1-4 結局、俺しかいないのな。フッ。決戦! 青色!
なんか勢いよく書けてしまいました!
4回目、是非読んで下さい!
ブックマーク及び評価して下さった方、本当にありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
第一話の四
「あああ! 痛え!」
顔面を殴られた俺は、その場にうずくまった。死ぬ、死ぬ!
「おい」
声がしたので見てみると、青色が俺を見下ろしていた。何か驚いてるような顔してるけど。
俺は顔から手を離した。その手を見て、驚いて立ち上がった。
「血だ! 鼻血が出てる!」
俺は自慢じゃないが、真面目に今まで生きてきたんだ、喧嘩の一つもしたことねえ。鼻血なんて、ハナクソ深追いして以来だよ! 何年ぶりだよ! その時とは比べ物にならないくらい血が出てる!
「どうしてくれるんだよ!」
俺は叫んでた。血は怖い。
しかし、俺はここで気がついた青色が酷く動揺していることに。
「馬鹿な」
その顔は酷く青ざめてた。あ、元からだったわ。
「肉体強化もせずに、なぜ耐えられる? 巨岩をも砕く私の拳だぞ?」
何かよくわからないけど、俺にビビってるみたい。これを利用しない手はない。
「は、はは。そうだろう。俺は強い! だから話し合おう」
「断る」
何でだよ。
「私にも誇りというものがある」
捨てちまえ、そんなもん。俺なんて前世から捨てまくりだぞ。
「一思いに殺せ」
青色は何か覚悟を決めたような顔でそう言った。
「ふっ……」
馬鹿だよ。お前は。なら、俺も覚悟を決めよう。
「なら、一つ聞きたいことがある」
「……何だ?」
「……超能力ってどう使うのかな? コツとか、ある?」
俺の覚悟。それは……敵に教えを乞うこと。
「お前、まさか力の使い方が分からないのか」
「あ、いや、その。ははは」
分かんねえよ。俺はア○ラや鉄○じゃねえんだよ。いきなり超能力言われて使えるかよ。
青色はニヤけてやがる。
「どれだけ強くとも」
青色の体の周りを渦巻くものが今度はハッキリと見えた。こいつもまだ本気じゃなかったみたい。念と言うか、気と言うか、とにかく凄まじい脈動だ。
「それなら私にまだ分があるな」
やっぱり教えてくださらないのね。やばいね。こりゃ。師匠も役に立たないぜ。せめて、力の使い方は教えてから死ねばよかったのに。
青色が突然目の前から消えた。
「こっちだ」
声が後ろがして振り向く。一瞬で真後ろに? やべえじゃん。
「なぶり殺しにしてくれる」
そう言って、青色はまた消えた。姿はとてもじゃないが目では追えない。どこから攻撃がくる? 防げる? 無理だな。次はこのままじゃただじゃすまないだろうし。
ちくしょう! 最近こんなの多いなあ。
「こうなりゃやけだな」
青色の攻撃は真上から、両足での全体重をかけたスタンプ。
「終わったな」
「ヘヘッ」
青色は驚きふためき、距離をとった。そりゃ、驚くだろう。俺が一番驚いているからな!
「見様見真似で何とかなるもんだな」
不思議な感覚だった。力が体を取り巻き、包み込む。
いい感じだ。
「ふざけるな!」
青色は体を震わせていた。凄まじいほどの怒気だった。空気が震えていた。でも、俺にはもう恐怖心はなかった。
うん。強いな。俺は。
凄まじいスピードからの青色の攻撃。亜音速に近いスピードからの左右の連撃はその衝撃だけで地面がえぐれるほどだ。
だが、今の俺には目で追える! さばける!
「満足か?」
攻撃の手を止めた青色に俺はたずねた。
「どういう意味だ」
「もうやめないか」
「何?」
俺はやっぱり無理だ。たとえ相手が人間じゃなくても、ヤバいやつでも。殺せるわけねえや。
「アボーとかいうやつを殺したのは俺だ!」
俺の言葉に青色の顔が引きつる。
「貴様!」
「あいつのことはあやまる。俺が悪かった。力の使い方が分からなかったんだ。すまん」
俺の謝罪の意が伝わったのか、青色の表情が少しやわらぐ。
「何が言いたい」
「俺は誰も殺すつもりもない。できれば傷つけたくもない。このまま帰ってくれ。二度と人は殺すな。約束するなら見逃そう。どうだ?」
青色は少しの間下を向いた。だが、すぐに俺を見て言った。
「ここまでやって今更おめおめ帰れ……!」
「そうだよな」
青色の言葉に対し食い気味に、俺は右ストレートを顔面にかましてやった。
「まあ、確かに少しおいたが過ぎたよな。これはお返しだ」
青色は民家を何棟も巻き込みながら吹き飛んでいった。少しやり過ぎたかな?
