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 イルリット王子殿下の戦闘開始

 イルリットの別邸。隔離施設の全員が夜逃げのように荷物を纏めて去った後の食堂内。


 (一人ぼっちでは無く)

 「ファーナと二人の夕食もいいものですね」


 「はい。このスープの煮込んだお肉が美味しいです」


 「口に合ったようで良かった。

 お肉も食べられるんだね」


 「芋虫も食べていましたよ」


 「えぇぇ?もしかして・・生で?」


 「火は起こせませんから、生ですよ」


 「可愛いファーナから想像したくない。これからは止めてね」


 「良いタンパク源ですが


 「来ましたね」


 「義兄二人?なのです。相当お怒りのようなのです」


 「そうだね。思っていたより遅かったですね。

 姿を消して天井の隅へ。何が有っても声を出したり、姿を見せたりしてはいけませんよ」


 「いつもの妖精に戻れますよ」


 「それで」


 「はいなのです」


 〚おらぁぁ居るんだろぉぉ。開けろやぁぁ〛


 玄関ドアを明らかに蹴っ飛ばしながら怒鳴り声をあげている。


 「はいはい。横暴なんですからぁぁメドーダスは。今開けまぁぁす」


 「おせぇぇんだよぉぉ。ど愚図の第三王子が」


 「こんな場所に何か御用でしょうか?」


 「てめぇここの使用人を何処にやった。近衛の女二人も何処へやった」


 「辞めたいと申し出が有ったので解雇しました。

 総務の人事も許可済みです。総務が認めていますので、陛下のご許可ですよ。

 何処へ行ったかまでは知りませんよ」


 「いい加減な事抜かしてんじゃねぇぞおらぁ。言えよ」


 イグアスは毎度の如く胸倉を掴んだ。


 (いつもの事ですけど)

 「知らないと言いましたよ。イグアス第二王子」


 「お兄様だろうがぁぁ」


 右フックが顔面に来たが強化魔法の身体強化で鼻血はおまけで出しておいた。


 「普通殴りますかね」


 「るっせいっ」


 「おごっ。今度は蹴りですか」

 (全くぅ。つま先蹴りを腹に入れたら普通の子なら死んでいますよ)


 「なんだ。殴られる方が良いのか。お望みどおりにしてやらぁぁおらぁぁ」


 「ぐふっ。はぁはぁはぁ。お二人はパーティーはよろしかったのですか?」


 「つまんねぇぇよ。

 バカ貴族達の相手なんかよ。リリースちゃんに相手してもらおうと思っていたのによ、このクソ野郎がおらぁ」


 「ぐふぉぉ。メドーダス兄さん。蹴りの威力が増しましたね」


 「だろう。で、何処にやった」


 「はぁうぐぅ本当に 知りませんが」


 「近衛公安です」


 「うっ」

 「えっ」


 (転移で正確に来るとはお見事です)


