14 莓沢:いちごさわ
ある日ギフト君がおやつのためにショートケーキを作ろうとしていました。
「あれ?苺がたりないぞ」
「「え?」」
ボウルの中にあったちょうどの数の苺を、ラウとトバリが食べてしまっていました。
ギフト君はたりない分をつみにいくために、苺沢に向かいます。
魔法の森の広場にある苺沢は年中、実っています。
「イチゴ5個と、つむ用に5個ほしいな」
「一緒にかぞえてあげますよ」とムルムルが言いました。
イチゴつみのはじまりです。
「「いっこ、にぃーこ、さんこ、よんこ、ごーこっ」」
「5個とれました☆」
「あと、自分でつまむように5個だね」
「ハァイ、です。ギフトとムルムル」
そう言って現われたのは、イチゴみたいなカメのハルシです。
「あちらに大きなイチゴがありましたよ」
「見に行ってみよう!」
「そうですね。レッツゴー♪」
苺沢を少し移動すると、そこには『こぶし』くらいの大きさのイチゴがあります。
「イチゴ5個と比べてみて?」とハルシ。
「すごいや、1個で5個分だ。これを1個つんでいこうっ」とギフト君。
「1個で5個分♪美味しいといいですねぇ」とムルムル。
ハルシにバイバイのあいさつをして、お家への帰り道。
ギフト君は大きなイチゴを1個食べました。
お家に帰って、ショートケーキの上に普通の大きさのイチゴをかざります。
いーち、にーい、さーん、しーい、ごっ!!
「わぁ~、完成したぁ~」
家の中でお昼寝をしていたテントウムシホタルのチャップが、おしりを光らせます。
はくしゅのあと、皆でショートケーキを食べました。
「今度、ラウたちを苺沢に連れて行ってあげるよ」
「大きなイチゴはあるの?」とラウ。
ギフト君とムルムルは顔を見合わせて笑いました。
「ムルムルくらいの大きさのイチゴがあるよ」とギフト君。
「「うっそだぁ~」」
ラウとトバリがそう言うので、ギフト君とムルムルはまた笑いました、とさ。




