表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/24

1-6 出発! 新たなる旅立ち!

6回目の投稿です!

これにて第一話は終わりです!

お付き合いいただいてありがとうございます!

第二話もよろしくお願いします!


第一話の六


「この度は皆さん。本当にありがとうございました」

 そう言って、深々と頭を下げるのは、この村のギルドの長らしい。村長もしてるそうだ。元気なこと。長の隣にアルルもいた。ギルドの生き残りはこんだけらしい。俺達を少し離れた所を、村人たちが丸く囲んでいた。

「はは。まあ……」

 師匠は村をしみじみと一度見回した。

「ほとんど壊れてしまったがな」

「はい。アオウの仕業で。誠にとんでもない奴です」

 俺の横で、アオウがピクリと動いた。今の言葉に反応したのだろう。

「アオウ。抑えとけよ」

「大丈夫じゃ。婿殿。名前が出たので少し反応してしまっただけじゃ」

 小声で注意したが、一応は冷静みたいだ。フードを深々と被っているし、変身もしてるんだからバレることはないと思うが、何か冷や冷やすんなあ。……婿殿はやめて欲しい。

「わしらは当分、この村を離れます。とても暮らせませんから。隣村に身を寄せて、ゆっくりと復興を行います」

「そうか。頑張ってくれ。ここのモテムもギルドの褒賞金を復興のために半分寄付すると言っている」

「本当ですか!?」

 あれえ? 俺そんなこと言ったっけ?

 まあ、別に良いよ。うん。可哀想だもん。それはいい。けど借金の方は……。

 師匠は俺の方を見て微笑んでた。減らんよな。うん。減らん。分かりましたっと。でも、自分から寄付を申し出るあたり、そこまで悪い人じゃないのかもな。

「ところでなのですが」

「うん?」

「この度、ギルドの機能も一時、隣町に移すことになりまして。それに伴って、少しお願いがございまして」

 長が促すと、アルルが一歩前に出た。

「この娘。皆様にもえらくお世話になりました。私の姪で、名前はもう知っておられるでしょう。アルルと申します。この子が皆様の旅に是非に同行したいと申しておりまして」

「ならん」

 師匠の返答は速かった。考えることもない。ノータイムだった。

「駄目ですか?」

 長はその速さに少し動揺しているようだった。アルルも同じだ。

「私は駄目ですか? リリーナ様」

「当たり前だ。お前はここの唯一のギルドのハンターだろう。お前が村を守らなくてどうする」

 ああ、もっともらしいこと言ってんなあ。

 しかし、アルルは引き下がらなかった。

「大丈夫です! 長はそう言ってくれています!」

「そうか。ならはっきり言おう。いらん!」

 うーん。火の玉ストレート。これはひどい。アルルも相当こたえたようだった。しかし、アルルは見たこともない怒った顔で師匠を睨み付けた。

「私には使命があるんです!」

 そう言って、アオウに目を向けた。

「し、使命?」

 これには師匠も少し動揺する。

「おや? そちらの方は?」

 長がアオウの存在に気が付いた。アオウが心配そうに俺を見てくる。

「村に来た時は、モテム様と二人でしたが、その方はどこから?」

「ははは」

 師匠は軽く笑っていた。多分、そうやって間を作って考えているんだろう。

「……これは私の二番弟子です。別件にて別行動をしていたのですが、今さっき合流しました。名前は……ミクルです」

「ミクル? わらわか?」

「そうだ」

 俺がそう言うと、アオウは軽く頭を下げた。

「ミクルです。どうぞよろしく」

「おお、これはご丁寧に。それにしてもリリーナ様。流石は名高いお方だ。弟子を何人もお取りになるとは」

「いや、なに。後進の育成は大事な仕事ですからな」

「そうですか。流石はリリーナ様だ」

 何が流石だ。世界征服の弾だぞ。ろくなもんじゃねえよ。

「仕方ないな。特別に同行を許すよ」

 師匠はしぶしぶって感じだった。

 俺もやだな。このパーティ疲れそう。更にクソ雑魚剣士も加入かたまらねぇな。

 もう帰りたいな。どんだけモテなくても、前の方が平和だったもんなあ。軽田と遊びたいな。

 そういや軽田はどうなったんだろうな? 助かったのかな? そんなわけないな。無理だよな。死んだよな。あいつ。もう会えないんだな。

 そうなことを考えていたら少し暗い気分になってきた。ホームシックってやつかな?

「どうした? 婿殿」

 俺の気持ちが沈んだのを悟ったのか? 敏感だな。流石だな。俺の嫁は。

「いや、何でもない」

「そうか」

 軽田……どうなっちまったんだろうなあ?

「どうした?」

 師匠も俺に声をかけてくる。

「前が懐かしいか?」

 こいつは事情を知ってるからか鋭いな。

「諦めろ。どう考えたところで前には戻れん。ここで生き残ることを考えるんだな」

 うん。それを考えた場合。あんたとは行動を共にしたくないのだがな。

「さあ、そろそろ行くぞ」

 俺たちは村の人々に見送られ、村を後にした。次の目的地は、確か山を2つ越えた場所だったかな?

 男一人と女三人のパーティは傍から見ると羨ましく映るところなんだろうが、俺には不安しかねえ。

 女の子とまともに絡んだこともない俺にコミュニケーションが取れるのだろうか? メンタルやられねえかな?

 様々な不安が渦巻く中、俺の珍道中が始まったのである。

 自由にやらせてくれないかなあ?


第一話 完

第二話に続く。


ありがとうございました!

第二話もできるだけ早く始めたいと思います!

三日前後を目安に考えています!よろしくお願いします!

お気に入りいただけた時には、是非、ブックマークまたは評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