想い色
露草色に
君色重ねた恋色は
焦がれて藍の色帯びて
道端に咲く草露の花びら
一つ一つは空の青い色に
陽の光を重ねたみたいで
この感情を裏返すような
薄くて明るいアオイイロ
溶け落ちやすい露草色は
僅かな間の感情みたいで
すぐに消えるはずなのに
気付かない内に塗り重ね
気付けば君色塗り足され
いつの間にか紅碧の様な
熱を帯びた濃色になった
自覚したのは空色の陰り
大切だった人を亡くして
喪くした事を呑み込めず
心に出来た大きな傷跡に
互いに触れる事も出来ず
遺された昏い感情の渦に
押し潰されそうだった時
考え込みがちだった君は
見えない境界線を引いて
手が届く場所にいるのに
決して届かぬ場所にいて
消えないままの傷にある
瘡蓋が剥されたみたいに
胸を刺す様な痛みと共に
心から涙が零れて落ちた
大切なモノをナくした時
これ以上辛いことはない
そんな風に思ってたのに
掌を握る君の背中を見て
同じくらいの痛み感じた
これ以上ナくしたくない
この感情を何と呼ぶのか
初めてだから分からない
けど
私の心にあるこの空洞と
同じのを君が抱えるなら
君のその手を解くために
力になりたいとそう思う
大切な人が遺したものを
君と共に継いでいくため
哀しみは消える事はない
けど
私の心の奥のこの灯火が
道を照らせるとするなら
焦がすほどに輝かせたい
青く青く藍色になるまで
失くしもの
溶けて消えてった
喪くしもの
空いたその場所
想いで埋めて




