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真昼の出来事

作者: 泉末広
掲載日:2018/07/27

暑い日照りに負けず、道を歩く。

屋根を見上げ、壁を見送り、地面を見つめる。

誰もいない道。

小さくなっていく影に、寄り添っている。

小さくなっていく影に、望みを寄せている。

誰もいないここに、後悔を捨てるけど、いい?

引き潮に似た影を追いかけて、トンボが足元で羽休め。

トンボの緑と銀の背中を見つめ、その羽の微動に憧れる。

乱反射のなかで、諦めて、妬みと嫉みをふるい落とす。

規則正しい足音が大きくなって、近づいてくる。

なんの問題なく両足が奏でる足音に、懲りずに期待を寄せる。

目の前を横切るのは、自分以外の代表者。

なんの抵抗もなく熱せられた壁に、全身全霊で張りついている。

寄り添っていた影に打ち上げられて、鼻先が無慈悲に晒される。

捨てたはずの後悔は、持ち主のもとへ。

足元にいたトンボは、いつの間にか、肩先を並べている。

寄り添える場所を、いつも時間に流される。

この真昼のころに、わたしの望みは焼き捨てられる。

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