詩 彼と一緒に登校
掲載日:2026/05/10
「ごめん、待った?」
朝、いつもの場所に行くと、彼がもう待っていた。
澄んだ空気が肺に入り、身体を清潔にしてくれる。
軽くふーと息を吐くと、彼が頭を撫でてくれる。
ポンポンと子どもに接するような優しい感触。
もっと触って欲しいと願ったが、彼は照れたようにポケットに手を突っ込んでしまった。
残念、と内心、がっかりしていると、「行くぞ」と言われてついて行く。
すると彼が振り向き、
「横。後ろじゃなくて横に来いよ」
男らしく言ってきたので、頬を染めながらうなずいて進む。
並ぶと身長差があり、彼のほうがどうしても目立つ。
「あの…!!」
思わず言って、彼の腕をぎゅっと掴む。
彼は驚いたようで、目を瞬かせる。
誰にも渡さない。私の彼なんだから。
もう少し力を込めて、彼と密着する。
彼は何も言わず、歩き出す。
何か言ってよ、もう!!
不満だったが、我慢する。
彼が身体を少し倒し、私の耳に吹き込んでくる。
「馬鹿。襲うぞ」
その言葉に、真っ赤になったが、手は放さなかった。
もう!! 朝から何を言っているの!!




