09 森の音楽会
今日は魔法の森の音楽会。
楽器ノコがほうふにはえている、ひらけた場所を見つけたことがきっけでした。
特設ステージも用意され、椅子並べもモックンが手伝っています。
そんなモックンの様子を見て、家臣のセバスは嬉しそうでした。
ニャーコとニャオタはお菓子とジュースの準備。
そしてそろそろ、招待されたワグマたちがやって来ます。
ステージの幕開けはカエルのきょうだいネイとテイの司会。
客席にいた大きなオタマジャクシのタマが、はちから飛び出るほど喜びました。
ムクラとねっけんとマローンも会場に来ています。
「なんだかわくわくするね」
「そうだな」
「ですね」
ギフト君のチームの出番になりました。
クリオとトッポがステージに丸いテーブルを置きます。
そのテーブルの上に乗っていたのは、カメのハルシ。
ムルムルの角指揮で、森の小鳥やリスが楽器ノコを鳴らしはじめます。
ラッパユリ、と言う、ユリの花のラッパも混じりました。
音楽にのって、ギフト君たちのダンスがはじまります。
ハルシははじめ中程まで、テーブルの上で首をふってリズムを取るだけ。
でも曲の盛り上がり場所で、ギフト君たちがハルシを示しました。
ハルシは、すぽん、とこうらか出てきてブレイクダンス。
自分の甲羅を裏返してくるくる回し、その上で寝そべってみせたりします。
曲の終わりに、みんなが席から立ち上がって拍手をしました。
音楽会は見事に成功したのです。
客席にいた森の住人たちは言います。
「ギフトたちの『ひっこみじあん』って言うグループよかったね」
「音楽会ってたのしいねっ」
「今度があるならステージにも参加しようかな?」
音楽会のあとのおやつパーティーもなごやかに盛り上がりました。
その様子を見ていて、赤犬ケイは「たっのしー」とつぶやいて
向こう側にしっぽを振って走って行ったのを戻って来て、
「へへへ」と笑い、
みんなが見えている気がする正面画面を思いっきりなめましたとさ。