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恋色
いつもそばにいるだけで
伝わってるとは思わない
繰り返す日々を重ねても
伝えられるとは思わない
それでも心の中の感情を
吐き出す勇気はないから
薄く薄く重ねていくんだ
色を塗り重ねてくように
重ね重ねて気が付いた時
それが濃色になるように
言葉を交わして重ねてく
形にできず伝えられずに
仕草や視線が追っている
ただ一言が言えないまま
積もり続けた感情は今も
吐き出すことなく胸の内
淡い淡いはずだった想い
重ねる内に色は濃くなり
伝えたかった濃色はまだ
私だけの恋色でしかなく
声にならない言葉たちは
また心の中の記録の紙に
一枚一枚挿し込まれてく
請い色になった心の栞が
いつか渡せるその日まで
重ねてく 一枚一枚 その日々に
想い挿めば 恋色になるかな