表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/24

1-1 死んだと思ったら変なところに! それでもって緑色の変なのに襲われてます!

つたないですが、書いてみました!

気合入れて書くのでよろしくお願いします!

第一話の一


 俺は藻添田定(もてんださだめ)

 その名の通り、モテないように定められたような男だ。


 彼女いない歴39年。無論生きた分だけだ。容姿最悪。性格は、自分で言うのもなんだが誠実に生きてきたつもりだ。しかし、世間は残酷だ。見た目だけで俺を判断しやがる。

 高校時代、諦めきれずに告白すること128回。行動力だけは立派だと周りに言われながら、全て撃沈した。

 親に勧められ大学に行く。大学には可愛い女の子が山ほどいたさ。しかし、俺には関係なかった。女の縁は一つも無かった。真面目に生きてきたからか、友達はそこそこできたが。

 でも、その友達も社会に出ると離れていく。皆仕事に家庭に忙しくなる。俺になんて構っちゃくれない。

 ただ一人を除いては。


「藻添田。お前まだ童貞だろ? そんなんだからうだつも上がらねえんだよ。風俗でも行こう。風俗」

 そう言うのは、大学時代からの友人である軽田遊矢(かるたゆうや)

 根っからの遊び人だ。モテるくせにアラフォーになった今でも身を固めずに遊んでいる。

「そういうのはちょっとな」

「何を糞真面目な事言ってんだ?」

 軽田は俺の肩を強く叩いた。

「少しくらい遊ばねえと、運も回ってこないんだよ。良い店見つけたんだ。そこに行こうぜ」

 そんなこんなで、俺は軽田の言う良い店に連れて行かれた。そこでまた、事件は起こった。

 受付を済ませ、待っていた俺に店員が声を掛けてきた。

「少し良いですか?」

 店員は俺に監視カメラの前に立つように促してきた。嫌な予感しかしない。

「何やってんだよ? これ」

 軽田もどこか不機嫌そうにそう呟いたと思うと、店の奥がにわかに慌ただしくなった。

「あの、すいません。お客様、今日の所はお引き取り願えないでしょうか?」

 やっぱりか。俺はそんな感想だった。

 しかし、軽田はそうもいかなかったらしい。

「何言ってんだ! てめえ、ふざけてんのか!?」

 凄い剣幕で店員に迫り、店員も困惑していた。

「しかし、嬢が駄目だというので……」

 軽田はもう怒り心頭といった感じだった。

「俺もキャンセルだ! 二度と来ねえからな!」

 軽田がそう言い残し、俺達は店を出た。


「何て店だ! ふざけやがって!」

「まあまあ。想像出来たことじゃないか」

 俺のその一言に、軽田は溜息をついた。

「お前。馬鹿にされたんだぞ。お人好し過ぎるだろ」

 俺は苦笑いした。

「慣れっこさ」

 軽田は更に溜息をついた。

「あああ! もう帰るぞ! 車に行こう」

 ……

 車の元に着いた俺達は言葉を失った。

 軽田の車を置いた有料駐車場には、巨大なトラックがこれでもかと言わんばかりに豪快に突っ込み、停められた車達は全て、見るも無残な姿になっていた。


「俺の車が……」

 軽田はゆっくりと自分の車だったものに近付いて行った。こうなっては最早鉄くずだ。

「ローンが後、4年残ってたんだぞ……」

「だ、大丈夫だろ。トラックの保険で何とかなるさ。多分……」

 何と慰めていいものか分からなかった。

「取り合えず、生きてて良かったじゃないか。タイミングが悪かったらさ。死んでたぜ?」

「そ、そうだな。何とかなるな。はは……」

 軽田は震える手つきで煙草に火を点けた。

「あんたら! そこで何してんだ! 早く離れろ!」

 後ろから急にそんな怒鳴り声が聞こえた。俺達は驚いて後ろを振り向いた。

「トラックからも車からもガソリンが漏れてんだぞ! 死ぬぞ!」

「へっ?」

 俺は見た、動揺した軽田の手から火の点いた煙草が落ちていくさまを。青ざめる軽田の顔を。

 次の瞬間、熱い! という感覚が襲った。

 でもそれも一瞬だった。

 死の狭間で聞こえた大きな爆発音。その後、俺はどうなったのか?


 本当どうなったんだ?