 「マルージム近衛公安騎士隊長です。

 イルリット第三王子殿下。お体の方は大丈夫ですか」


 「おらぁぁ。邪魔すんじゃねぇよ」


 「メドーダス殿下。幾ら殿下でも、公務執行妨害で処刑ですよ。抜剣」


 「いいのかよ。出来るのかよ」


 「ええ。陛下のご許可が無くても処刑は可能ですよ。試してみますか?」


 「兄貴。これマジもんですぜ」


 「わぁぁったよ」


 「抜剣そのまま」


 「「「「了解」」」」」


 「イルリット殿下」


 「少々。地面に座っていてもいいですか?」


 「きのうもそのように素直に従って下さればよろしかったのに。

 誰か。椅子を持っていないか?」


 「折り畳みが有ります。どうぞ」


 「ありがとうございます」


 「お水を飲みますか?」


 「はい。口の中が切れていますので、漱ぎたいのですが」


 「バケツも有ります。どうぞ」


 「ありがとうございます」


 「メドーダス第一王子殿下。イグアス第二王子殿下。パーティーを抜け出していったい何をなさっているのですか?」


 「何をって見たら判るだろう」


 「国王第一継承権の第三王子イルリット殿下への狼藉」


 「何でぇ。知らねぇのか。こいつは廃嫡されたただの第三王子だよ」


 「いえ、メドーダス第一王子殿下がお作りになった書簡には明後日の午前零時までは現状のままですが。

 陛下もそう仰いました。全ての貴族が聞いております。

 しかも現在は十七歳。明日の誕生日で十八歳。

 未成年への非合法的な暴力行為は禁固刑ですよ」


 「ちょぉぉ待てやぁぁ


 「構えぇぇ」


 「待て。動かない。動かないから」


 「手持ちのまま直れ」


 「「「「はっ」」」」


 「それにここの別邸は午後六時以降監視の水晶が見張っています。

 今、それがパーティーの間に音声付きで放映されております」


 「何でだよぉぉ」


 「お二人も見ていらしたはずですが・・丁度、城内の夜景を映しているところで、ここに切り替わりました。そしてお二人が暴力を振るっている御姿。

 それで私達が陛下とあなた方のお母様から派遣されたと言う事です。

 今も映ったままです。

 あなた方のお母様主催のパーティーを『つまんねぇぇよ』。お小遣いが無くなるかも


 「「あぁぁぁお母様ぁ。夜風に当たりに来ましたぁぁ」」


 「集まっているお貴族様に『バカ貴族達の相手』。

 で、ピグダット陛下もイジルバーバラお妃様も貴族の皆様もかなぁぁりご立腹のようですが?」


 「「あ”っ」」


 「派閥。消滅するかも?献金も献上品も。無くなるかも?」


 「「言葉の綾ですぅぅ」」


 「まぁ。言い訳はごゆっくりお考え下さい。

 今より、事情聴取が有ります。ご同行願います。

 反抗してイルリット王子殿下が不敬罪の適用と未成年への暴力行為を宣言なされば、わたくし共はあなた達の首を刎ねる事になります。

 陛下であってもパーティーに隣席の貴族の手前、示しがつきませんのでご許可なさいますがいかがいたしますか」


 「わぁぁったよ」

 「行きゃぁぁいいんだろぉ」


 「イルリット王子殿下。謝罪の要求は?」


 (よし。思い通りの展開。マルージム近衛公安騎士隊長ありがとうございます。

 私の計画知ってました?

 と、言いたいほどはまっています。

 戦闘開始)


