第12話 背中を押してくれる人
よろしくお願いします!
おはよう諸君!!
俺の名前は一条和人だ。
現在30歳、独身、友達もいません、彼女もいません
あっこいつダメなやつだ!
と思ったそこのあなた!
見る目がない出直しな!
そう!なんたってこの俺は神の孫なのだから!
俺の中にある神の力を見せてやろう!もっとも技に耐えることができるのならな!
いくぞ!
〈神の拳〉
どうだ!見たか!これが俺の力だ!
ハハハハハははははははははははは!
すみません取り乱しました。
おはようございます。和人です。
ついに念願の異世界へ行けることになりました。
ありがとうございます。
これも皆さんが支えてくれたからこそです。
異世界にどのような危険があるのかわかりません、ですがそれら全てを乗り越えていく所存です。
とまぁ、皆さんにお礼も兼ねてより一生懸命頑張ります。
それから神様の力の一部ですがなにも感じないので、どうやらまだ馴染んでないようだ。
ベットから起き上がり布団を整えてから一階に降ります。
時刻は午前4時。
二度寝と言っても3時間くらいでした。
異世界へ行く条件はクリアしているのでもう鍛えなくてもいいのですが、やはり今までやってきたことをやめるというのは無理なのだ。
走らないと1日が始まらない感じがする。
3時間後
いつものコースを走りながらみんなに朝の挨拶をしてきた。
家に入る
「爺ちゃん、ただいま」
「…」
返事がないのでそのまま部屋に入る
とそこには誰もいなかった!
すぐ、ベットに触れる。
熱は感じない。ということは結構時間が経っているか
俺はすぐ二階の部屋へ向かい携帯を見る。
そこには電話帳に登録してある隣に住むおばあちゃんの番号から何件か電話が来ていた。
俺は隣に住むおばあちゃんに電話をする。
トゥルルルル、トゥルルルル
「あっ!和人ちゃんやっと帰ってきたんだね、それより和人ちゃんのおじいちゃんが倒れて救急車で運ばれてったよ」
俺は電話で話しながら家を出て自転車に乗って大型病院の方へ向かう。
「ばあちゃん、何時くらいだった?」
「えーと確か今から1時間前くらいだった」
「ありがとう」
そう言って俺は電話を切った、ばあちゃんには後で謝らないとな。
30分後
病院につき受け付けで聞くと病室にいるそうだ。
面会を求めよと思ったのだがその前に診断結果を先生が説明してくれるようだ。
先生が居る部屋につき待つ。
やがて呼びたしがかかったので中に入る。
「君が一条和正さんのお孫さんの一条和人さんですね?」
「はい、それで爺ちゃんはどうなんですか」
「お祖父様は加齢による老化です」
どうやら、年を重ねるにしたがって、体を構成する細胞の組織の能力が低下することを老化といい、老化が進むと、細胞が増殖できなくなって死滅することにより、全身の臓器の機能が低下して、胃腸の機能も低下して、やがて食べることも飲むこともできなくなり、やがて死に至たってしまうらしい。
俺は爺ちゃんのもとへ行く。
病室に入ると爺ちゃんがいた。
寝ているようだ。
(昨日神様は次の満月って言ってたけど、もしかして次の満月には爺ちゃんはいないのかな)
爺ちゃん、俺の最後の家族。
この9年間、俺のことを見守り続けてくれた人、厳しかったし怒ると怖かった。
でもそれ以上に幸せだった。
両親が亡くなってからはずっと一人だった。
両親が亡くなった時に爺ちゃんのもとへ行っても良かったのだがあの街には父さんと母さんとの思い出があるから離れることができなかった。
しかし9年前、修行の限界が来たとしても、ここには来るつもりはなかったのだが、気づけば爺ちゃんのもとへ行こう!ってなってながらな。