 そんな思いと共に、俺は目を覚ました。

 まさか、生きてんのか? 俺は。

 ガソリンに火が燃え移って、俺はその炎に巻かれて、更には恐らくだがトラックのガソリンタンクが大爆発したんだぞ。

 生きてるはずねえだろう。

 でも、俺には意識がある。生きてる。間違いない。涙が流れた。医学の進歩にはただただ感謝である。

 この先は、医療に貢献できるように生きよう。そう確信した。それが俺に与えられた天命なのだ。

 生きている喜びに胸おどらせ、感謝しながら俺は目を開けた。そして、大きな違和感に襲われた。


 俺はベッドに寝ているものだと思っていた。包帯でぐるぐる巻きにされながら。大やけどってそういうもんじゃないの?

 俺の前に広がっているのは、地面だ。俺はうつ伏せだ。土臭え。

 まさか、爆発直後なのか? 俺頑丈過ぎない?

 俺は手をついて立ち上がる。立ち上がって、手のひらを見た。火傷の後もどこにもない。

「はは……。すげえ。何ともねえや。ははは、ひひひ」

 変な笑いが込み上げてきた。だが、新たな違和感に気が付く。頭から何か垂れてくる。

 触ってみると、血だ。大量の血が頭から流れている。そうか、火傷はまぬがれたが、爆発によって頭に大怪我を負ったのだろう。間違いない。一大事だ!


「び、病院に行かないと」

「ああん。医者に行くだと?」

 正面から、低くおぞましい声が聞こえた。何事かと、俺は前を向いた。

 そこには、どこかゲームででも見たことがあるような奴が立っていた。

 鬼というか、ゴブリンとかいう奴なのか? とにかくそんな感じだ。デカい。3メートルくらいはありそうだ。北海道旅行に行った時に見たヒグマの模型並みにデカい。そして、なんか緑色だ。


 俺はあまりの光景に声を失った。

「何だ? 何も喋れねえみてえだな。しかし、驚いたぜ。まさか、俺に頭殴られて立ち上がりやがるとはよ」 

 は? 何言ってんだ? こいつは。

「これはタンクが爆発したんだろ?」

「は? 何言ってんだ? こいつは」

 緑色は俺の後ろを指差した。何か可愛い女の子がへたり込んでいる。何か震えている。何か剣みたいの持ってる。

「そいつを殺そうとしたら、お前が割って入って来たんじゃねえか。お前、馬鹿なのか?」

 意味が分からない。こいつの言うように、俺は馬鹿になってしまったのかもしれない。しかし、女の子はどう見ても怯えていた。俺は放っておけなかった。


「お前。この子をどうするつもりなんだ?」

「はあ? 決まってんだろ。殺して喰うのさ」

 何と空恐ろしいことを言うものだろう。

「この子が何したって言うんだ!」

「はあ? この女は俺を殺しに来たんだよ。返り討ちにして当然だろうが」

「えっ? ああ、そうなんだ」

 何かそれを聞くと正当防衛のような気もしてきた。


「ふざけないで!」

 女の子が突然声を上げた。

「あんたがどれだけ村の人を殺したか忘れたとは言わせないわ! だから、あんたは討伐しないといけないの!」

 そう聞くと、しようがないように思える。


 緑色は舌なめずりしていた。

「旨かったぜ。あの村人共は。でも、そのざまでどうするんだ? 人間のギルドって奴は無能しかいないのかね? こんな雑魚女一人寄こしてよ」

「なめるな! 私はA級! 誇りにかけてお前を倒すんだ!」

 そうは言うものの、腰が抜けて立てそうもなかった。俺が見ても駄目だこりゃ。


「こんなのがA級ね。たかが知れてるな。そんで、そこのナイトよ」

 俺か? 俺は俺を指差した。

「そうだ。お前、どうする?」

「どうするって、何が?」

「俺はお前には興味がねえ。男は喰っても大して旨くないしな。見逃してやってもいいぜ」

 はっきり言って意味が分からない。早く病院に行きたい。爆発はどうなったんだろう?

 様々な想いが交錯したが、やはり一番肝心なのは。

「俺が行ったら、この子はどうするんだ?」

「言っただろうが。殺して喰うんだよ。晩飯だ」

 俺は悩んだ。勝てるとは思えない。しかし、見捨てるのも有り得ない。


「あ、あのさ」

「あんだよ?」

「二人とも見逃してくれない?」

「駄目だ」

「だよね」


 瞬間、俺は辺りを見渡した。ここはどうも森の中だ。周りを木に囲まれている。町中にいたはずなのにどうなってんだ?