 「イルリット王子殿下?」


 「謝罪要求は・・・しません。

 この場での処刑も致しません」


 「つまり、不敬罪の保留?」


 「はい。わたくし自身のなんら失態の無い暴力行為。到底兄弟喧嘩で済まされるはずもない事象です。わざわざ出向いての狼藉ですから。

 そして、わたくし自身のなんら失態の無い廃嫡。そう陛下も仰っています。ですから廃嫡後も廃嫡前の所業は継続審議。

 そして、わたくしは準貴族の騎士爵の短剣を既に拝命。つまり貴族。この範囲でも不敬罪の適用」


 「バカ野郎。俺は第一王子でこいつは第二王子だ。てめぇが騎士爵なら不敬罪の適用は受けねぇよ」


 「はぁぁ。いいですか。現在の王家の典範は先々代陛下が継承してきた内容をお纏めになったものを踏襲しています。

 それ以降、改定も修正も行われていません。加筆のみです。

 かなり穴だらけでいい加減なんですよ。ですがそれが国の法と定められ認められています。

 その中に王家の子供規約が有ります。

 そこにはこう記されています。

 例え王家の実子であっても明確な地位と肩書が無い者は爵位有る者に意見してはならない。暴力を振るってはならないとあり、刑罰を受ける。と、なっています。

 因みに王位継承権は爵位の上位の地位と肩書となっています。解かりますか。公爵の上の地位です。

 今現在わたくしの地位は王位継承権第一位で公爵の上位で騎士爵です。あり得ませんが典範も規範も、そして陛下すら認めている地位なんですよ。

 兄お二人は陛下から継承権の宣言を受けていません。わたくしが廃嫡宣言を受けた時にも


 「「あ”ぁぁぁ」」


 「書き漏らしてしまいましたか。ここに来るまでのパーティーでも宣言を受ければ宜しかったのに


 「さ さっき受けたぞぉ」


 「どのように?」


 「第一継承権を陛下から承った。本日からだ」


 「そうなんですかぁ。逮捕案件ですよ」


 「はい。そうなりますね。わたくしもパーティーの警戒に当たっておりましたが聞いておりません。

 妖精協会の大司祭はご臨席では有りません。

 故に公式の場での委譲を受けていないので継承権を騙る詐欺罪。最高刑は処刑ですよ」


 「何でだよぉぉ」


 「マルージム近衛公安騎士隊長が仰ったように、まず継承権はミウラール王国の大司祭の宣誓の元で受けて初めて有効となります。

 わたくしの時にご覧になっていたはずですが?

 継承権の授与予定も仮もその効力を発揮できません。

 そしてわたくしが明日まで第一継承権を保持していますから。二人同時にはあり得ませんよ」


 「あ”ぁぁぁぁ」


 「バカ野郎も含めて、わたくしは聞かなかった事にします。

 改めて貴族を招集して、宣言を受けるといいですよ。

 ただその前に仮称第二妃のイジルバーバラさんとピグダット陛下の正式な婚儀で夫婦である宣誓を大司教の元で宣言が必要です。

 その後、最短でも一か月後に継承権の宣誓を受けるとになりますよ。

 ですから今の宣誓は有り得ません」


 「「マルージム近衛公安騎士隊長、本当ですか?」」


 「事実ですよ」


 「そして、貴族規範の方にも貴族とは公爵。侯爵。伯爵。子爵。男爵。準男爵。騎士爵と明記されています。

 各爵位の家長に従う執事が明確な地位となっています。ここも不思議なんですよね。

 この中に第一王子は爵位とも地位とも明記されていません。王様の子供だから敬われているだけで、自我を通せばただの我が儘王子。

 つまり第一王子は肩書でも地位でも無く名称。言ってみれば敬うも敬わないのも個人の自由。勿論、国民も同じ。

 ここは改定と修正を加えないと、王家が失墜しかねませんね。

 わたくしは今、嫡男で第一継承者。明後日からは貴族。

 そして近衛公安は王家の典範と貴族規範の監視役。何者にも侵害される立場にはありません。

 よってわたくしは保護対象。

 兄上達の王家。貴族の不逮捕特権も場合によっては通用しませんよ。

 現在は妾の子でいわば平民の子供と同じ立場。

 解かりましたか」


 「お 俺達が平民?

 マルージム近衛公安騎士隊長。ほ 本当ですか」


 「はい。メドーダス第一王子殿下。と言っておきますよ。

 今、イルリット王子殿下が仰ったことは全て事実です。

 他も含めて、お勉強もなさっているはずですが?」


 「こいつ このお方が


 「許さない限り陛下の圧力さえ通用しません。今、会場の貴族が証人となっています。

 今までも含め、よく我慢なさりましたよ。

 陛下がこの件に物を申せば不敬罪の適用から貴族。王家の在り方まで全てがひっくり返り、場合によっては王家の失墜にまで発展します」


 「どうしてですか?」


 「はぁぁ。メドーダス殿下がとある女性から殴る蹴るの暴行を受け、不敬罪を言い渡しました。陛下が許してやれ。と、仰れば許さなければなりません。

 これを何度も繰り返されたらメドーダス殿下はどう思うでしょうか。

 口調をお借りするのであれば『ふざけんなぁ』ですよ」


 「お 俺達はどうしたら」


 「イルリット殿下がお許しになるのを待つか、処刑されるのを待つかのどちらかです。

 さすがに陛下が出ていらっしゃいましたね」


 (単独で転移で出ていらっしゃるとはよほど慌てていらっしゃった?)

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