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恋下手な翼獅子は婚約破棄なんて起こさせない  作者: 雲丹屋


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15/18

友のフリ見て我がフリ直せ?でも流石にそれは想定外

 我が元婚約者殿への特訓が一段落すると、偽装婚約関係の私達は、もう顔を合わせる理由もなくなった。


『わかったのは、お会いして直接しっかりと自分の気持ちを確かめることは、とても大事だということですわ』

 自室で書き物机に向かいながら、シエナの言葉がふと頭に浮かんだ。


「そう言われてもね」


 年頃の令嬢の部屋にしては殺風景だとお母様に文句を言われる自室の壁にかけっぱなしになっている彼の肖像画を眺める。

 子供の頃、流行り病で熱を出したときに、会いたいと駄々をこねて、彼の家にあったものを譲ってもらった絵だ。すました顔で座っている少年は、私と一緒にいる時の彼とは印象が違うが、これもまた彼の内面を映した良い絵だと思う。ひどく喧嘩をした後でも、帰ってきて部屋でこの絵を見ているうちに、謝ろうと思ったことがこれまで幾度もあった。

 だが、そんな関係も変わってしまった。


「言うべき助言は全部したし」


 柔らかそうな巻き毛で、優しい若草色の目をした少年の肖像は、まっすぐにこっちを見ている。本物のあの穏やかな眼差しはもう私に向けられることはない。

 胸の奥で羊皮紙が焦げていくようなチリチリと燻った疼きがして、鼻の奥にあの日の不快な匂いが蘇った。


「伝えるような、自分の気持ちなんてないし」


 私は彼が幸せになってくれれば、それで満足だ。彼の幸福がエリス・ドートルード嬢と結婚することであるなら、黙って一歩下がって見守るぐらいなんでもない。

 なぜなら彼は切磋琢磨しあって共に育った相手なのだ。その彼が見定めた目標ならば、それを私が支援せずしてどうするのだ。

『相手にとって大事なことを大切にして差し上げることって、ともに歩むうえで必要なんだなって最近思えるようになったわ』

 ベアトリスの満ち足りて幸せそうな声を思い出す。

 そうだ。共に行く者であるならば、相手の思いを大切にすることが必要なのだ。第一、私はもう彼に誓ったではないか。彼がドートルード男爵令嬢と無事に添い遂げられるよう協力すると。

 今頃、彼はドートルード嬢を口説くことに全力を尽くしているだろう。私は私できちんと支援をしなければならない。


 私は書きかけだった書簡の続きをしたためた。




 支援すると言っても、私自身が二人の仲を取り持とうと奔走するのは筋違いだし、あちらも迷惑だろう。私はこれまで通り、彼の競争相手となる男性諸氏がドートルード嬢以外に興味を移すように手を貸すだけだ。

 アーベル殿下とベアトリスの拗れた仲は改善されつつある。イアソン・ボガードとシエナのよそよそしかった関係は、急転直下で改善され、今や二人は外野からはどうこう言い難いほどの熱愛カップルだ。

 あの二人が婚約者以外と結婚することは、もうないだろう。


 残りの三人は、婚約者も、私との直接の接点もなかったが、それはそれでやりようはある。

 私は、妻帯禁止の聖職者になる予定のウリューエル殿には聖堂関係者とのしがらみを、浮気者のオルソー殿には、切れそうで切れていない焼けぼっくいを、つついてけしかけてみていた。

 器用で察しの良いハーゲンは、文句も言わずに、私の指示でよく働いてくれた。




 だから、結果が想定外の事態になったのは、不可抗力だ。……けして、彼が余計なことをしでかしたせいではないはずだ。ちゃんと釘はさしてあったし、私の指示だけであんな結果は起こらない……と思う。


 思いがけず、母親の墓前で枢機卿と感動の親子対面&和解を果たしたウリューエル殿は、学院を中退して聖職者になってしまった。元は自分の出自を嫌って、学院の成績と殿下とのコネで、聖職者ではなく王宮で文官になろうとしていたらしいが、心変わりしたらしい。厭世的だった彼が前を向けたのなら、良いことだと思う。

 オルソー殿がド修羅場で刺されて入院したのは不可抗力。さらに療養先から失踪して駆け落ちしたのは、完全に知ったこっちゃない展開だ。お幸せに?としか言いようがない。


 そして、エイダス公子がエリス・ドートルード嬢を祖国に連れ帰ってしまったのは、完全に不慮の事故……いや、予想外の誘拐事件だった。過ぎた豪遊を親元にチクったら、帰国命令が出たところまでは想定通りだったのだが、なんと、あの非常識放蕩息子、"お気に入り"をお持ち帰りしてしまったのだ。

 ハーレム文化のある後宮持ち御曹司の思考って、ぶっ飛んでいる。流石にそんな無茶をされるとは思わなかった。




 悲嘆に暮れたであろう我が元婚約者殿を慰めるために、私は手紙を送った。


 返事は来なかった。

 彼は学院にも来ていない。


 ここ数ヶ月は、彼とは学院でも顔を合わさないように気をつけていたのだけれど、流石に心配になったので、様子を見に行くことにした。

Q:残り3人の話はないの?

A:書いたらべらぼうに長くなって、主題がボケそうだったからやめた。


・ウリューエル

女の子出てこないただの人情噺。

・オルソー

ド修羅場じゃん。重いわっ。

・エイダスとエリス

どう考えてもキャラが濃すぎる。

主役が霞むわいっ!


設定だけ作ったオルソーの彼女とか、エイダスの従者とかは、後で、”登場していない人物入り登場人物紹介”か何か作って消化しておこうっとw




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― 新着の感想 ―
ここまで来て元の鞘とは、うーん
[一言] >書いたらべらぼうに長くなって、主題がボケそうだったからやめた。 とか言いつつどこかの感想返しとかに出てくるのでしょうねー(超笑顔
[良い点] 短編でも読者に突っ込まれていた自室の自画像ですが、大きさがどんなもんかが気になりました。 こう、ででーんと大きいのでしょうか。 時代は違うんですけど、机の上に写真立てくらいとかならまだ幼少…
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