もしかして、父さんと母さんが爺ちゃんのことが心配になって俺がここに来れるように背中を押してくれたのかもしれない。
「爺ちゃん、俺ついにやったよ昨日の夜、神様が現れて異世界へ行けるようになったよ」
「あとね、実は爺ちゃんはその神様の分身なんだって、でも爺ちゃんは俺の爺ちゃんだから安心して」
「それで爺ちゃんが神だったから俺は神の孫なんだってかっこよくない?」
「爺ちゃん…俺次の満月の日に行くことにしたんだ異世界に」
「だから俺が異世界に行くとき俺の背中を押して欲しい」
話が終わり病室を出ようとしたら、爺ちゃんが起きた。
「和人?」
「あっ爺ちゃんごめん!起こしちゃった?あと電話持って行くの忘れてて遅れた」
「大丈夫だ、自分で救急車を呼ぶことくらいできる」
「そうだね」
「儂はいつでも和人の背中を押しておるぞ」
「え!」
「和人!行ってこい!」
最近じゃあまり聞くことが無くなった爺ちゃんの強い声だ。
「うん!絶対行く」
その後、爺ちゃんは帰れないということで俺は一人で家に帰る。
家に帰ると玄関が開きっぱなしだった!
危ない!
家の中を確認したが何もなかったようだ。
そこで俺は気づくマラソンをしてそのまま病院に行っていたことを。
(やっば、臭い!)
風呂場へ直行!
そのまま今日は風呂に入る、もちろん汗を流した後に。
(あ〜〜〜気持てぃ〜〜〜)
(体を洗い、今日もポージングをとってみよっと!)
ポージングを取るために鏡の前に立つ。
(俺も老けたな)
14歳の頃から憧れを持ち今は30歳である。
(30歳で異世界果たしてやっていけるのかな?)
(もうちょっと若かったら好きな人を作って結婚とかもできたかもしれないな、やっぱりお見合い、受けるべきだったかな…)
(いやいやいや、ダメだろ奥さんなんかできてたら卒業してて条件をクリアできなかったに違いない)
(そうだ!これでいいんだ)
異世界に行けることがわかり、急に恋がしたくなった。
(するにしても今はダメだ、恋をするなら異世界でだ!)
(そう思うとヤッベーー早く行きたい)
興奮したまま風呂を出る。
お風呂に入ったのだが、まだ12時なのだ。
(まぁ、朝起きて3時間走ってそれから病院に行っただけだもんな)
(とりあえず携帯確認するか)
携帯で確認することはお手伝い先からメールが来てるかのチェックである。
(今日は誰からも連絡がない!珍しいもしかして爺ちゃんが運ばれたことを知ってるからかな)
(どうしよう…暇だ)
この9年間、和人は必死になっていろんなことをこなして来た。
ずっと走り続けたのだ、このひとときの休息も寝るとき以外ではあり得なかった。
(そうだ!久しぶりにラノベを読もう)
和人は自分磨きのために好きなものを封印していた。
しかし目的を達成した今ならよいと思った。
(って9年前から全く買ってないからな、同じものをもう一度読むより新しいものを読んだ方がいいな)
和人は行ったことのない本屋へ向かった。
(え?これもうこんなに進んでるの!これは途中で終わっちゃったのかな?これなんか面白そう)
(でも無駄なお金はないから買えないんだけどね)
そう考えたとき俺はなぜここまで来てしまったのだろうか?疑問である。
買うこともできないので本屋を出る。
(まぁ異世界には本屋さんがないかもしれないからなというがラノベは間違いなく無いだから最後に見たかったのかもな)
(あーーーー暇だーーーーーー)
『でしたら私とお話しなんてどうですか?』
「キャーーーーーーーーーーーーーーーー」
心の中で独り言をつぶやいていた和人に話しかけたのは一体誰なのか?
展開が早くてすみません。
そろそろ僕も和人君を異世界へ行かせてあげたのです。
僕も背中を押すよ!和人君!