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2-5 あれ? こいつら強いんだけども? 流石の俺もやばいかもだぜ!? 決戦! キンチョーとキュービ!

二話の五です!

よろしくお願いします!

新しくブックマークしてくれた方ありがとうございます!

やる気出ます!


第二話の五


「ほらほら。どんどん行くぞ!」

 俺は負けてない。やり合えば押しているのは俺だ。でも、美味しいのを当てていくのだけは全部金長ダヌキの方だ。いいところで必ず金長ダヌキは俺の目の前から消える。九尾ギツネの見せる幻覚で。

 正直、どこから幻覚なのかは全くつかめない。途中からなのか? 最初からなのか? それすら全く分からん。とにかく俺はタコ殴りだ。まだ、大丈夫だ。自分でも驚く耐久性だが、ずっとは持たんぞ。

 どうにか対応しないと。

 けど、駄目だ。アオウとやった時よりも動きも悪い気がする。あの時は一撃で決めれたのにな。これも幻覚の影響なのか?

 岩壁に叩きつけられること、記念すべき10回目。流石にキツイな。口の中も切れやがった。口の中の血をつばと一緒にとばして立ち上がる。

 敵も敵で信じられんといった顔だ。

「この子凄いわあ」

「バケモンだの」

 こっちから見たらお前らの方がバケモンだけどな。でも、その感想は分かるぜ。バケモンだよ。俺は。普通じゃねえ。でも、だから助かってる。

 けどそろそろキツイな。敵はまだまだ余裕そうだし。ここはあえてターゲットを変えるか。

 俺は金長ダヌキに行くと見せかけて、寸前で方向を変えた。

「何!?」

 その驚きよう。やはり、九尾ギツネが弱点か! コンビネーション破れたり。

 俺の渾身の右ストレートは見事に空振りした。後ろから九尾ギツネの声がする。

「私の方が組みやすしと思って変えてきたのかい? 賢いけど馬鹿だねえ」

 後ろから身体の真ん中のライン。正中線ってやつかな? をついた連撃を浴びせられ、やはり俺は岩壁行きだ。

「キュービもわしも実力にはそんしょくない。わしも幻覚を見せることはできるしの。だからこそわしらには穴が無いんだ」

 おっしゃる通りで。さあ、現状もうやれることはないぞ。

「終わりかの?」

「惜しいわねえ。ホントに強いのに。飛びかかるだけしかできないなんて。他の力は使えないのかしら?」

 それができれば苦労はしねえが、何で緑色の時はできたのかな? 自分でも分からねえけど。とりあえず気合入れてやってみるか!

 俺は両手を前に突き出して力を込めた。するとビックリ。連中の後ろの岩壁が吹き飛び、空いた穴からは外の森が見えている。

「へへ。やってみるもんだな」

 二人もこれにはビビったみたいだ。

「なんてデタラメな力だ」

「当たってたら今頃……でも当たってないわ。強くてもコントロールはできてない」

 その通りだ。ちくしょう。

「今度は初めから幻覚を見せてあげる。疲れたあなたじゃ抗えないでしょう? 強化も解いた今ではもうキンチョーの攻撃には耐えられない」

 御名答。その通りだ。さあどうするよ? 逃げるか?

「ダメダメ。逃さない」

 突如として視界が真っ暗になる。そして空に浮かぶ、金長ダヌキと九尾ギツネのどアップ顔。

 注文の多いなんたらかな?

「どう料理してやろうか?」

 まんまじゃねえか。

「パクリはいかんよ。パクリは」

「何言ってるのかしら? この子は」

 さて、ヤバイな。

「さあ、もう終わりだ。直ぐに片付けてやるぞ」

 いよいよもって終わりか。ガソリンで死んでから早かったな。こっちじゃ享年数日だぜ。これじゃ享日か。何か幻聴も聞こえるな。大声が近づいて来るような。

「うおおおおおおおおおおおおお!」

 あれ? この声って……。

「ぐああああ!」

 突然、悲鳴が上がったと思ったら視界も開けた。金長ダヌキが吹っ飛んでる。やったのは……。

「待たせたな! 大丈夫じゃったか?」

 アオウだ! いいところで来やがる! 流石は俺の嫁だ!

