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第5話 モブ、初めての仲間(?)を得る


ギルド裏の訓練場に集まった大勢のギャラリー。その中で、俺とクラウスの「決闘」が始まった――いや、始めさせられた、というべきか。


「さぁモブ!俺の力を思い知るがいい!」


クラウスは自信満々に剣を構える。

だがその剣の持ち方はやはりどこかぎこちなく、明らかに剣を振り慣れていないことが丸わかりだった。


「いや、俺、そもそも戦うつもりなんて――」


「黙れ!勝負は勝負だ!覚悟しろ!」


クラウスは勢いよく剣を振りかざして突進してきた。


「うわぁっ!」


俺は反射的に横に飛びのく。すると――。


ズドォォォンッ!!


クラウスの剣が地面に突き刺さり、砂埃が舞い上がる。


「……ちょっと待て、力加減間違えてるだろ!」


「……ぐぬぬ、手元が滑っただけだ!」


「滑ってその威力!?お前、何者だよ!?」


思わずツッコむ俺だが、クラウスは構わず剣を引き抜き、再びこちらに向かってきた。


「はああぁぁぁぁっ!」


クラウスの剣が振り下ろされる。その速度は意外にも速く、風圧で俺の髪の毛が逆立った。


素人目線でも分かる。

こいつ、確かに技術はないけど、力だけは異常だぞ!?


俺は木剣を構え直し、どうにか攻撃を受け流そうとした。が――。


ガンッ!


たった一撃で俺の剣が弾き飛ばされ、宙を舞う。


「ちょっ、やばっ!」


次の瞬間、クラウスの剣が俺のすぐ脇を掠め、地面に突き刺さった。


「ど、どうだ!俺の実力を思い知ったか!」


「いや、危うく死ぬところだったぞ!?」


ヒヤヒヤしながらも、なんとかギャラリーの制止で決闘は終了した。


ギルドに戻ると、何事もなかったかのようにクラウスが近寄ってきた。


「ふむ、貴様、なかなかやるな!」


「いや、俺マジで何もしてないけど……」


本当に情けない!何もできなかった!


そんな風に懺悔していると、クラウスが突然言った。


「気に入ったぞモブ!俺の仲間になれ!」


「はぁっ!?」


唐突すぎる提案に、俺は完全に面食らった。


「いや、どうしてそうなるんだよ!?」


「我が名はクラウス。この偉大なる俺の冒険者のパーティに入れるとは、光栄に思え!」


「そんな誇らしげに言われても!」


リーナは腕を組みながら俺の隣で呆れ顔だ。


「アンタ、本気でこんな人と組むつもり?確かに力はあるけど…」


「いや、そもそも組む気なんて――」


「決まりだな!」


俺の意志を完全に無視して話が進んでいく。クラウスは満足そうに頷くと、リーナに向き直った。


「ふむ、そこの赤髪の戦士も中々だな。よし、お前も俺のパーティに――」


「お断り。」


リーナは即答した。


「な、なぜだ!?」


「アンタみたいな目立ちたがり屋と組んだら面倒だからに決まってるでしょ。」


冷たい視線を向けるリーナ。クラウスは少しだけ落ち込みつつ、すぐに顔を切り替える。


「まぁいい、モブ!まずは俺たち二人で行動を共にするぞ!」


「いやだから、俺の名前はモブじゃなくて山田――」


「行くぞモブ!」


「聞けよ!!」


こうして俺は、クラウスとかいう厄介な自称天才冒険者と、強制的にパーティを組む羽目になった。


翌日、俺たちはクラウスの提案で簡単な討伐依頼に挑むことになった。ターゲットはスライム。初心者向けのモンスターだ。

なぜかリーナもついて来てくれた。俺たちが心配だったのかもしれない……


「ふはは!スライムなど、この俺の敵ではない!」


自信満々のクラウス。実際に現れたスライムは、見た目も弱そうで、俺も少し安心した。

クラウスに貸してもらった剣を構える。


「よし、行くぞ!」


クラウスが剣を振り下ろす。だが――。


ぷにっ


スライムの柔らかい体に剣が埋まり、その場で止まった。


「な、なんだこれは!?切れないだと!?」


「おい!お前また剣の向きが逆だ!」


俺がツッコむ間に、スライムが跳ね返し、クラウスの顔面に飛びつく。


「ぎゃあああ!なんだこれは!やめろぉ!」


「おい、剣捨てて逃げろ!」


「剣は我が誇りだ!」


「そんなのどうでもいいから逃げろ!」


騒ぎながらも俺たちは必死でスライムを追い払い、なんとか討伐に成功した。


ギルドに戻った俺たちは、討伐の報告を済ませ、ほんの少しだけ報酬を得た。


「ふぅ……これが冒険者か。」


クラウスは何かを噛みしめるように呟き、俺の肩を叩く。


「モブよ、今日は楽しかったな!」


「いや、俺にとっては散々だったけど……」


リーナが呆れた顔で近寄ってくる。


「まぁ、アンタみたいな平凡な人でも、生き残る力はあるって分かったよ。」


「それ、褒めてんのか?」


「一応ね。」


こうして、俺はなぜかクラウスとパーティを組み、行動していくことになるのだった――。



本当に初心者です…温かい目で見守ってください…

こんな自己満の小説を読んでくださりありがとうございます。

励みになります。


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