第15話 異世界への門
ここまで長かったよ。
普通、異世界へ行くのは1話でトラックさんこんにちはで行きますからね。
ついに来た!俺は異世界に行く!
今日はついに和人が待ちに待った満月の日、満月の光が和人を照らした時和人は異世界へ行く。
和人は今日までに準備をしてきた。
今までお世話になった方々に感謝を伝えて、もうここには戻ってこないことも伝えた。
するとみんなに伝えた一週間後に開催されたお祭りで送り出し会をしてくれた。
ものすごく盛り上がりその日俺は初めてお酒を飲んだ。
そこでわかったことは俺は底なしだったことだ、なのでいろんな酒を飲まされた。
他の日は図書館へ通った。
なぜ図書館へ行ったのかというとトアがこの世界の情報を知っておきたいと言ったからだ。
最初は本を空間支配の範囲に入れて思考加速と並列演算を使い完全記憶で情報収集をしていたのだが、情報が足りなかったようなので図書館にあるコンピューターのインターネットに同じことをしたら、情報量に満足したらしくその後は図書館に行ってない。
後で聞いた話なのだがその時のインターネットにある全ての情報を手に入れたそうだ。
いらない情報や同じ情報は捨てたようだがとんでもない情報量のはずだ。トア、すごい!
俺がやったら頭が爆発しそうだ。
それから悲しい話なのだが、爺ちゃんはあの時から意識が戻ることはなく、天国へ行ってしまった。
でもしっかりと背中は押してもらった!
だから大丈夫だ。
爺ちゃん、天国で父さんと母さんと一緒に見ていてくれ!
この30年間、この世界で俺はいつも支えてもらってばかりだった。
だから、異世界では支える側になってみたいと強く思う。
みんな、ありがとう
夜が来た。
今日は雲ひとつない良い天気だ、星々が輝いている中一際目立つ存在がある。
満月だ。
(よし、必要最低限の荷物は持った、トア、行くぞ)
『はい、マスター』
神格自立型補助核にトアと名付けた時、機械感が薄れて、娘の方が濃くなった、っと思った時、その後なんで変わったのか聞いてみた。
(なぁ、トア、今声の雰囲気が変わらなかったか?なんで変わったんだ?)
『マスターの言葉を使って説明すると機械の声と娘の声の割合を調節したから変わったのでしょう』
(つまり、普段、機械の声50パーセントと娘の声50パーセントを機械40パーセントで娘の声を60パーセントにしたりするとあんな風に雰囲気が変わるのか)
『はい』
(じゃあさ、普段から機械の声40パーセントで娘の声60パーセントにしてよ)
『わかりました、どうですか?』
(いいね!とてもいいよ!)
ということがあり今もその声なのだ。
ピカーーーーーーー
光が俺を包む。
『ついにこの日が来たな和人よ』
(神様、お久しぶりです)
返事を返しながら和人は泣いてしまった。
もう聞くことがないと思っていた、今亡き爺ちゃんの声だからだ。
『それで儂が与えた力の方はどうだ?』
(はいとてもいい子をもらいました)
『そうかそうか、神格自立型補助核よ和人のことを頼んだぞ』
『…神様、私の名前は神格自立型補助核ではなく、トアです』
『ほほう、仲良くやっているようじゃな!ではもう一度、和人のことを頼んだぞトアよ』
『はい』
(それで神様、どのようにして異世界に行くのでしょうか?)
『儂が異世界への門を開くので和人は門を通り抜ければ異世界じゃ、それでもうこの世界ですることはないのかの?』
(はい、この日までにお世話になった方々へ感謝を伝えることができましたから、いつでもいけます)
『それでは行くといい』
そう言って後、俺を包む光の前に神々しい門が現れた。
『さぁ、行くがいい和人よ』
(神様…いや、爺ちゃん俺行ってくるよ)
俺は門の中に入っていった。
『行ったか…これで和人に儂の役目を継がせずに済んだ』
『さて、後数億年頑張るかの』
役目を継ぐ、そう神の血を宿す者には神になる資格があるのだ。
今の神様は十数億年間その座から退くことなくやって来たのだが限界が近づいて来たと感じ、分身体を作り自らの血族を作り、その子にその座を譲ろうとしていた。
しかし、いざやってみると和樹も和人も可愛くてしょうがないのである。
そんな二人に数十億年見守り続けるだけの役目を渡すことはできなかった。
『やはり、儂は血族から神を生むのではなく、他の神にこの座を譲った方がいいな』
神の座に着いて数十億年、神様は息子と孫に愛を捧げたのであった。
なぜ和人が神の血を宿したかを説明しました。