「アオウ! 助かったぞ!」

 アオウは俺の様子を見て首を横に振った。

「またこっぴどくやられたのう」

「アオウ? まさか架け橋のアオウだというの?」

 九尾ギツネの声にアオウが反応する。

「そういうお前はキュービじゃないか? あっちのはキンチョーか? お前らこんなところで何をしとるんじゃ?」

 何? 何? 知り合い?

「婿殿がやられとるからおかしいとは思ったんじゃ。気をつけろ婿殿。連中はワイルドカードのキンチョーとキュービ。凶悪な奴らじゃ」

「ワイルドカード?」

「テロ集団じゃよ。連中はそこの大幹部じゃ」

 ひええ。ヤバい人たちじゃん。

「あいつらもわらわと同じでキングとかじゃぞ」

 マジでヤバい人たちじゃん。

「そうそう聞いたわよ。アオウ。架け橋の連中皆殺しにしたんでしょ? えげつないわね。それで何? それがあんたの男ってわけね」

「そうじゃ。わらわは婿殿の子を産むのじゃ」

 言い方が重いんだよな。いちいち。

「そうなんだ。でも私、あんたの男。喰っちゃいたいんだけども。どうする?」

 その言葉でアオウがキレたのは容易に分かった。九尾ギツネも誘っているんだ。二人の間に火花が散るのが見えるみたいだ。

「私の婿に手えだすなら殺すぞ」

「言葉使いが変わってるわよ。おバカさん」

 どちらからともなく飛びかかり、二人は戦闘を始めやがった。ホントどいつもこいつも気が短いな。見た感じ実力は拮抗してるみたいだ。とにかく、俺もアオウを援護しなくては。

 だが、そんな俺に金長ダヌキが突っ込んできた。

「お主はわしがおるぞ!」

「ちくしょう!」

 即座に肉体強化して対抗するが、うまくいかない。疲れてるのもあるだろうし、幻覚もあるんだろう。

「クソっ!」

 金長ダヌキに殴られてよろける。吹っ飛ばなかったのは攻撃のタイミングの問題だろう。

 やはり、コンビの時よりもやりやすいのは間違いない。タヌキはキツネよりも幻覚が下手くそだ。でも、問題はこっちの消費だ。

「どうした婿殿?」

 アオウが飛んできて、体を支えてくれた。そういやアオウは幻覚大丈夫なのか?

「ありがとう。アオウは幻覚みえないのか?」

「わらわは肉体強化で同時に対応済みじゃ。少々なら効かん」

 そうかなら敵は?

「クソ青色があ!」

 ガレキの中から九尾ギツネが出てきた。アオウは本当に強いのな。

「キュービ。勝手に先行するな。わしらはコンビなら誰にも負けん」

「そうね。あのガキは腹立つけど、少し落ち着きましょうか」

 二人はまたコンビネーション攻撃をしかけてくるつもりだ。

「いけるか? 婿殿」

「大丈夫だ」

 俺は姿勢を立て直す。少しよろけるがまだいける!

「なんか動きが悪い気がするの? 何かあったのかの?」

 そう言ったところでアオウは何か気がついたようだった。

「婿殿! まさかまだシンクロしたままか?」

「えっ?」

 そういやそんなのあったね。忘れてた。

「多分」

「それじゃ調子良くならんで当たり前じゃ。シンクロは少しでも多大な力を使うんじゃ。ほら、早く解け」

「解くってどうやって?」

「力を呼び戻す感覚じゃ!」

 ここの連中は説明が抽象的でよく分からん。まあこいつらは感覚でできるんだろうけどもな。

 そんなことを言っている間に、金長ダヌキが突っ込んできた。やれやれ大ピンチだぜ!

「おっしゃる通りにやってみるぜ!」

 金長ダヌキの渾身のタックルは決まらなかった。というか、俺が止めた。片手で。

「何!?」

「キンチョー!?」

「へっ! いい感じだぜ」

 アオウの言った通りだ。力が湧いて出てくる。

「さあ。反撃開始といこうか!」


 六に続く


ありがとうございました!

次は二日後目安に上げたいと思います!

よろしくお願いします!

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