 でも、今はそんなことはどうでも良かった。状況を確認した俺は女の子を担いで走り出した。

「何してるんだ!?」

 女の子が叫んだ。

「何してるって!? 逃げるんだよ!?」


 女の子は意外に軽かった。何か重装備に見えるのに不思議だ。それに、思ったより俺は速い。

「私なんて置いて逃げろ! そうすれば君だけは助かる!」

「大丈夫!大丈夫! ここは木が生い茂ってるし、ああいうのの使う武器は棍棒的な奴って相場が決まってんだ。動きも鈍そうだし、木に紛れればいける!」


「ふう。やれやれ」

 後ろから、そんな溜息交じりの声が聞こえた。あの緑色だ。木の陰にとっさに身を隠し、俺はあいつの方を見た。

 緑色は背負っていたブツを手にした。見てくれ的にあれは機関銃だな。中型の冷蔵庫くらいの大きさじゃねえか。

「何あれ?」

「だから言ったんだ!」


 即座に機銃掃射が始まった。木々がまるで豆腐みたいに宙に舞っていく。俺に頭の上も弾が通り過ぎて行った。なんて風圧だ。

「あんなの! キャラクターのイメージと違い過ぎない!?」

「何を言ってるんだ!?」

 しばらくすると、掃射が止んだ。


「見つけた」

 そんな声がしたと思うと、あっという間に開けた目の前に緑色が飛んできた。

「こんな速いキャラクターなの……」

「さっきから何を言ってるんだ……」

 俺達はそう呟いて言葉を失った。


「馬鹿だねえ。お前。助けてやるって言ってるのにさ。死刑確定」

 万事休すなのか? よく分からないが、この短時間で俺は二回死ぬのか?

「まあ、さっきの拳骨で死んだと思ったんだけどな。でも、今度は無理だぜ」

 バカでかい銃口が俺に向けられる。手を挙げても許してくれないだろうな。

「どうしたよ? さっきみたいに抵抗してみないのか?」

「さっきみたいに?」


 緑色が何か言ったが、俺には理解出来なかった。恐らくはこいつの言う殴られる前の事なのだろう。俺からすれば、ガソリン大爆発の方が記憶に鮮明なのだが。

「ど、どんな感じで?」

 緑色は首をかしげていた。


「両手を前にやってよ。超能力って言うのか? やってたじゃねえか。あれには驚いたぜ。俺が少しでも動きを止められたからな」

「こうか?」

 俺は言われたように両手を前に出してみた。でもやっぱり畜生、何にも怒らねえじゃねえか。

「あはははは! もういいや。お前はバラバラに銃殺確定。女は殴って殺して喰うぜ。じゃあな」


 撃たれる! 撃たれる! やばいって! どうすんの! もうヤケクソだろ! 集中だ! 集中しろ! 俺!


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!

 ……

 恐ろしく長い銃声が響き渡った。俺は目をつむっていた。しかし、一つ確かなのは、俺は、生きているッ!


 俺は目を開けた。目の前にはおびただしい数の巨大な弾丸が宙に浮いている。意味が分からない。頭が混乱しそうだ。

 緑色も同じような感情らしい。

「何だ? こりゃ、お前がやってんのか?」

 分からないが、確かに何か押されてるような感じはある。

「そうなのかな?」


 とにかく押し負けちゃいけない気がした。どうすりゃいいのかは分からなかったが、とりあえず押し返す気持ちで腕を前に押してみた。

 次の瞬間、緑色は跡形も無く、目の前で爆散した。なんだこれ? 俺がやったのか? あいつ、緑色……死んだのか?


「凄い……」

 後ろでそう呟く声が聞こえた。あの女の子だ。立ち上がり、俺に近付いてくる。

「貴方は命の恩人です」

 そうなのかな? まあ、状況的にはそうなのだろうが、俺には訳が分からない。女の子は涙を流しているが、俺にはもうなんのこっちゃだ。

「私の名前はアルル。アルル・メル。是非、私の村に。そしてギルドに。是非、お礼を。怪我の治療もしないと」

 そうだ。忘れてた頭のケガだ。ガソリン爆発だ。


「酷い。美しいお顔が血に染まってしまって……」

 は? 何言ってんだ? こいつは。

「とにかく病院に……」

 駄目だ。俺は思った。緊張の糸が切れたのだろう。意識が遠のいていく。

「大丈夫ですか!? だいじょ……」

 だんだん声が遠くなっていく。こうして堕ちていくのは、何だか、気持ち良かった。

 俺はどうなったんだろう?


 二に続く。

ありがとうございました!

続きも良ければ読んで下さい!

頑張って上げます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