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Analysis magician (アナリシス☆マジシャン)  作者: 怪盗N
第1章 異世界に俺は行く
11/22

第11話 神様出現!

今俺は爺ちゃんの家から20キロ地点、海岸沿いの道を走っている。

ふと、懐かしい記憶を思い出す。

儂と和人の二人三脚でオリンピックだ

(ふっ、あの時から1ヶ月くらい爺ちゃん、マジでオリンピックしか見えてなかったな)


そう俺が高知に来てもう明日で9年もの時が経つのだ。


この約9年間はいろんなことがあった。

爺ちゃんの修行

剣道を教えてくれたおじちゃんとの修行

釣りを教えてくれた漁師さん

縫い物を教えてくれた隣に住むおばあちゃん

などなど

いろんな人から教わった。


なぜこんなに多くの人から教えを受けられたのだと疑問に思うだろう、俺も思った。

後で知ったことだが、毎朝早くにマラソンをして挨拶をしていた俺の努力する姿をずっと見てきたからだそうだ。

認められた。


まぁ、そんな感じで頑張って、知り合いが増えてきたときにはちょっとしたアイドル的感じで扱われた。


外見も努力するその姿勢も良かったし年齢も20代なので何度かお見合いなどもあった。

結局、責任が持てないということで全て断ってしまった。


そんなことを思い出していたら家に着いた。

いろんなことを学んだが約9年間というのは長いものだ。

今はこれまでやってきたことを反復する生活になっていた。


「爺ちゃんただいま」

と言って爺ちゃんの部屋に入る。

そこにはベットで横になっている俺の祖父がいた。

「おかえり和人」

小さな声だ、俺が来た時はもっと生き生きとしていたのだが歳のせいか最近は声ですら聞き取りづらい。

「今日のノルマ達成してきたから、それで何かしたいこととかある?」

「ないない、儂は和人の姿を見ているだけで充分だよ」

「そっか、でも何かあったら必ず携帯で知らせてね!」

「わかったよ和人は心配性だな」

爺ちゃんはそういうが明らかに衰弱している。

心配だ。

「じゃ俺は自分の部屋に行くから」

「わかった」


俺は爺ちゃんの部屋を出て二階へ行く。

俺の部屋は父さんが使っていた部屋である。

最初に入った時は埃がすごくて死ぬかと思った、今は綺麗な部屋だ。


この部屋には父さんが残したもの、使っていたものがたくさんある。

勝手に触るのはダメだと思い、我慢していた。

そのため、ベットだけを借りていたのだが、次第に昔の父さんのことが知りたくなったので気づけば隅から隅まで洗いざらい調べた。


わかったことは父さんは勉強が出来て、運動も出来て、モテていたこと、巨乳好きだということ。いろんな真実が明らかになる。

中にはえっちー雑誌もあった。古い。


父さんも男の子だった。


それでいて母さんみたいな美人さんと結婚して本当に人生を楽しんでいたのだろう。


それに比べて俺はどうなんだろうか?

ベットに腰を下ろしながら考える、俺はこの9年間やれることは全力でやって自身を磨いてきた。

実際、周りの人も認めてくれるくらいだ相当だろ。

だが、未だ異世界には行けていない。

ここまで来たのだ諦めるという選択肢はない、がいつまでやればいいのだろうか?


①身体を鍛える

これはかなり完成形に近づいているのではないだろうか。

ジムの知り合いができ、ちょっとしたアイドルの俺を宣伝になるからなどと言って無料で通わせてくれた。優しい人だ。


そのおかげでもあるのだが今は効率よく筋肉を鍛えることができたので昔に比べて体が1.2倍くらいでかくなったように見える。

身長は伸びなかった。


②心を鍛える

心の修行は最初こそ爺ちゃんがしてくれていたがいつの間に寺で修行していた。

よく心が乱れていたせいで叩かれまくった。

しかしそれも数年経てばなくなり今では

〈無の境地

ゾーン

に入ることができるようになった。


そこまで修行をしてからは教える側もやらせてもらった、そのおかげで些細な乱れなどを感じ取ることができるようになった。


しかし③ある条件をクリアによって力を手にする

この力だけはどうしても手に入れられなかった。

そもそも条件もわかってないのにクリアなんてできない。


その前に俺は思う、何故自分はあの光に包まれながら思い出した記憶の中の妄想なんかでここまでやってこれたのかを。

最初の一年を入れると明日でちょうど10年である。

確かに今の俺はあの出来事のおかげで充実した日々を送っている。

お金の面も知り合いが出来て、そこでお手伝いをさせてもらい少し貰っている。

こんなことをいろんな人の元でこなして生活している。

相手側は鍛えた俺の体力などを見て自分ではできない重労働をさせているだけだから気にするなと言われている。


俺はみんなに助けてもらってばかりだ。


だからこそ、異世界には行きたい、行かなければならない。


だが現実的に無理なのだ。

(どうすればいいんだよ、条件ってなんだよ)

(そういえば父さんは25歳で結婚したって言ってたな、もうとっくに超えてるな、はは)

(今の俺を父さんと母さんが見たらなんて言うんだろう、確か妄想信託の後に異世界へ行くことを伝えた時…勉強と結婚と孫だったな無理そうだな)

(父さん母さんごめんどうやら俺は2人に嫁も孫も見せられないや)

(でも異世界には絶対行く!)

そのまま俺は眠りについた。



うん?あ!寝てしまっていたようだ。

時計を確認、時間は11時47分である。


(うーん、やばい確か17時くらいに寝てこの時間…目が覚めてしまった!生活リズムガーーー)

(暗いな)

その時窓から光が射した。

(なんだ!あれ!あの光は!)

