第14話 共に歩む
前回の少年の話は名前の意味、想いが重要だと思ってもらうために書きました。
和人はより詳しく聞いてみることにした。
(ちょっと待て、君ができることは補助って言ったよね?)
『はい』
(じゃどうして俺のことを分析したの、ていうか分析ができるじゃん!なんで言わないんだよ)
『分析したのはこれから補助する方を知っておくべきと判断して行動したまでです』
まぁ何も知らないよりも知っていた方が補助しがいがあるのかもな。
そして、自分で判断、自立型って言ってたもんな。
そして回答しなくていいと判断したのだろう、なぜ言わなかったという質問の答えが返ってこない。
でもこれでこの神格自立型補助核さんは分析という能力があることがわかった。
他にはないのかな?
(あと君…名前は?)
『私は神格自立型補助核です』
ですよねー!そう返ってくるのわかってた!
(あのさ、それは名前ではないと思う)
『いえ、私は神格自立型補助核です』
(はぁ、わかったよ今はそれでいい)
和人はこれ以上聞いても無駄だと思い次に進む。
(それで君は俺の補助をしてくれると言ったよね、なら補助という形ならなんでもできるのか?)
『いえ、私に与えられた能力があります、それらを使いマスターを出来る限り補助します』
(そっかそれじゃその能力を教えて)
『わかりました、私に与えられた能力は分析・解析、並列演算、完全記憶、エネルギー保存庫、空間支配、万能感知、精神支配無効、思考加速、精神支配、能力共有、の10個です』
おー!この娘は使えるぞ!
これらの10個の能力の性能はこのようになっている。
1 分析・解析
和人を通してす使用した際、対象に接触触れる、または和人が対象と会話をしている際、和人の耳を通して対象の声からなど間接的に分析・解析ができる。
しかし、能力共有を使用すると和人も使えるようになり、和人は一々聞かなくても知ることができる、神格自立型補助核は直接対象を分析・解析できる
2 並列演算
無数の独立した脳が存在するかのように分岐したそれぞれの脳が考えることができる。
この能力は神格自立型補助核が常に使っている。
能力共有を使用すると使えるようになるのだが、和人は補助無しでは使えない。
3 完全記憶
ありとあらゆるものを記憶する。
一度記憶すると絶対に忘れない。
不要な情報は捨てることができる。
能力共有を使用すると使えるようになるのだが、和人は補助無しでは使えない。
4 エネルギー保存庫
神格自立型補助核が活動するためのエネルギーを貯めておく庫。
エネルギーの補給の方法は強い感情、運動エネルギーなどいろんなものをエネルギーへ強制変換してエネルギー保存庫に収容する。
また何度か同じものを変換した場合変換効率が上がる。
収容量は無限。
能力共有で和人も使えるようになり、今は体力などを回復できる。
5 空間支配
神格自立型補助核が和人を通して半径約5センチの球体状の中を支配下に置く。
能力共有をしても和人は補助無しでは使えないが神格自立型補助核は半径5メートルまで範囲が広がる。
6 万能感知
ありとあらゆるものを感知することができる。
能力共有をすると使えるようになるのだが、和人は補助無しでは使えない。
7 精神支配無効
精神への攻撃を無効することができる。
この能力だけは常時発動しており和人も守られている。
8 思考加速
考える速度を上げる。
何倍にもなる
能力共有により和人も使える
9 精神支配
神格自立型補助核の唯一の攻撃手段、だがこの能力も間接的でしか対象に攻撃することができない。
能力共有を使えば和人も使えるが補助無しでは制御できない。
また、神格自立型補助核は直接攻撃できるようになる。
主な攻撃方法は精神崩壊や精神書き換えなどなど。
10 能力共有
使用中は和人も他の9個の能力を使えるようになる。
また同時に9個の能力を使うこともできる。
この能力を使用することによって神格自立型補助核は心核の中からではなく直接、能力を行使することができる。
また性能上昇する。
和人は神格自立型補助核の有能さに歓喜していたが同時に恐ろしさも感じた。
(1、2、3、4、5、6、7、8、と10は最高なんだけど9の精神支配って恐ろしい能力だな、それで…この能力は俺にも使えるのかな?)
『はい、勿論マスターも能力共有を使えば使用することができます』
(違う違うそっちじゃない、俺を対象として使えるのか?って質問だったんだ)
『マスターを対象にして使用することは可能です』
ですよねーーー!怖いよ!
神格自立型補助核が体が欲しいとか言って、俺を精神支配する可能性が出てきた。
追い出したい、というかこの娘、強くない?
俺、何も抵抗できずに支配されそう。
(あのさ、これは仮の話だよ!)
『はい』
(君が俺を支配することってできるの?)
『支配することは可能です』
『ですが、マスターには私が常に能力共有を使用させ精神支配無効を発動させているので、能力共有を解除しなければ支配することはできません』
あっ!そっか精神支配無効があるから大丈夫だ。
ひとまず安心できたのかな?
(あともう一つ仮の話をするね)
『はい』
(もし、君が能力共有を解除して俺のことを支配したとしよう、その時、俺は君に何かされたりするのかな?)
聞いてみたものの、もし精神崩壊や精神書き換えをするとか言ってきたらどうしよう…
『いえ、なにもしません』
(精神崩壊や精神書き換えも?)
『私は神格自立型補助核です、名前の通りマスターを補助する者でありマスターに攻撃することはできません』
よし!よし!
どうやらこの娘は俺に攻撃できないようだ。
これで完全に安心出来たな。ハハハハハは!
和人が神格自立型補助核と心の中で会話が終わる頃丁度家に着いた。
(とりあえず、これからよろしく)
『はい、よろしくお願いします』
家には入りそのまま2階へ行きベットにダイブ。
それから神格自立型補助核に話しかける
(俺と君はこれからずっと一緒なんだよね?)
『はい』
(それでこれからずっと一緒なのに神格自立型補助核って呼んだり、君って呼ぶのもなんかおかしい気がする)
『でしたらマスターの好きなようにお呼びください』
(オッケー、今から考える!いい名前にしないとな!)
数十分後
全然思い浮かばない!
名前なんて誰かに付けたことないし、どうしよう。
この機械娘に適当する名前だとすると…
無理、思い浮かばない。
はぁ〜どうしよう、これらずっと一緒なんだからいい名前にしてあげたいのに。
ん?
一緒?
あ!そうだ!これがいいな、これにしよう
(決まったぞ、君の名前言ってもいいか)
『はい』
(君の名前はトアだ!)
『わかりました、これからはトアと名乗ります』
もっと喜んでくれたっていいのに、それに意味とかもあるのになんで聞かないのかなーー
(ちなみにその名前には意味が込められています)
『なんでしょうか』
(これからずっと一緒、だから俺とこれからの人生を〝共に歩む〟ってことでトアになりました、どうかな?)
『マスター、ありがとうございます』
お!なんか機械感が薄れて、娘の方が濃くなった気がする。
こうして神格自立型補助核は俺によってトアと名付けられた。
よろしくお願いします。