第10話 二人三脚
チュン、チュン、チュウィーーン
変な鳥の鳴き声で目が覚めた!
視界に広がるのは知らない天井のシミだった。
(そういえば、俺昨日はソファーで寝たんだったな)
時計を見ると!4時だった!
(え!早すぎない!俺疲れてたからもうちょっとなると思ってたのに、まぁ、起きてしまったんだし顔洗って走りに行くか)
洗面所で顔を洗い、うがいしたらオーケー
荷物の中からジャージに着替えて出発。
(っと!いけないけない爺ちゃんに何も言わないで出て行ったら心配されてちゃうから置き手紙を書いて…よし)
玄関でこれまた荷物から取り出してきたランニングシューズ〝一年間愛用〟を履いて走り出す。
しばらく走った。
いつもと違う景色に感動しつつも何もイベントは起こらなかった。
一時間半後
(ふぅー、この速度で走り続けたから爺ちゃんの家からこの砂浜まで20キロくらいかな)
堤防の上で海風に当たる。
(気持ちー、この風はあの街じゃ味わえないな)
さすがというべきかこの時間帯になると人もちらほら見られるようになった。
(よし、爺ちゃんも起きてるからだし早く帰るか)
走っている間、通りすがる一人目の人に挨拶をしたら返してくらたので調子に乗って全員にしてしまった。
もう何人に挨拶したかさえ覚えてないがしてよかった。
この地に来て心機一転って感じだな。
それからまた一時間半後
「爺ちゃん!ただいま」
「おお、和人朝から走りに行くとは感心だな」
「ありがと、海風が気持ちよかったよ」
「ん?和人どこまで走ってきたんだ?」
「ここから南に行ったところにある砂浜まで」
「あんな所まで行ってたのか!しかし遠かっただろ」
「うん、片道一時間半くらいだったよ」
「ここからあの砂浜まで20キロくらいあっただろ、往復40キロを毎朝、走ってるのか?」
「いつもは、ハーフ、20キロだよ今日はたまたま早く起きちゃって、新しい街を見るためにもちょっと長くなっちゃたんだ」
「そうか…まぁ程々にな、さて朝ごはんを用意しとくから汗を流しておいで」
「ありがとう」
シャワーで汗を流してから爺ちゃんと朝食だ。
「それにして和人は随分と変わったな」
「確かに変わったかもでもこんな風になったのは一年前でそれまでは前と何も変わっらなかったんだ」
「そうなのか、それでその一年前からと言ったがなんかあったのか?」
「そのことなんだけど、爺ちゃん俺はある目的を果たすために強くなりたいんだだから稽古をつけてくれ」
俺は爺ちゃんに頭を下げる。
爺ちゃんはこれでも昔は道場を持ち大人から子供までいろんな人たちに格闘技を教えていた人だ。
頭を下げてお願いするのは当たり前である。
「和人にならいくらでも教えてやれるが理由は教えてくれなのか?」
「理由は異世界に行くためだよ。」
「外国?」
「異世界、剣と魔法が飛び交うような場所」
「その世界には強くなればいけるのか」
「ただ強くなるだけじゃ行けない条件があるんだその条件は」
和人から提示されたのは
①身体を鍛える
②心を鍛える
③ある条件をクリアによって力を手にする
この三つだ。儂は考える。
剣と手品が飛び交う世界だったか?
剣というのは危ないので①と②を鍛えるのはわかる。
が③はなんだ?よくわからん?
これに手品が関係してくるのだろうか?
和人は剣の手品を使かうマジシャンになって外国に行きたいのかな?
よくわからないが和人が本気だということだけはわかった。
さっきのマラソンにしても鍛えているというの本当だな。
それに儂がこのまま正しい指導をすればマジシャンではなくスポーツアスリートになってオリンピックも夢ではないかもな。
「よし、和人よ条件③はわかんが①と②に関しては和紙に任せろ!儂と和人の二人三脚でオリンピックだ」
「ありが…ん?オリンピック?」
「そうだ、というわけで朝食を食べ終わったらまずは身体測定からどのように鍛えるかを儂がみて決める」
「うん…よろしくお願いします」
こうして俺と爺ちゃんの二人三脚で異世界への道が始まった。