あの光はあの時と同じ感じがした。

俺は光の元へ向かった。

光が俺を包み込んだその時だった!


『あーーきーーーるーーーーかーーー』

何かが聞こえた!

俺は激しく動揺してしまった心を落ち着かせそのまま

〈無の境地

ゾーン

に入った、するとさっきは聞き取りずらかった声?が聞こえてきた。

『おーい、聞こえておるかな?それともまだダメだったかな』

なんか爺ちゃんの声に似ている気がする。

とはいえ早く返事を返さないといけない。

俺は恐る恐る返事を返した。

「えーと、聞こえてますよ」

『オーーーーーーーーー!』

俺は思わず耳を塞ぐ。こんな真夜中にこんな大きな声で話さないでほしい。

一階では爺ちゃんが寝てるのだから。

『ついに来たな和人よ』

「え!俺のこと知ってるのですか?」

『和人よ忘れたのか?16年前の満月の日に話したではないか、そしてそれから6年後にもその時の記憶を思い出させたではないか』

「あれは俺の妄想ではなかったのですか」

『いやいや、話しをしたではないか、それなのになにも行動に移さないからもう一度だけ教えてあげたのだ』

「そうだったんですか!ありがとうございます!ところで、あの、その、あなた様はあの時の…神様なのでしょうか?」

『いかにも儂は神である』

「それではいくつか疑問に思っていることがありまして質問をしてもいいでしょうか」

『良い』

「それでは、まずなぜ俺がこうして神様と話せるのでしょうか?」

『通常神というものは見守る存在なのだが和人はその身に神の血を宿しているので儂が提示した3つの条件をクリアすれば話せるようになるのだ。ちなみに最初に話しかけられたのは儂の力技じゃ、疲れるのであれ以上はやらなかったのだが忘れてそうじゃったからもう一回頑張ったのだ』

「すみません、えーとそれで俺が神の血を宿しているというのは俺の親族の中に神様がいたということでしょうか?」

『いかにも分身だがな、名前は一条和正という』

「爺ちゃん? え!てことは神様も爺ちゃんということですか?」

『正確にいうと和人の祖父は儂の分身体、なので完全に別人といっても良い、しかし分身だとしても和正は同じ神だな、そうすると儂も和人の爺ちゃんだな』

「そうなんですか…」

やばい、ビックリである!当たり前だ!なんだこの展開は!夢!まだ俺は寝ているのか!

『他にはないのか?』

「まだあります!えーとこの場では神様と呼びますね、それで神様が俺に提示した3つの条件は達成できたのでしょうか」

いや俺は何を質問しているんだ!達成したから話せるようになったって神様がさっき教えてくれたのに。

『達成したとも、まず①の体を鍛えるだったがこれは儂と普通に話せる体になれば大丈夫というものじゃ、もし鍛えてない体のまま話しかければ内から吹っ飛ぶ、まぁ儂が気をつければいいのだが疲れるからの』

怖い、ものすごく怖い、吹き飛ぶとか軽々しく言わないでほしい。

『次、②の心を鍛えるもさっきと同じ感じだな無の境地に至り儂の声を聞き取れるようになっていれば達成じゃな、ちなみに半端な無の境地で聞くと発狂しておかしくなる』

まただ、また怖いこと言ってる!発狂、もし俺がそんな風になっておかしくなったらどうしてたんだろうか?

『最後の③これが一番重要じゃな』

こうして聞いていてわかったことがある①と②はいらないのではないだろか?

この2つは神様が我慢すればいいのだから!

いや人の分際で出過ぎた発言は慎むことしにしよう。

『30歳まで童貞を守ることじゃ』

うん?この人なんて言った?

誰が、そんなものだということがわかるんだ!

神の力か?そうなのか?

恥ずかしい!見ないで!

『和樹は十代前半の頃に卒業しておって話しかけもしなかった』

どうやら父さんは十代の頃に卒業されたそうですよ!母さん!

『しかし和人はよくぞその歳まで守りきった!よくやったぞ』

嬉しくない、そんなことで褒めないでほしい。


突如神様はいきなり真面目さんモードになった。

『これらの条件をクリアしたそなたに約束どうり剣と魔法が飛び交う世界への門を開いてあげよう!』

「ありがとうございます!俺本当に異世界に行けるんですね!」

『本当じゃよ、あとお主の努力を儂もみておったから儂の力の一部をそなたに渡そう』

「いいのですか?」

『良い、その体ならすぐに馴染むだろうから大丈夫であろうし頑張った孫にプレゼントをへ渡しただけじゃ』

そう言った神様が力を渡してくれたのだろう俺の体が一瞬だけ光っり、体が熱くなった。

『よし、話しもしたし、渡すものも渡したからな今日のところはここまでにしておくとしよう』

「えっと俺は異世界にいつ行けるのでしょうか?」

『今からでもいけるが…儂の分身体の寿命が尽きてからでもいいじゃろうな』

「あ…」

『それでは和人よまた満月の夜にな!』

そう言ってから光が消えていった。


やった!やったぞ!俺のこれまでの努力は無駄なんかじゃなかった。

嬉しい!ただ嬉しい!


でも、俺は今度こそ本当に1人になっちゃうんだな。


父さんと母さんそして爺ちゃん俺の大切な家族。


(よし、異世界へ行くことができるようになったのた、なら俺は爺ちゃんにこの10年間の集大成を見せないとな)

(今日はご褒美として二度寝するか)

二度寝なんて何年ぶりだろうか?

しかし、悪くない。


こうして和人は異世界へ行けることになったのだった。

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