まあ、兎にも角にも。
「一件落着かな?」
「モテム様!」
腰を抜かしていたはずのアルルが駆け寄って来た。
「アボーだけでなく、アオウまでも。凄いです! ギルドからも凄い報酬が出ますよ!」
はつらつとして話をしていたアルルだったが、急に表情を暗くした。
「でもリリーナ様が……」
そうか。師匠か。忘れてた。
「そうだね。惜しい人を亡くしたね」
「えっ?」
まあ死んだのは確かに残念だが、世界征服なんぞ企む輩だ。あれもろくなもんじゃないだろう。まあ、これで俺も自由だ。借金もウヤムヤだろうしな。
「誰が死んだって?」
「だから師匠だよ。俺の師匠」
ん? でもこの声って……。
振り向くとそこには、、、あら怖い顔。
「勝手に殺すな。馬鹿者が」
いや、でも、アルルがさっき……。
俺が目線を向けるとアルルは困り顔で言った。
「いえ。リリーナ様がいらっしゃるので、モテム様の物にはならないのかなと」
ああ。そういうことね。おじさん。早とちりしちゃった。
「ちくしょう!」
「心の声の方が口に出てるぞ。それに、アルルの言う通りだ」
師匠はにやりと笑った。
「一応、借金から減らしておいてやるよ」
ちくしょう。この高利貸しめ。
「さて、とりあえず助けに行くかな」
俺は歩き出した。多分生きてると思う。ちょっと、想像よりはやり過ぎたけど。加減が分からねえや。
「誰の事だ?」
「ああ、いや。多分生きてると思うんですよね」
二人も俺の後ろを付いて来る。粉々になった民家の3棟目に青色は引っ掛かっていた。完全に意識はないようだが……どうやって生死を確認したらいいんだろう。
心臓とか、あるのかな? 緊迫してたからあんまり気にしなかったけど、こいつ完全に裸なのな。人間とは違うし、感覚が違うのかもだけど。何か、恥ずかしい、緊張する。取りあえず、胸に触って、鼓動を……あっ、何か柔らかいよ。これ。
「モテム様。大胆……」
「敵とはいえ、意識のない相手に無理矢理辱めを与えるとは、我が弟子として恥ずかしいぞ。このけだものめ」
「うるさいな。そんなんじゃないっての」
でも、心臓は動いてる。良かった生きてる。
「生きてるのか?」
「はい」
「そうか。なら、とどめを刺さんとな」
「はい?」
ホントに恐ろしいこと言うなあ。この人。でも、それが普通の感覚なのかもしれないな。こいつ、大勢殺してるから。でも、なあ。
「やらんのか?」
「……任せます」
俺は一歩下がった。
「何?」
「俺は殺しません。確かにこいつは酷いことしたかもしれないけど。こいつも友達を殺されたんだし。それに、俺は殺した張本人だし。俺にはできません。だから、任せます」
「そうか。なら、どいてろ」
師匠が俺の前に立つ。両手を青色に向ける。……向けたが直ぐに下げた。
「やめた。気がそがれた。お前が殺さんと言うなら、それでいい。でも、責任は取れよ」
「リリーナ様」
アルルはめちゃくちゃ不安そうだ。
「まあアルル。ここはこの馬鹿に任せてみようじゃないか」
「ありがとうございます。取りあえず、人目に付かないところに連れて行きたい。手伝ってくれますか?」
師匠はしぶしぶ、アルルはビビりながらも手伝ってくれた。
俺達は青色をギルドの宿直室へと運び込んだ。村人に見つからないように。早く目覚めればいいのだが。
……暴れなきゃいいけど。
五に続く
ありがとうございました!
次回からもよろしくお願いします!
早めに上げたいと思っています!
もし気に入って頂けた方は、厚かましいお願いなのですが、ブックマークや評価して頂ければ嬉しいです!
感謝の極み!
よろしくお願いします!