃だとお?ならちょっとこっち来て遊んでもらおーかー」
がっしゃーん
瑠璃が手に持っていたティーカップが落ちて割れた
こなごなになったかけらの一つが瑠璃の指に突き刺さって血を流した
その血を見て瑠璃が言った
「いいわ」
そしてのどかなティータイムは終わりを告げた
あら、喧嘩が始まる?