6話 そっちのほうが余計に恥ずかしいし!!!
私、リリ、私のおしっこをなめまわした変わった少女の三人はとりあえず、リリの家まで戻ることにした。しかし、リリは相変わらず目覚めない。
私はリリをおんぶして、運ぶことにした。17歳の私が10歳の女の子を背負っていればさながら姉妹のような姿だろう。
しかし、私のワンピースはレモンイエローに染まっていてはたから見たらこの状況はまさしくカオスだ。
普通ならひらひらと舞うはずのワンピースの裾が濡れて私の太ももに張り付いてきて冷たい。それに周りの人から見れば明らかにお漏らししたとばれるような見た目だ。本来なら手で隠しているはずなのに今はリリを背負っているから不可能。
自然と恥ずかしさで頬や耳が赤くなる。
「おねえさん、お耳真っ赤だよ?? おもらしして恥ずかしいの??」
なっ、この子は平然と胸に刺さることを……
それも見た目は私より2歳ほど年下ぐらいで年上としての誇りが崩れていく。
「恥ずかしいなら私がなめてきれいにしてあげようかぁ?」
「い、いらないよそんなの!! そっちのほうが余計に恥ずかしいし!!
断っておいて、こんなこと言うのも恥ずかしいんだけど、できたら私の前を歩いてほしい……」
年下相手に何を頼んでいるんだと恥ずかしくなり徐々に尻すぼみする私の声。
「しかたないなぁ。ねっお姉さん。私がそれしたらまた今度飲ませてくれる??」
あれ、さっきも約束したのによほどほしいんだなぁ……
それにしても、なんで私のおしっこなんか飲みたいんだろ。おしっこよりも絶対に血を飲んだほうがましだと思うんだけどなぁ。私はそんな疑問を抱きながらも家を目指した。
ちょうど帰っている途中だった。突然背中でリリが動く感覚。
「リリ、大丈夫?? 目、覚めた??」
「すみません、私寝ちゃってましたか。おもらしなんかして私よりも子供っぽい七瀬海色におんぶされるとは……」
起きてそうそう憎まれ口をたたくようなリリだったが、それでも私は安心していた。
そのまま私はリリを家まで運んだ。
それからおもらしの後処理などがすべて終わり、私たち三人はリビングにあるテーブルを囲んだ。
「七瀬海色、あえて聞いていなかったのですが、どうしてこの子が??」
リリの視線は私のおしっこを飲んだ女の子へ向けられていた。
「ええっと、いろいろあって……」
「えっと私から説明するねぇ。私は人の血を吸って魔力を補充するような偉大なる吸血鬼の一族のミリア…… けど私、血の味が嫌いだからぁ困ってたのぉ。そしたらぁ、そこのお姉さんが私の前でお漏らししたの。でもそのおしっこには魔力があってねぇ、これだ!!ってなったのぉ」
「これだ!! じゃないよ!!」
私が即座にそうやってつっこむと、やけにふわふわとしたような喋り方でしゃべるその少女ミリアはにひひとわらった。
「私の家が今日一日でずいぶんと賑やかになりそうです。全く……」
嫌そうに言うリリだったが、その様子はどこか嬉しそうだった。